合格発表
試験から7日後、ハントが朝一番に宿へやってきた。
「合格おめでとう、金の卵くん。」
ハントはからかうようにそう言うと、合格通知を見せてきた。
「あんな事があったんだ。学校側もお前のことは放っておけないんだろうな。」
「まぁ、ちょっとズルいんだけど...」
これは試験の後にハントから聞いた話だが、俺があの力を発揮した時には、すでに試験の時間を過ぎていたらしい。
笛がなっても戦いを辞めようとしない俺たちを、試験官が止めに入ろうとした時にあの事件が起きた。
だから本来なら不合格のはずなのに、ちょっとズルい形で合格になってしまったみたいだ。
「今日は合格発表を伝えるためにきたのか?」
「いいや、それだけじゃない。」
そう答えるとハントは話を始めた。
「バラスト養成学校というものについて、新入生のお前に話をしようと思ってな。」
バラスト養成学校、ソウキがいる可能性が高い組織...に入るための学校。
卒業してバラストに入ることが、ソウキに会うための有力な道だ。
「バラストは単位制の学校だ。3種類のテストを通して単位を取得した生徒だけが進級・卒業できる。」
3種類のテスト...それはもちろん国語や数学なんて話ではない。
「テストって、具体的には?」
「座学と実技...そして実習だ。」
「...!!」
座学と実技。
傑出魂や犯罪者への対処を学び・実践するもので、バラストになるために必要な知識と技術を3年間かけて習得するらしい。
しかし、気になるのは実習だ。
「実習っていうのはつまり...」
「あぁ、実際にバラストの隊に一定期間所属し、事件の対処に当たるんだ。」
実習を通してバラストのメンバーとしてやって行けるかを試す、極めて合理的な内容だ。
でも、俺にとって重要なのはそこじゃない。
「そこで配属される隊によっては、ソウキについて知れる可能性があるのか」
「...そうだな。」
正直、ソウキに会うために3年間かけてバラストに入り、さらにそこで実績を詰んで上層部の内部事情に関与するというのはかなり長い道のりだ。
だからこそ、この実習というのは物凄い近道になるかもしれない。
「実習は最初の学期からある。一学期の単位取得に必要だからな。」
「つまり、最速ならほんの数ヶ月でソウキに近づけるのか?」
「そうだが、期待はしすぎるなよ。1番確実な方法はバラストに入る事だからな」
確かに、そこまで上手く事が運ぶ可能性は僅かだろう。
でも、バラストの内部事情に少しでも近づけるなら願ったりだ。
「バラスト養成学校はお前の世界の学校とは違う。当たり前だが、座学よりも実技が重視される。入学試験も極めて競走の激しいものだが、かと言ってカリキュラムも易しくはない。」
「油断はするなよ。」
ハントがそう念押しするのは、俺がこの世界の人間ではないからだ。
「大丈夫。俺の意志は固まってる。」
何があっても、目的は1つだ。
その為に、"あの世"まで来たんだ。
入学試験編は終わりです。読んでくれた方々には頭が上がりません汗
ここからはいよいよ養成学校での生活が始まり、この世界での様々な事や秘密が明らかになって行きます。
熱い展開も盛りだくさんなので、ぜひ楽しんで行ってください!!




