第4話
「精霊の愛子って職業、見たことも聞いたこともないんだけど?!何、ロロくんって実はとんでもない子なの?!」
「お、落ち着いて!」
セフィリアさんがご乱心だ。頭を抱えてめちゃくちゃ大声で叫んでいる。しばらく様子を見て宥めていると、段々と落ち着きを取り戻してきたみたいだ。
「…ふぅ、取り乱しちゃってごめんね。ちょっと現実を受け入れられなくて…」
「だ、大丈夫ですか?」
「一先ずはね…。とりあえず私は何も見なかったことにするよ。ちょっと私には荷が重すぎる」
職業に関してはすっぱり忘れて、俺たちの間に心穏やかな時間が流れ始めた。
「そういえばロロくん、細工スキル取ってるんだね」
「はい。魔石を加工したのを研磨して、アクセサリーなんか作ろうかなって」
「いいねいいね。もう何作ろうか考えてるんだ。…そうだ、もしよかったら私が基礎とか教えてあげようか?」
…それは嬉しい提案だが良いのだろうか?なんかこちらが得ばかりしているような気がするのだが…。
「せっかくお知り合いになれたのに、これでさようならなんて寂しいでしょ?それにロロくんは目を話しちゃいけないような気がするし…」
「理由になってるんですか、それ。…まぁ俺も細工の師匠は欲しかったので、よろしくお願いします」
「うん、よろしくされた!」
≪セフィリアの弟子になりました。称号『銀翼の細工職人セフィリアの愛弟子』を獲得≫
≪プレイヤーの中で最初に称号を獲得しました。称号『早すぎる者』を獲得≫
…なんか称号を貰ってしまった。しかも愛弟子ってなんだよ。まだ成り立てなのに愛っておかしくない?
『銀翼の細工職人セフィリアの愛弟子』
注釈:銀翼の細工職人セフィリアが特に気にかけ、かわいがっている者に送られる称号
効果:WP+5、細工に関係するスキルの獲得経験値上昇
『早すぎる者』
注釈:プレイヤーの中で最初に称号を獲得し、かつ初日に達成した者に送られる称号
効果:WP+10、全ての獲得経験値微上昇
これはありがたいぞ。特に獲得経験値の上昇が嬉しすぎる!どれぐらい増えるのかは分からないが、スキルの上達は格段に速くなるはずだ。
「それじゃあまずは、細工ギルドに登録してきて!あ、これ紹介状ね」
「あ、どうも。…細工ギルドとは?」
「アクセサリー全般の製作とか加工を担う職人たちが集まるギルドのことだよ。金属細工に宝石加工、木工、革細工って幅広いんだよね」
「なるほど」
「ロロくんは細工に関係する職業ではないけど、アクセサリーを作りたいって気持ちは本物だからね。それならギルドに登録しておいたほうが、より技術を磨けるかな~って思って」
色々考えてくれていたんだな。…だがこの紹介状はなんなのだろうか?
「それがないと旅人さんたちは公共のギルドに登録することができないんだよ」
「そうなの?!」
「そうなの~」
旅人────つまりはプレイヤーのことだな。公共のギルドということは王道の冒険者ギルドとかも登録することができないのか。ヤバいな。
「ギルドには誰でも簡単に登録ができると思ってました」
「それが違うんだよね。ほら、ギルドも信用で成り立ってるわけだからさ。誰も彼も登録していいですよーとはならないわけだ。紹介状を持ってない人が登録したいって行ってもどのギルドでも門前払いされると思うよ」
「そんな…冒険者ギルドも門前払いされるんだ…」
「ん?ロロくんは冒険者ギルドにも興味があるの?」
そりゃ、男らしい職業と言ったら冒険者でしょ!…という冗談は置いておいて。モンスターを狩って魔石を集めようと思っていたから、ついでに冒険者ギルドでモンスターを狩る依頼を受けようと考えておりました。そのことをセフィリアさんに話す。
「なるほど。それだったら細工ギルドに登録した後に冒険者ギルドに登録しに行けばいいよ」
「?でも紹介状がないと…」
「それは最初に登録するギルドの話。どこかのギルドに登録していれば、紹介状がなくても他のギルドでも登録手続きしてくれるはずだよ。言ってなかったっけ?」
聞いてない!…だがやることは決まったな。まずは細工ギルドに登録しに行くか。そんでもって冒険者ギルドにも登録して討伐依頼をこなしつつ魔石集めをしよう。
「それじゃあ俺は街を探索しながら細工ギルドにを探しに行きます」
「おぉ行動が早い。ギルドの場所は結構分かりにくいから、頑張って探してみてね。北西の方角にあるから」
「分かりました。色々とありがとうございます」
「ロロくんは私のお弟子さんだから、当たり前のことだよ。魔石がある程度集まったらまた来てね」
師匠にお別れを言って探検に戻る。細工ギルドは北西の方にあるって話だから、そっちに行きながら色々見て回るか。
それにしてもギルドの登録に関する話、知らないプレイヤーは多いんじゃないか?俺は運よくセフィリアさんから紹介状をもらうことができたけど、他の人はどうしてるんだろう…。
「お、ここギルドじゃないか?」
考え事をしながら歩いていたら、ギルドと書かれている建物に辿り着いた。ここは────多分農業ギルドか?近くに広大な畑もあるし看板に農作業のための道具が書かれている。細工ギルドじゃないのかー…ちょっとがっかり。




