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カエリザキ 4

「あの…」


 まーくんと同じ高校に入れたら、って思っていたけど、学校違うけど言っていいよね?

 頭の中では、何度も繰り返したセリフ。

 『好きです。付き合ってください』って、伝えても迷惑じゃないよね?

 声を掛けておきながら、中々続きが言えない。口から心臓が飛び出して来るかもしれない。


「あの…」

「愛美のことが好きだ。彼女になって欲しい」

「か…のじょ…」

「あんなことしても、まだ俺のこと好きでいてくれるなら考えて欲しい」


 やっぱり続きが言えない自分のポンコツさ加減にあきれるけれど、まーくんから言ってくれた。

 自分が伝えることばかり考えていて、先に言われるなんて思ってもみなかったから、頭が真っ白になってしまった。

 えーと、これってまーくんもあたしのことが好きって言う事?


「断られても逆ギレとかしないから…それは約束する」


 あたしが反応出来ずにポカンと口を開けて固まっていたら、誤解されてしまった。まーくんの目が不安に揺れている。

 このままだとお断りの方向で確定しちゃうよ。動け!あたしの口!


「好きです。付き合ってください!」


 なんで今、このタイミングでそのセリフが出るのか、それはもう言わなくてもいいやつ。

 『彼女になって欲しい』って言われたのだから『あたしで良ければ』とか『喜んで』とかじゃ無いのだろうか。


「違うの。ずっとまーくんに言わなきゃって思ってたから、つい」


 理沙ちゃんから発破をかけられたことから始まって、まーくんの第一志望を目指すことにしたこと、料理を禄にしたことなかったのにお裾分けをしようと思ったこと、同じ高校に通えなかったからどうしてらいいのか分からなくなったこと、無理して志望校のランクを上げたから授業に全然ついていけなくて中間テストは赤点だったこと。

 あたしが断わるつもりが無い、となんとか伝えようとしたら、堰を切ったようにこれまでの経緯をべラベラと、お裾分けとか赤点とか言わなくてもいい事まで全部、本当に全部話してしまった。


 ちゃんと遮ることなく全部聞いてくれたまーくんの目から不安の色は消えたけど、あたしはなんでこんなにポンコツなのか。


「本当にあたしで良いの?」

「愛美が良い」


 そう言って、はにかんだ笑みに目を奪われた。

 そういえば、ここ何年もまーくんが笑った顔を見た事は無かった。きっとおじさんの事もあって笑える心境じゃ無かったのだろう。

 この笑顔をあたしが引き出したのだと、自惚れてもいいですか?

 すぐに緊張して、空回りして、失敗するあたしだけど、この笑顔を見たいから、ずっと側にいてもいいですか?


「あたしも、まーくんが良い」


21.6.14 完結


 最後まで読んでくれて有難うございました。

 頭で思い描いたことが、あまり上手く文章に出来なくて、自分でも読みにくいため、愛美以外の視点や続編は要望があれば書こうかな、と思ってます。


 誰も読まないんじゃないかと思っていましたが、アクセス解析で0じゃ無い事が支えで完結まで書く事が出来ました。

 読んでいただいた皆様に感謝しています。本当に有難うございました。


 まだなろうのシステムに不慣れで、戸惑いばかりですが、最善を探しつつ、新しい話を投稿したいと思っています。

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