No.2 vs No.3
「アポロ!自陣に戻るんだ!」
アマツがフラッグの方へ進んだのを確認したユノは、アポロへ自陣の防衛に回るよう促した。
「だ、だが...」
「任せてくれ!」
No.2を一人で相手するのは酷。
それはユノも分かっていた。
しかし、それが最善であるとユノは判断したのだった。
「いいのか?お前一人で俺を相手にする気かよ」
ロキはからかうようにロキに囁く。
しかし格上とは言えユノもNo.3の実力者であり、その場の環境によっては力量差を覆すことは容易であった。
「敵の心配をしている場合か?君たちはいま、自陣を敵班のトップに攻め込まれているんだぞ?」
そう、いくらロキとユノに実力差があろうと、チーム戦で考えれば作戦の通用しなかったロキのチームは不利であり、フラッグへの距離で言えば優勢なのはユノのチームだった。
「君は確かに速い...でも、頭がそこに追いついてなきゃ意味が無いんだ!」
すばしっこくユノの刀を避け続けるロキ。
しかし、単調な避け方ではユノの洞察力を出し抜くのは不可能であった。
腹部を刃が擦り、慌てたように後退りをするロキ。
その瞬間をユノは見逃さなかった。
素早くフラッグの元へ走り、手を伸ばす。
...が、もう少しで勝利というところでユノは慌てて体を屈伸させ、右へと転がった。
間もなくして、フラッグの上を電気の柱がほとばしる。
「...殺す気かよ」
「もちろん、お前なら避けれると思ってたぜ」
ユノが体勢を直すのを待たずして、ロキはユノへと走る。
勢いよくユノの首を掴み、その勢いのまま素早く城壁の穴へと進むロキ。
ガッ!!
鋭い轟音とともに、ロキの動きが止まる。
「...させ...るかよ...!」
ユノは城壁に刀を突き刺し、やっとのことでロキの企を阻止することが出来た。
「チッ...!」
ロキは手を離し、すぐにフラッグの方へと戻る。
そして、再び放電の準備を始めた。
「そのまま氷にぶっささってろ!」
バチバチという音ともに、ユノへ向かって電気の柱がおそいかかる。
しかし、カンッという高く響く音ともに、ユノは間一髪で電気の柱を刀の柄で弾いて見せた。
「...絶縁体か」
荒く息を吸いながら膝を着くロキ。
一瞬を争う戦いが繰り広げられる中、先に息が上がっていたのはロキであった。
開始直後から続く帯電の酷使と、間髪入れずに放たれた2度の放電により、ロキのモツは限界に向かっていた。
「立場が逆であれば僕の負けだった...本番でも当たれるのを楽しみにしてるよ」
そう言いながらゆっくりとフラッグへ歩み寄るユノ。
ロキはもはや振り絞れるほどの体力すらも残ってはいなかった。
そして、ユノがフラッグを掴んだ瞬間...
「...やっとかよ」
城壁の外から、バタバタと走る音が聞こえてきた。
「ロキ!フラッグ取ったぞ!」
ユノが振り返ると、そこにはフラッグを握るアマツと、その後ろで自慢げな表情を見せるミリスが立っていた。
「あれ...もしかして間に合わなかったか?」
アマツがそう言うと、ユノはやれやれという顔でフラッグから手を離した。
ポンっと地面に転がるフラッグと、両手をあげるユノ。
「よくやった、お前ら」
ロキのその言葉により、初の合同練習は終わりを迎えたのだった。




