閃光
1人ずつ並び、クジを引いていく。
受験者が多いので、その分待ち時間も長い。
緊張がどんどん強まっていく。
「やべぇ、そろそろだよ...」
ハヤテは俺もよりも緊張してるようだ
「なぁ、アマツは緊張してねぇのか?」
「そりゃしてるけど...」
やはりみんな同じ気持ちなのだろうか。
強い不安と緊張、なにより俺はまだ鉄球の武器化が出来ていない。
関係ないが、鉄球って呼ぶのはなんかダサい。
後で名前を考えておこう。
「はい次、君ね」
ついに俺の番が来た。おもむろにクジを引く。
「...263番か」
番号が分かったところで対戦相手は不明だ。
全員のくじ引きが終わったあと、番号順に複数の対戦スペースへ行き、そこで初めて対戦相手が分かるらしい。
「俺196番だって...お前と一緒じゃなくて良かったわ!友達と戦いたくないしな。」
シソウ・ハヤテ、距離感がおかしくて嫌悪感があったが、悪いやつじゃないのは伝わってくる。
「全員分のクジが引き終わりました。指定された対戦スペースへ移ってください。」
「うわ、もうかよ〜」
遂に始まる。
本番でなんとかなると信じるしかないが、正直自信がない。
「もう行くしかないんだよな。俺は俺で頑張るよ。またな、アマツ。」
そう言うハヤテは、さっきとは一変して集中した顔をしていた。
あいつの言う通り、このチャンスは逃せないんだ。
例え武器が作れずとも、生身ででも合格に食らいついてやる...!
ーーー
263番の対戦スペース。
広さはサッカーコートの半分くらいか?
これが何十個も敷地内にあるんだから、驚きだ。
「さて、俺の相手はだれかなぁ?」
対戦相手の声だ。
スペースに入ってくる。
「え、なんか如何にも雑魚って感じじゃん!」
そこに現れたのは、金髪とも言い難い黄色のツンツンとした髪の毛と黄色の目、舐め腐ったような表情を浮かべる少年だった。
「まぁいいや、そろそろ笛がなるかな〜?」
そう、笛が鳴った瞬間が始まりの合図だ。
相手はどんな攻撃を仕掛けてくる?
まず俺はどうすればいい?
「ピーーー!!」
まずい、もう笛が...
「反応鈍すぎ。やっぱ雑魚じゃん」
笛が鳴ると同時に耳元で聞こえる声。
ありえない、人間の速度じゃない。
当たり前だ。
だってこいつらは...
「守れ!!」
考え事をしてる暇は無い。
咄嗟に球体に守りの意思を送った。
「鈍臭いけど、おもしろい武器使うんだね」
そう言いながら間髪入れずに攻撃を繰り出してくる。
俺は必死に自分を包むように意思を送った。
「俺さ、武器に頼るやつ嫌いなんだよね。だってそれって自分に才能が無いってことじゃん?」
俺が必死に、スレスレで守っている中、こいつは独り言を喋りながら攻撃をしてくる。
何も出来ない。
何もする隙がない。
「お前さ、俺が手加減してるのわかってる?」
...は?
「この試験はさ、ポテンシャルが見られてんの。本当はお前なんて瞬殺なんだけど、それじゃあ俺の力を全部見せれない...だからさ、もっと俺の本気だせるように頑張ってほしいな」
たしかにふざけているとは思っていた。
でも手加減をしているなんて考えていなかった。
圧倒的な力量差があるんだ。
ソウキに会うために負けられないという強い思い、そして絶対通用しないという強い恐怖。
そのふたつがせめぎ合い、俺の頭はもう...
「お前さ、攻撃できないんでしょ?」
その言葉に、思考が止まる。
なんでこいつにそれが分かったんだ?
「なんでそれを...?」
「だってお前...攻撃をするものじゃなくてされるものだって思ってるじゃん」




