反撃~ロケットパラサイト
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黒い結界内、オルトラントはトンボ型怪蟲に乗って、『水酸』の酸のブレス躱すほどの高速飛行を行いながらも思案する。狂笑の叫びをあげながら自分を殺そうとしてくる彼女をどうにか倒す方法を。
しかし自分の切り札である魔力耐性のトリックは暴かれた以上、これ以上の蟲の召喚は無意味に手札を削るのみ。となれば、
(正面から僕があの娘に勝つことはまず不可能、酸耐性がないため蟲たちも一瞬の壁役にしかならない。ならば、
彼女自身に、彼女を倒させるまで)
「やれやれ、この手は使いたくはなかったのですが………仕方がない……!!」
オルトラントは高速飛行中のトンボから飛び降る。瞬間偏差撃ちで放たれた酸のブレスがトンボ怪蟲に直撃し一瞬にして溶かしてしまった。
落下するオルトラントは自分の横に巨大な魔方陣を二つ生成するとそこから一匹ずつのデモリッシャーインセクトと多種多様超多量の怪蟲の群れが出現ゲリラ豪雨の如く『水酸』に向かってなだれ落ちてくる。
「今更ザリガニ擬き2匹と無像無像ぉ?!そんなのじゃ濡れないねぇ!!!」
(超複数の魔力反応でごかましているけどわかるよ、オルトラント君~。
今自分の手元に、とんでもない蟲を召喚してるね??それが本命かなぁ?!!)
言動では狂気的な『水酸』であるが内心は冷静に観察をしていており超大量の蟲たちを隠れ蓑にオルトラントが何かを召喚したことを探知し、魔力の濃い練り具合的にそれこそが彼の最後の切り札であることを察した『水酸』は一切の油断をせず、潰しにかかる。
「アシッド・ヒュドラ・シャワー!!!」
『■■■ァァァッッッ!!!』
酸蛇の大口から放たれた数十本の拡散酸ブレスは重力を無視して上空へと放たれ、蟲達を撃ち落そうとするが、同時にデモリッシャーインセクト達が自分達の前にある空間に向かって空間破壊魔法を発動し、目の前にある空間ごと酸のブレスを破壊、さらにその余波で彼女を一時的に地面に叩き伏せさせるが、その程度では『水酸』の顔から笑みを奪うことはできない。
「魔力の波的にその魔法、そう何度も連発できないんでしょ?!!勝負所を見誤ったねぇ!!
アシッド・ヒュドラ・クラスターァァ!!!」
『水酸』が叫ぶと共に酸の蛇達は一部胴体が千切れるほど大きく口を開き巨大な酸でできた円錐型の砲弾を生み出し打ち出す。デモリッシャーインセクトは再び空間破壊魔法を発動させようとするがその時には既に砲弾が命中し貫通、絶命させられていた。さらに砲弾は蟲の大軍の中腹辺りで炸裂、無数の酸のしぶきを四方八方に叩きこみ数秒とかからず多量の蟲の軍勢を無に帰してしまった。
結果蟲のカーテンによる目くらましは消え、多量の魔力で強化された蟲を盾に何とか生き残っていたオルトラントが丸見えとなった。
「お見事………!!だが油断しないことだ……!!
ここからは小細工抜きです、ロケットパラサイト!!」
『●●●ィィィィァァァ!!!』
オルトラントは頭部に2対の複眼を持ち、返しが付いた針のような口、生命活動のための最低限度しか臓器が入っていないような細い体、そして尾部についた複数の球が連なっているかのような尻尾を持つ奇怪な怪蟲、ロケットパラサイトを手のひらから発射、とんでもない速度で『水酸』に向かって来る。
『水酸』はすぐさま蛇達の酸ブレス、空間に生み出した酸の球を炸裂させて生じた酸の散弾で迎撃するが、
『●●●ァァァッッッ!!!』
ボ、ボ、ボオオオオオオオッッッ―――!!!
「なっ………?!うっそ……?!」
ロケットパラサイトの尻尾の先端が爆ぜたと思った瞬間、急激の加速し酸のブレス、散弾をその細長い体で回避していき『水酸』目前にまで距離を縮める。流石にその軌道と速度に『水酸』も表情を焦らせ蛇の尻尾を思いっきり使って後方に体を逸らしさらに正面に酸の壁を生成するが、ロケットパラサイトは尻尾先端の球を切り離し、その先についていた球から再び魔力を放出し加速、酸の壁を乗り越えるように飛行しそして、
自分の尻尾をすべて爆ぜさせ最高加速、もはや認識できない速度に到達したロケットパラサイトは先端の口を『水酸』の無防備な脇腹に向かって突き刺す。本来そこまでの速度の物質にぶつかれば『水酸』の体ははじけ飛んでいるはずであったが、『水酸』は吐血ししてるもののが五体満足の状態で突き刺さり蠢いていたロケットパラサイトの体を掴み直接酸で溶かしていた。
その後『水酸』は酸の回復魔法で応急処置をした後オルトラントを襲おうとするが突如苦しみだし瞬間、彼女の下半身に巻き付いていた酸の蛇尻尾群が崩れ彼女は倒れてしまう。
『水酸』は体中から脂汗を流し腹部を押さえていた。
「な………なに、これ……ッッ?!!」
(あの回避の瞬間に全身に超強度の強化魔法をかけたのか、だがロケットパラサイトの卵は既に産みつけらえた)
超上級怪蟲、ロケットパラサイト。その真骨頂は切り離し式の魔力貯蔵尾を用いた超加速ではない。この蟲には頭部に輸卵管があり口が何かに突き刺さると対象物に数万の多量の卵を対象に産みつける。そしてオルトラントの合図で孵化し対象の血肉や魔力を栄養源に成長、
対象食い破って出てくるという凶悪無比な虫なのである。
悠々と地面に着地したオルトラントは完全に行動不能となった『水酸』に近づき、見下ろす。
「………最終警告をしましょうお嬢さん。
結界を解きなさい。さもなければ君は寄生虫のお母さん兼最初のご飯になりますよ?」
「……………や、だぁ………!!」
「………そうですか?」
『水酸』の発言を聞き、オルトラントは冷酷に指を鳴らす。瞬間卵は孵化し、彼女の体を食い破って外に出できて彼女を確殺する。
その、はずであった。
(…………なんだ、孵化した内から………寄生虫たちが死んでいる?!)
「………やぁっと、隙を見せたねぇ!!!」
苦しんでいたはずの『水酸』は突如いつも通りの狂笑を浮かべながら飛び起き、オルトラントの首を掴んだ状態で地面へと押し倒す。少女の細腕であるがその体には既に強化魔法がかけらえており、既にガス欠寸前のオルトラントのではどうすることもできなかった。
「バ……カな……!!なぜ……?!寄生虫が……死んで……?!」
「残念だけどあたしって6歳からずぅっと魔法の訓練をしててさぁ、そのせいか私の血肉にもあたしの強酸と同じ効果を付与できるんだよね~」
見ててよ~。といいながら『水酸』は親指の平らな部分に歯を立てて破り血を出させるとそこから出た血の雫をオルトラントのすぐ横の地面に行ってきたらす。すると地面にはジュ―、という音を鳴らしながら溶かしていくのであった。
「と言ってもあの蟲に何かを入れられた時はさすがに焦ったよ、あたしの酸でも速攻溶かせなかったんだもん。あれは卵状態は封印魔法でもかけているのかな?どうかなぁ?」
「………殺し屋とは思えないほど、随分なおしゃべりだ。………私に勝ったとしても私の仲間が君を殺しにくるとは思わなんですかね……?」
「あのお姉さんは来ないよ?だって『黒棘』が相手にしてるんだもん。あいつ戦い方も性格もつまんないけどあたしや『白煙』より強いし、もうそろそろバラバラになってるでしょ
………さておしゃべりはここまで、そろそろオルトラント君を溶かしていきまぁす!と、その前に、
お・か・お!見せてもらおっかなぁ~!」
『水酸』は勝利宣言とでも言わんばかりにオルトラントの仮面に手にかけ剥がし、彼の顔を晒そうとする。だがその時、『水酸』は異様な違和感にやっと気が付く。
(……あれ?魔法も使わずわざわざ接近して、なんで仮面をはがそうとしている?反撃されるリスクも全然残っているのに?なに、何か誘導されているような……?)
しかし、疑問を前に止まろうとするもすでに遅く、『水酸』はオルトラントの仮面をはがし、頬り投げた。そして仮面の下にあったのは、
【……今日は騎乗位でパパと遊びたいのかい?ローア?】




