ブラックダイヤ
それからプラム侯爵家の動きは早かった。
人員を送り、黒いゴミを回収し鑑定。
ブラックダイヤで間違いないと判明すると、すぐに大陸の東側の国のいくつかと交渉。
高値で売りつけることに成功して、ゴミが巨額の資産に変わった。
「義姉さん、おかげで我がプラム侯爵家の財政は膨れ上がる一方ですよ。アドバイスありがとうございました。これではもう、義姉さんには頭が上がりませんね」
「えへへ、お役に立ててよかった!」
「なにかおねだりはありますか?」
「じゃあ、鉱山で働く人々に休日を定期的に与えてあげて欲しいです!出来れば週休二日で!あとお給料も出来る限りでいいので上げて差し上げて欲しいです」
「それがおねだりか?欲がねえな」
レオン様が私の頭を撫でてくれる。
「お前、絶対「出涸らし」なんかじゃねえだろ。むしろ至宝だ。黒髪黒目ってだけで損してやがるな」
「ええ、その通りですね兄さん。義姉さんはとんでもない天才だ」
「王家が知ったらブランシュが惜しくなるかも知らねえな」
「ですが、絶対王家に義姉さんを戻すことはありません。指一本だって返さない」
「はは、当たり前だ!なんせ俺の嫁なんだからな」
ここでは、私は冷遇される出涸らし姫なんかじゃない。
必要とされる、一人の女の子だ。
その事実に、私は胸が熱くなった。
ブラックダイヤの輸出成功によって、プラム侯爵家がさらに裕福になってしばらく。
変わらず私を溺愛してくれるレオン様とリオネル様だが、今日はなんだか様子がおかしい。
じっと見つめてくるレオン様を見つめ返すと、意外な質問が飛んだ。
「なあ、お前王家のスパイじゃないよな?」
一瞬きょとんとしてしまったが、すぐに言い返す。
「スパイなら、わざわざプラム侯爵家のためにアイデアなんて考えないと思います」
その言葉に満足そうに頷くレオン様とリオネル様。
「そっか、よかった。ならちょっと相談があるんだ」
「なにかありました?」
「実は、従姉の嫁いだ国が大厄災に見舞われてね」
「魔獣の獣害ですか?」
私の言葉に、レオン様とリオネル様が顔を見合わせる。
正解だったらしい。
まあ、このナーロッパ世界で大厄災といえばそれだろうと当たりをつけただけなのだが。
「理解が早いね…そうだよ、従姉の嫁いだ国の防壁が魔獣に突破されたらしい。大規模な獣害で被害は壊滅的。やっと魔獣を駆除しきれて落ち着いてきたけど、復旧の目処は立っていない」
レオン様が不快そうに眉を寄せる。
身内贔屓のプラム侯爵家だ、従姉のことも心配なのだろう。
だが、侯爵家としてどこまで動くか計りかねているらしい。
私はふむと唇に指を当てて考え込む。
二人が納得する、侯爵家にも損のない…従姉の嫁いだ国を助ける方法。
私は考えた後、口を開いた。
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