合同!!アポロのユノ
次の日、俺たちは再び武闘会の練習を行っていた。
「作戦通りの動きができるように、しっかり連携していくぞ!」
作戦はこうだ。
まず、始まるのと同時にフラッグを守るようにミリスが川の水を使って城壁を作り上げる。
絶対防御を持つ俺はその中でフラッグを守る役割を担うことになっている。
そして、ロキとミリスはその後相手のフラッグを取るために進んでいくという内容。
だから、練習の内容は主にミリスとロキの連携と...
「くそ、だめだ。」
俺の力の制御だった。
「滑らかにエネルギーが浸透していくのは分かるんだが、その量がな...どうやらコントロールが原因という訳ではないみたいだな」
俺が力を使い、ロキが分析。
これの繰り返しで、俺が上手く制御出来ない原因を探していく。
ロキはミリスと連携の練習をしながら、俺の力の分析を行っているのだから、驚きだ。
「アマツさんはすごいですね...私なんてもうバテてるのに、ずっと力を使い続けられるなんて...」
ミリスは休憩を取りながら、ロキとの連携を行っている。
そしてロキも、さすがにぶっ通し出力を使い続けていると息が上がる様子だった。
「本当にな。こいつのモツは物がちげぇや」
ロキとミリスは俺が一切バテてない事に驚いてるようだった。
たしかに、モツは臓器なのだから、使えば疲れるのは当たり前だ。
しかし俺にはモツは無いし、武器の性質もあってか意思で形を変える以外に一切体力を使わないのだから、全く疲れないんだ。
そんなこんなで俺たちは毎日、武闘会へ向けて練習を重ねていった。
ーーー
「そろそろ合同練習をしてみてもいいかもな」
練習を開始してから2週間、ついにロキは合同練習を提案した。
「連携も上手くいくようになってきたし、アマツくんのエネルギー操作も順調ですしね」
そう、なんと俺はこの2週間でかなり安定してエネルギーを浸透させられるようになってきていたのだった。
もちろん、完全浸透まではまだ遠いが...
「じゃあ、明日からは合同練習でいこう!」
そうして次の日、ロキは他班へ合同練習の約束を取り付けて、練習場所へとやってきた。
「本当はルシエルの班とやりたかったんだが断られちゃってな...」
そう言いながら、ロキは合同練習の相手となる班を紹介した。
「よう、アマツ!」
聞き覚えのある声がしたと思ったら、なんとその班員にはアポロがいたのだった。
相変わらず暑苦しいやつだ。
「君達はこんな森の中で練習したのか...」
そう言いながら辺りを見回すのは、学年トップ3のクサナギ・ユノだった。
まさか、こいつらが同じ班だったとは驚きだ。
「先生からフラッグも借りれた事だし、さっそく始めようか。」
俺たちはお互いの陣地を決めて、それぞれがスタート位置についた。
はじまる時はロキが上に向かって放電をするので、それを合図にして開始とする予定だ。
「いいか?作戦通り、アマツにはフラッグを守ってもらう。絶対防御を見せてくれよ!」
そう言い残し、ロキは腕をクロスする。
バチっという音ともに、勢いよく電気の柱が上空へと登って言った。
「スタートだ!!」
その言葉と共に、ミリスは真っ先に川に触れる。
パキッパキッと形を変えながら川は凍っていき、やがてフラッグを囲う見事な城壁を作り上げた。
「さすがだな...」
思わず感嘆の声が漏れる。
2週間の練習は伊達じゃなく、2人は手際よく進んで行った。
さて、最初は誰がくるかな...?
「残念だったな!氷の弱点は炎なんだぜ!!」
その声が聞こえた瞬間、城壁を覆うように巨大な炎が巻き起こる。
どうやらアポロの能力のようだが、こんなに大規模だったか...?
そんな事を考えていたら、みるみると城壁は溶かされていき、ついには大きな穴が出来てしまった。
「お手合わせ願おうか、アマツ!!」
アポロはそう言って息を勢いよく吸い、口に拳を当てた。
またあの炎が来る!!
咄嗟に俺は鉄球により身を守る。
物凄い炎の音ともに、全身を熱波が包み込む。
しかしエネルギー操作の練習もあってか、鉄球により炎の恐怖からは見事逃れることが出来た。
「かなり熱くなってるはずだが、無傷とはな...凹むぜ!」
そう言いながらアポロは再び深く息を吸う。
しかし何発撃ったところで結果は同じだ。
俺は再び鉄球により自らを守ろうとする...はずだった。
「後ろか?」
俺は直ぐに鉄球を巨大な斧へと変化させ、思いっきり後方へとスイングする。
「見事。」
振り返ると、そこにはフラッグとわずかの距離の所にユノの右手が伸びていた。
しかし俺の斧がひと足早くユノの右手へと食らいつく。
咄嗟にてをひっこめ、俺との距離を取るユノ。
「さて、後ろの炎はどうするつもりだ?」
ニヤリと笑いながら、ユノは俺に語りかける。
そう、後方には今にも吹き出てくるアポロの炎があるのだ。
このままではモロにそれを食らってしまい、続行不可によりフラッグを取られてしまう...!
「もちろん対策済みだよ!」
俺はそう叫びながら、斧を振った勢いのままアポロの方へと投げる。
それはまさにハンマー投げのように、勢いよくアポロへと襲いかかっていった。
「ちょ、おい!!」
アポロは1歩引きながら、貯めていた炎を斧へ向けて勢いよく噴射する。
そして、その炎は斧の勢いを相殺するのにほとんどの余力を使ってしまっていた。
「いい判断力だね。その堅物より君が欲しかったよ」
「そりゃどうも。ついでに物騒な物しまってくれるかい?」
ユノは俺を褒めつつも、その手には刀がしっかりと握られていた。
避けられ無くはない。
しかし、ここで避けてしまえばフラッグを取られてしまう...。
一体どうすれば...!!
「作戦変更!交代だ!!」




