クラス分け
いよいよバラスト養成学校編が始まります!
「お前服汚れてんぞ!アマツみたいだな!」
俺は中学一年の頃、クラスメイトからいじめを受けていた。
もちろん直接殴られたり暴言を吐かれたりしていた訳じゃない。
ただ、虐待を受けていた俺の体はボロボロで小汚く、異物としての扱いを受けていた。
ソウキと出会ってからはそんなの気にならなくなったし、この世界に来た今、もう関係の無いことだ。
でも、やっぱり学校というのは俺にとって良い場所とは言えなかった。
「やっぱり受かってたんだな、アマツ!」
振り返ると、そこには試験で一緒になったハヤテが居た。
「お前なら受かると思ってたぜ。初めて見た時からお前だけは何か違うって感じてたんだ!」
得意げにそう言うハヤテも、あの高倍率の試験を突破している。
「俺は、お前は落ちると思ってたけどな」
「はぁ!?なんだよそれひでぇ!」
試験当日はあんなにたじろいでいたが、どうやら実力は確かなものらしい。
「クラス発表、早く見に行こうぜ!」
この学校に受かったのは総勢で約100人前後で、試験の内容を基に実力順にA・B・Cの3クラスどれかに配属される。
俺とハヤテは校舎に入り、大きなホールに張り出されたクラス発表の紙へと足を運ぶ。
豪華な装飾が施された校舎内は、学校と言うには少しお金がかかりすぎてるような気がした。
「えっと、俺とアマツは...」
人混みの中を掻き分け、紙へとたどり着くハヤテ。
俺もその後ろを着いていき、受験番号から自分の名前を探す。
「げっ!Cクラスかよ〜!」
俺の名前も見つかった。
ズル合格というのもあって、さすがに上のクラスには配属されなかったらしい。
「まぁ、お前と同じならいいか!」
ハヤテはそう笑顔で言ってくる。
キザなやつだと思いながら、その言葉に内心少し喜んでいた。
「Cクラス?有り得ねぇ。」
人混みの中、聞き覚えのある声が聞こえた。
「お前は俺と一緒にAクラスに配属されるべきだろ」
声の方を向くと、そこには試験で相対した少年が立っていた。
「誰だ?こいつ」
「試験の時の、俺の対戦相手だ」
ハヤテにそう紹介すると、少年は自慢げな表情で話し出す。
「俺はロキ・ハイド、天才だ」
自らを天才と自称する少年は、ロキ・ハイドと名乗った。
「ハイド...そのファミリーネーム、この近くの国じゃないのか?」
ハヤテがそう言うと、ロキは自らが北の大陸の出身であると明かした。
この世界は、地球と同じような球体の星に、大きなふたつの北と南の大陸に分かれている。
そして、バラストの本部および養成学校は南の大陸に位置していてる。
「北の大陸は俺には狭すぎたんだ。世界最高峰の組織、バラストこそ俺に相応しいね」
「うげぇ、ものすごい自信だな。さすがAクラスだぜ」
Aクラス。
つまり今回の入試で最上層ということだ。
試験での実力を考慮すると、当たり前の結果だろう。
「そういえばお前の名前を聞いてなかったな。えっと...」
そう言いながら、ロキは俺の受験番号を見て名前を探す。
「アマツ...カイ?あんまり聞かない名前だな」
「...まぁ、ちょっと遠い地域の生まれなんだ。アマツと呼んでくれ。」
カイという名前はこの世界には少ないらしい。
ハヤテの例があるから、てっきり日本人の名前は普通に居るのだと思ったが...
「そっちの雑魚はなんて言うんだ?」
ロキがそう言うと、ハヤテは少しムッとしながら自己紹介をする。
「シソウ・ハヤテ、雑魚じゃねぇ。」
ハヤテがそう言うと、ロキは表情を強ばらせる。
「シソウ?お前まさか...」
その時、教師が階段を降りてきて全員に配属されたクラスの教室へ行くように呼びかけてきた。
「まぁいい、また話そう、アマツ。」
そう言うとロキは一足先に教室に向かった。
俺とハヤテも、それに合わせてホールを後にした。不覚にも、学校というものへの嫌悪感が和らいでいるような気がした。




