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CYCLE  作者: カツ・コイチ
武闘会編
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35/59

親和の森

午後になり、初めての3組合同の武闘会練習が始まった。

体育館にて各班が合流した後、それぞれが練習場所・内容を決める。

この際、別班と合同での練習や試合も許可されている。


「練習はどこでするつもりだ?」


俺がそう聞くと、ロキは少し考えたあと、校庭での練習を提案した。


「リグメシアの能力は広範囲だし、俺も広いところの方が動きやすくていい。アマツは基本的に環境に左右されない能力だしな」


さすが、3人の特性を活かした的確な場所選びをロキはやってのけた。


「あの...」


すると、ミリスが気まづそうに口を開いた。


「ごめんなさい、私は水の無いところでの広範囲の凍結はできないんです...」


申し訳なさそうにするミリス。

しかし、ロキはその言葉を聞いても冷静であった。


「それなら、親和の森を使おう。あそこなら川や池もあるしな。」


親和の森とは、養成学校の校舎の裏にある、バラストの所有する広大な森林だ。

これも養成学校の敷地の内に入るので、練習に使えるようだ。


「じゃあ、そこへ向かおう。」


そうして、俺たちは親和の森へと足を運んだのだった。


ーーー


「すげぇ...!」


森へ着くと、そこには都市にあるとは思えない、広大な自然が広がっていた。


「親和の森は、バラストが意図的に作った森なんだそうです。最初は小さな林だったのが、長い年月を経てこんな森林に姿を変えたのだとか。」



ミリスは、そう言ってどこか遠くを見つめていた。

その顔からは、なんだか少しだけ、寂しさが感じられた。

俺は午前のことを思い出し、意を決してミリスへ近づく。


「ミリス...じゃなくて、リグメシア!」


俺がそう呼びかけると、彼女はクルッとこちらを振り向く。


「今日のことはごめん。俺、すごい遠いとこから来てて、あんまり常識とか分からないから...」


俺がそう言うと、彼女は少しキョトンとした顔をした後、やがてふふっと笑いだした。


「気にしてませんよ。それに、ミリスで構いません。」


ミリスはそう言いながら、俺に微笑みかける。


「...ありがとう、ミリス」


なんだか、こっちに来てからは、向こうよりもずっと気が楽だ。

こっちに居ると、今まで感じなかったような感情が、どんどん込み上げてくる。


「おーい!そろそろ練習始めないと怒られるぞ!」


そんなことを考えていると、少し遠くからロキが俺たちを呼んだ。

俺が振り向いて返事をすると、ミリスが俺の手を掴む。


「今度、アマツ"くん"の故郷の話も聞かせてくださいね?」


そう言って、ミリスは俺の手を引く。

そしてそれがなんだか、凄く心地よかった。


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