ちょっと気まずい朝
由紀江と優子は一緒に朝を食べた後、テレビの前のソファーに座って、休日をくつろいだ。
朝の土日のテレビはなんだか独特の雰囲気がある。二人はそんなテレビを見ながらぼーっと過ごしていた。
お互い、脳がばっちり起きており、昨日の夜のこととか、朝のベッドでの時間とかを思い出して、なんだか、気まずいとまではいかないが、妙な雰囲気になっている。
由紀江は優子の方を目でちらっと見た。優子はいつも通り。何か気にしている様子はない。
由紀江は先ほどのことは少し距離が近すぎたと反省していた。まだそこまで心を許されているとは限らないのに、少し間違えたかとも思っていた。昨日の夜に関しては、少し誘い方が強引だったかもしれないとも思っていた。
優子はテレビを見ている。リアクションはない。いつも通りだ。
ふと優子が由紀江の視線に気づいて、
「どうしましたか?」
と聞いた。由紀江は、やばっという顔で、
「い、いや。なんでも。」
といった。すると、優子が話し出した。
「さっきは、すみませんでした。なんか、寝起きで。あと夜も、甘えてしまって…。」
「え⁉何で優子ちゃんが謝るの?っていうかもっと甘えて。」
「え…、もっと甘えてって、どういう。」
「あ、いや。なんでも…。っていうか、私の方が、なんか距離近すぎて、急に、びっくりしたよね。ごめん。」
「…。びっくりはしましたが…。いやではありませんでしたよ。」
その言葉を聞いて、由紀江は、
(かわいすぎか…)
と思った。
由紀江は、優子のことが本気で愛らしく、可愛く、心に来ていたが、平常心を保った。そのうえで由紀江は話し続けた。
「それにさ、夜は甘えてくれて嬉しかったんだよ。」
「あれは、甘えすぎました。本当に。」
「いや、毎日あれくらい甘えてほしいくらい。」
「どういうことですか。」
優子はそう言いながらも、あの時の心地よさが忘れられなかった。それは無表情の中の表情に出ているようだった。声は少し照れがかっているようだ。そして優子はつい口走ってしまった。
「その言葉に…、甘えたくなります…。」
由紀江はその言葉に放心した。
「え。」
「…、今の無しで。」
「やだ!無しにしない!」
優子は確実に由紀江に心を許していっており、二人の距離は着実に縮まっていった。




