班決め
そう言いながら俺の目を見つめるアポロ。
「武闘会...??」
俺が不思議そうな顔をしていると、ディゴノが割って入って説明をしてきた。
「一学期のメイン行事のことさ!生徒が3人の班を作って、武闘会で競うんだ。アポロくんはそこで一緒の班になりたいんじゃないかな?」
なるほど、たしかにカイズが話していたような気もする。
つまり、こいつは俺の腕を見込んでその武闘会で同じ班になろうと誘ってきているわけだ。
「...悪いが、俺はお前が期待するほど強くないぞ?」
俺がそう言うと、アポロはすぐに言い返してきた。
「あのルシエルを倒したんだぜ!?俺も決闘を見てたけど、お前が弱いなんて有り得ねぇ!」
確かに、あの決闘だけを見たら俺は化け物じみた強さだろう。
でも、俺のあの力は安定している訳じゃない。
武闘会で同じような強さを発揮できるかと言われると、そんな自信は無い。
それに、ディゴノが言うには班は3人で組むらしい。
それなら俺はハヤテとディゴノと組みたい気持ちが強いんだ。
俺が困っていると、ハヤテが口を開いた。
「でもよ、縦割り班はくじ引きだぜ?」
その言葉を聞き、俺たちは目を丸くした。
「それじゃあ俺はこいつと組めねぇじゃねえか!」
それじゃあ俺はハヤテやディゴノと組めないじゃないか。
それに...
「ランダムで3人となると、実力に偏りが出るんじゃないのか?」
俺がそう聞くと、ちょうど教室に戻ってきたカイズが割り込んできた。
「その心配はいらねぇ。班のメンバーはA、B、Cから1人づつ選ばれるからな。」
そう言いながら、カイズは教卓に大きな箱を置いた。
ABCから選ばれるなら、ハヤテやディゴノと組むのは絶対に無理ということだ。
少し悲しい。
「ではさっそくだが、縦割り武闘会の班決めを行う!!」
まさかこんな早くに決めるのか!?とは思ったが、予行練習なども考えると早めに決めて置いた方がいいのだろうか。
カイズは全員を席に着くように促したあと、出席番号順に一人一人を前に呼び出してクジを引かせた。
「これで全員引いたなー?それじゃあ、体育館に行って書かれた番号毎にまとまるように。」
そう言うとカイズは生徒を体育館へと連れて行った。
「えっと、11番は...」
体育館につき、自分の番号の場所を探していると、後ろからポンっと肩を叩かれた。
「11番はこっちだぜ、ライバル。」
振り向くと、自身の番号を見せながら微笑むロキの姿があった。
「...11番!?」
なんと、俺とロキは同じ班になってしまったらしい。
「本当はお前と戦いたかったが、共闘も悪くねぇな!!」
満面の笑みでそう言うロキに、少し嫌気が刺したが、こいつの実力は本物だ。
大舟に乗ったつもりで武闘会に挑めそうだ。
「えっと...11番ですか?」
振り返ると、青い髪をした女の子が立っていた。
パッツンの前髪に、少しキリッとした目つき。
少し上品なその風貌には、お嬢様のような雰囲気を感じた。
「あんたも11番か?」
ロキがそう言うと、女の子はゆっくりと頷いた。
「お2人の事は知ってますが、私なんかじゃ足手まといにはなりそうで...」
そう照れくさそうに言う女の子だったが、どうやらB組らしい。
俺なんかよりよっぽど優秀だ。
「おう、足手まといになったら引っぱたくからな」
ロキが真顔でそう言うと、その子は慌てて頭を下げ出した。
「ご、ごめんなさい!!」
まったく、こいつは突拍子も無いことを言い出すやつだ。
俺がその子をなだめていると、遠くからうわーっ!という叫び声がした。
聞き馴染みのあるその声の方を見てみると、そこには膝を着きながら叫ぶハヤテの姿があった。
「な、なんでお前が...!!」
よく見ると、奇しくもハヤテの目の前にはあのミアス・ルシエルが立っていた。
「どうされたのですか?」
ニコッと微笑むルシエル。
どうやら、この武闘会は少し大変なことになりそうだ...




