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CYCLE  作者: カツ・コイチ
武闘会編
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53/59

バラスト規格

「...は?」


動揺するルシエル。

すぐに教員が駆けつけ、ルシエルを担架に乗せる。


「ち、ちょっと待て!まだ僕は戦える!!」


大量の出血を見て、俺は我に返った。

運ばれていくルシエル。


「は?...え?」


状況を理解する。

俺がルシエルを負傷を負わせたんだ。

それも、一生モノの...


「あーえっと、気にすんなよ?アマツ」


見上げると、ハヤテが気まづそうな顔を浮かべてこちらを見ていた。


「気にするなって...俺はルシエルの腕を...!!」


するとハヤテは、ゆっくり口を開く。


「いや、普通に治るから」


...え?

その言葉に俺は激しく動揺する。


「腕の切断くらい、あいつならルポ剤で治るだろ」


ヒールポーション剤...通称ルポ剤。

体内のエネルギーを消費することで体の再生を促す薬剤で、骨や神経やも容易に再生させることが出来るらしい。


「あーもう、まじで焦った...」


正直拍子抜けだが、まずはルシエルを倒せたことを喜ぶべきだろう。

しかし、まだハヤテが残ってる。

さっきほどの激情は残ってないし、ハヤテに勝てるかと言われると正直不安だ。


「...手加減してくれとは言わないけど、最初から本気は辞めてくれよ?」


俺は恐る恐るハヤテに尋ねる。

するとハヤテは少し黙ったあと、俺の肩に手を置いた。


「いや普通に棄権するわ!さっきの見せられちゃ無理だろ!」


ハヤテ曰く、勝ち確だと思っていたら一瞬にしてルシエルの腕が吹っ飛び、「ガチビビりした」らしい。

俺は一応、さっきのはたまたまだと話したが、聞き入って貰えなかった。

せっかくなら戦いたいという気持ちもなくはなかったが、負けるのはゴメンなので有難くフラッグを頂戴することにしよう。

俺はゆっくりとフラッグの元へゆき、引き抜く。

その瞬間、アナウンスが鳴り響いた。


「アマツ・カイ、フラッグ獲得!!優勝は...第11班です!!」


その言葉と共に、激しい歓声が巻き起こる。

正直最後は拍子抜けだったが、全体を通してみると決勝戦にふさわしい試合だった...のか?


ーーー


「それじゃあ、第11班に...乾杯!!」


表彰式も終わり、俺たち11班は優勝祝いに打ち上げに来ていた。

向こうではこんなのした事なかったから、正直ちょっと嬉しいと思ってしまう。


「お前ほんとにすげーんだな!あそこから勝てんのかよ!!」


ロキはジュースを飲みながら、なぜか酔っ払ったようにテンションが高くなっていた。


「ほんとですね!私なんて足手まといにしかならなくて...」


「いや、ミリス無しだったら最初の作戦も出来なかったんだ。十分だよ」


俺たちは食事をしながら、今日のことや日常のことについて話す。

盛り上がりがピークを迎えてきたところで、俺は恐る恐るロキの事について尋ねる。


「なぁロキ、聞きづらいんだがその...ルシエルが言ってたことってなんなんだ?」


俺がそういうと、ロキは少し困った顔をしたあと、話を始める。


「別に、俺の過去についてだよ。まぁなんていうか...俺のコンプレックスみたいな?」


ロキはそう言うと、すぐに話題を変えた。

どうやら、この話について触れるのはやめたおいた方がいいらしい。

それに、いつか自分から話す時も来るだろう。

そう思い、俺は再び食事に手をつけた。


ーーー


「みんな、武闘会おつかれ。今日は大事な発表なあるからなー」


後日、俺たちが学校へ着くとカイズは大事な発表があると少し濁した言い方で俺たちに話した。

チャイムが鳴ると、カイズは改まったように話を始める。


「優秀な成績を収めた者も、そうでないものも...本当によく頑張った。それに伴い、我々バラスト養成学校から君たちにプレゼントがある」


カイズはそう言うと、なにやら大きな紙を張り出した。

そこには、クラス全員の名前と...なにやら数字と言葉が書いてあった。


「おい、あれまさか...!!」


なにやらハヤテが目を輝かせている。


「これはお前たちのモツの固有名詞と...登録されたバラスト規格だ」


バラスト規格...?

俺が戸惑っていると、カイズが説明を始めた。


「バラストは個人の実力を測る際に、合理性を考慮した7段階の強さに分類した。それがバラスト規格だ」


カイズは話を続ける。


「まず、規格1〜2。これは一般的に戦闘が可能なレベルとされている。養成学校の1年生はほとんどが1か2に当てはまるな」


「そして次に、規格3〜4。ここまで行くと一般的なバラストの隊員に匹敵する。さらに、規格5〜6。これはバラストの幹部クラスだ。名家の当主なども規格5に達する。ここの卒業生では規格5が数年に1人でたら上出来と言った感じだな」


一通り話を終えると、カイズはゆっくりと全員を見回す。

そして心なしか、最後に俺と目が合った気がした。


「最後に規格7..これに到達しているのは世界中を見ても数人。バラスト総督や一部の名家当主...そして最上級の傑出魂だ」


傑出魂...もしかしてソウキもそうだったりするのか...?


「見づらいという人は前に出ても構わない。自分の規格と...モツの固有名詞を見ておけ」


モツの固有名詞というのは、ルシエルの【逆鱗の地殻】のようなものだろうか。

せっかくならかっこいいのがいいな。


「よっしゃ!俺規格3だってよ!!」


ハヤテはバラスト規格で3に認定されたようで、これはどうやら学年でもトップクラスのようだ。

モツの固有名詞は【威風】。

新たな技を会得したハヤテには、ピッタリの名前だ。

間一髪でロキの攻撃を防いだ姿は、その名にふさわしいだろう。

そんな事を考えていると、なにやら教室がザワついていた。


「一体どうしたんだ...?」


そう思った瞬間、ディゴノは俺に驚いたような顔で話しかけてきた。


「君...規格5じゃないか」

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