開幕、バラスト養成学校・武闘会!!
5時30分、珍しく目覚ましがなる前に目を覚ました俺は、瞼を擦りながら窓のカーテンを開ける。
練習期間は終わり、いよいよ今日は武闘会当日だ。
「緊張のせいか早く起きてしまった...」
そう言いながら身支度をし、俺は朝食を食べにザクロの店へと向かった。
「早いな、アマツ」
店に着くと、窓際の奥の席にハントが座っていた。
「今日は武闘会だろ?たらふく食って行けよ」
ザクロはそう言い、ハントの席に2皿の朝食を置いた。
いつもより少し具材の多いサンドイッチは、彼なりの応援なんだろう。
「お前なら優勝しちまうかもな」
サンドイッチを頬張る俺に向かって、ハントはコーヒーを飲みながら話しかける。
俺はゴクリと口の中のサンドイッチを飲み込む。
「どうだろうな。自信はあるけど」
そう答えて、再び朝食にありつく。
「ガキはやっぱりたくさん食うのな。俺のもいるか?」
俺はサンドイッチにかぶりつきながら、首を横に振る。
それを見たハントはニヤっと笑いながらまたコーヒーを1口飲んだ。
そうして一通り食べ終えた後、俺はハントにあの時の出来事について聞いた。
そう、合同練習の際の小屋のことだ。
「...ってことがあってさ、何か知らないか?」
バラストの機密情報なんて、普通のやつが知ってる訳ない。
でも、ハントはやたらとバラストについて詳しい。
気になることはとりあえずこいつに聞けば間違いないだろう。
まぁ、ルシエルとの一件以来、リンキハイゼンや15年前のことは聞く気にならないが...
「小屋に...少年...」
俺の言葉に対し、ハントは少し考える素振りを見せたあと、ニヤリと笑った。
「バラストの機密情報なんて俺が知るわけねぇ!」
は??
考える素振りを見せたのはわざとだったのか...?
その後何度か問いただしたが、どうやら本当に分からないらしい。
「まぁでも妙な話だよな...結局その男の正体も分からねぇんだしよ」
そう、何より不思議なのはあの男がなぜバラストの機密に触れているのかだ。
あと、普通に機密情報のある場所に生徒が簡単に立ち入れるのは如何なものか...
「まぁ、お前は目の前の目標に集中しておけ」
そう言ってハントは俺の肩に手を置く。
目の前の目標...そう、今日はついに武闘会当日だ。
練習の成果を存分に発揮しなければ。
ーーー
「それでは始まりました、バラスト養成学校武闘会!!」
物凄い歓声とともに、武闘会の開会式が始まる。
どうやら開会式ではルールのおさらいと対戦カードが発表されるようだ。
「俺、お前らとは当たりなくねぇな...」
「何言ってんだ!俺はお前ら全員と戦いてぇぜ!」
「はぁ?お前意味わかんねぇ。」
アポロとハヤテはすっかり打ち解けたようで、今回の武闘会を楽しみに待ちわびている様子。
「僕も、本当はあんまり皆と戦いたくないけど...練習も頑張ったし、全力で挑みたい!」
ディゴノもワクワクしてるな。
当たり前だ。
この武闘会は一年に一回しかないメイン行事だ。
見るのも戦うのも最高の楽しみになる。
「どっちにしろ、勝ち進めば俺たちは戦うことになるんだ」
俺がそう言うと、アポロはニカっと笑いながら口を開く。
「そうだな!決勝でリベンジだぜ、アマツ!」
「あぁ、望むところだ!」
そんな会話をしていると、司会はルール説明を終え、対戦カードの発表を宣言した。
「うぅ、緊張する...」
全員が静まり返り、自分の1回戦の相手を探っている。
「それではまずは、1年生の対戦カードです...!」
その合図とともに、大きなモニターにトーナメント表が映し出される。
そこには第〇〇班という数字が振られていた。
「えっと、11番は...」
俺は自分の班の番号を目を凝らして探す。
1回戦、2回戦...と、順番に見ていく。
「「...あった!」」
「...え?」
ディゴノと声が被る。
「おい、ディゴノ。お前まさか...?」
俺がそう言うと、どうやらディゴノも気づいた様子。
少し歪んだ顔をしながら口を開くディゴノ。
「えっと...6番だよ」
6番、それは俺の11班との1回戦の対戦相手であった。




