反撃開始
「どういうことだ...?」
攻撃をするものじゃなくされるもの、確かにこいつはそう言った。
しかし俺は別にそんなこと微塵も思ってない。
「戦ってれば分かるんだよ。お前さ、やけに守りが上手い。受け身っていうかさ、傷つかない攻撃の受け方をしてるんだよね」
たしかにこいつの攻撃は当たらない。
でもそれは、この鉄球の力のおかげ...
「その武器のお前の守り方が、いかにも弱者の、いじめられっ子の守り方してんだよ」
「俺さ、色んなやつと戦って色んなやつボコしてきたから分かるんだよね。そいつがどんな気持ちで戦ってるか」
ついにこいつは全く攻撃をしてこなくなった。
俺が攻撃を出来ないのを知ってるからだ。
「お前の戦い方は、立ち向かうことを諦めた戦い方なんだよ」
そんなことは無い。
例え通用しなくとも、ソウキに会うため、立ち向かう意思が俺にはある。
「分かるよ。お前虐められてたんでしょ?」
なんの話しをしてるんだ?
虐められてた?
そんな事は...
「そうだよ。」
俺は虐められてた。
親に、ずっと虐待をされ続けてきた。
親に立ち向かったら、どうなるかを知ってた。
自分が傷つかないように体を守って殴られるのが、1番楽な方法だって、体で分かってたんだ。
「やっぱりね。お前、ださいね」
黙れ。
お前に俺の何が分かるんだ。
お前みたいのが、俺を知ったようなこと言うんじゃない。
俺の痛みを知ってるのは、ソウキだけなんだ...
だから...俺は、ソウキに、また、会わないと。
もう一度、会って、今度は...俺が助けるんだ!
「お前の言う通りだよ。俺はずっと虐められてた。」
「うん、で?そんなの知ってる」
「ずっと攻撃をされてきた。」
「だからなに?」
「何回も、何十回も、何百回も」
「嫌だ、辛い、苦しい、痛い」
「弱音吐いて終わり?つまんね」
「ずっと思ってた。俺ばっかり、不平等だって」
「仕方ないでしょ?お前が弱いんだもん。」
「平等な世界を作るってソウキが言ってたんだ。」
「ソウキ?だれだよ」
「世界が俺に与えた痛みは、俺が世界に返さないといけないんだ。それが平等なんだ」
なぜだか、胸の奥がスッキリしている。
「そうか、じゃあ返してみろよ」
強く、強く鉄球を握りしめる。
鉄球が、黒く変色する。
ハントが言ってた。
侵入者としてこの世界に来た俺には、悪のエネルギーが付与されているって。
そうだ、これは悪意だ。
俺とソウキの邪魔をするやつを、悪意をもって傷つける。
「「殺してやる」」
殺意を込めた鉄球は黒い剣になる。
そして、殺意のまま俺の体を導く。
「それだよそれ!俺も本気がだせそうだよ!」
相手の体がバチバチと音を鳴らし、青いイナズマが全身を覆っている。
速度は更に上がっていた。
しかしそれに追いついている俺がいた。
鬱憤と殺意を込めた一太刀。
奴の脇腹に刃が触れる。
俺は右上に刀を振る。
気付けば、建物は崩れていた。




