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CYCLE  作者: カツ・コイチ
入学試験編
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16/36

イレギュラー

「疲れただろ。今日はもう宿に戻れ。」


ハントは俺について聞こうとしない。

というか、もう知っているのだろう。

俺の過去も、俺の気持ちも。

それがすごく、居心地が良いと感じている。


ーーー


次の日、俺はザクロに呼ばれ、武器屋に来ていた。


「有り得ねぇよ。」


開口一番、ザクロは真剣な表情でそう言った。


「ハントから話を聞いたが、チップで吸収できるエネルギーの量はたかが知れてる。城を作れるかもなってのは冗談で、本来あの規模の力は生み出せねぇ」


どうやら試験の時の俺の力は、ザクロの作った武器では到底実現できないものらしい。


「でも、今また同じことができるとは思えないんだ」


俺はザクロに当時の心境を伝えた。

もちろん、過去のことは隠したが。


「お前は存在自体がイレギュラーだから、なんとも言えないのは確かだ。だが、実際に有り得ないことが起きた。その事実がある以上この件は蔑ろにはできねぇ。」


ザクロは、事態をかなり深刻に受け止めているようだ。

そして、地球人である俺という存在は、この世界の理を覆す何かをもっている可能性についても言及した。


「イレギュラーは承知の上だろ。試験で力を発揮できた、今はそれで十分だ。」


ハントがそうなだめると、ザクロは少し納得のいかない表情を残しながら了承した。


「まぁ、また何かあったら俺に伝えてくれ。」


ザクロはそう言い残すと、カフェを開く準備に取り掛かった。

俺とハントもそれに合わせて店を出た。


「今回みたいなイレギュラーはこれからいくらでも起こりうる。でも、お前はソウキに会うことだけを意識してればいいさ」


ハントは俺にそう言い聞かせる。

俺は、何も知らない。

この世界のことも、ソウキのことも、ハントのことも、俺のことも。

そう実感しながら、歩みを進めていく。

この足は一体、どこへ向かっていくのだろうか。

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