王都へ旅行に
遅くなりました。今後ともよろしくお願いします!
そんなある日、ユイさんが話しかけてくれた。
「カイさん…私とお出かけに行きませんか?」
お出かけのお誘いだった。それも二人だけで…。
俺は断る理由がない。
俺とユイさんは運搬用の荷車に乗り東北の方へと向かった。
東北の方には確かユイさん出身地だったような。
荷車には俺達の他に大きな木箱や大量の果物が入っていた。
「カイさん見てください着きましたよ。王都グルマリに!」
俺は荷車から首を出して見る。
大きな塀に囲まれ中央には真っ白な城があった。ギルド署の倍はある。
「ユイさんって王都出身だったんだね」
「えぇ」
「そしたらどうして、あの仕事を?王都ならユイさんがやりたい事を見つけられるのに…」
ユイさんはどこかはびしげな表情をしていた。
「親が厳しくてそれに耐えられなくなった私は王都を出て、今のあそこで私がやりたいようにやっているんです。」
「カイさんは何故、冒険者になったんですか?」
「俺は…あれ、何でだっけ?」
何で冒険者になったんだ?思い出せない。
俺の中で大切な何かが消えていってる事がわかった。
ユイさんはニコッと、笑いながら、
「今日一日楽しみましょ?」
「う、うん。」
ユイさんの笑顔は純粋の優しさの笑顔だった。
一緒にショッピングをしたり劇を見たり、ご飯を食べたりした。昼飯はユイさんの手作り弁当だった。とても美味しかった。
その後もショッピングをした。
「私、少しあの店に用があるので、ここで待っててもらっても良いですか?」
「わかったよ。焦らず見ておいでよ。」
ユイさんは走って人混みの中に消えて行った。
俺は、ジュースを飲みながら元の世界の思い出が蘇り余韻に浸ってた。
あの頃は青春していたな〜。
「もう一度日本に戻りたいな〜」
そういや、俺が冒険者になったのは元の世界、『日本』に戻ることだ」
「…俺、そんなことすら忘れていたなんてな、笑えてしまう」
大切な事を忘れていた俺に呆れていた。
いろいろと嫌になった時、
「お前さん、さっき『日本』って言わなかったかい!」
横から老人の声が聞こえた。横を見ると老人が突っ立ていた。
「さっき『日本』って言わなかったかい!」
「もしかしてだが、お前さんも転生者か?」
「…え?」
さっきなんて言った?
老人が言ってたセリフを蘇らす。
『お前さんも転生者か?』
なんでそれを…それも…『お前さんも』って言う事はこの老人も?
「…なんでそれを…」
「やはりか…」
「ここでは話し難い場所を変えるぞ」
俺は老人の後ろを付いて行った。ユイさんは多分もう暫く戻って来ないだろう。
それに、戻っていたとしたらトイレに言ってたと言えばいい。
老人に連れて来られたのは路地裏だった。
何も警戒せずに付いてきてしまったが襲われないよな?
「もう一度聞くがお前さん転生者か?」
老人の目は鋭く、なぜか棘があるような喋り方だった。
「えっ、えぇ、まぁ」
棘があるような喋り方にビビッておかしな返し方になってしまった。
「どの様にして、この世界に来た。」
「ダム建設で足を滑らせて堕ちたら、そのビーバーになってました。」
「やはりか…」
「何がでしょうか?」
「…何でもないわ」
「はぁ〜」
俺はユイさんが戻って来る前に戻らないとならない。
老人には、別れを告げ立ち去ろうとしたとき、俺を言い止めようとする。
「まて…お前さんに伝えなくてはならない事がある。」
「夜に、アルストラファングに来い。要件はそこで伝える。」
「でも、あそこはモンスターの多発エリアですけど?どうやって行くっていうんですか?」
アルストラファングは巨大な古代遺跡があり、あそこをすみかとしているモンスターが沢山いる。それも凶暴なモンスターたちがうじゃうじゃと。
「モンスターは夜になると自分の巣に戻る。」
老人はそれだけを言い残し路地裏の奥へと消えて行った。
要するに夜になったら安全だと…
俺は走り待ち合わせの場所に急いで向かう。
そこには、もうユイさんがいた。そわそわしながら周りを見ている。
「おーい」
ユイさんは俺の声に気づいたのか安心した顔になる。
ユイさんの元まで駆け寄る。
安心した顔からムスッと頬を膨らみながら、そっぽする。
一応、居なかった理由をトイレに行っていたという事にして説明した。
納得したのか笑顔になった。
それからは、夕方になるまで遊びつくした。
そして、今はユイさんに景色が綺麗な場所があると教えてもらい山を登っている。
「ゆ、ユイさん。まだ、つか、ないの?」
俺は息を切らして。まだ余裕な感じを出しているユイさんに聞く。
すると、ユイさんは後ろを振り迎える。
「もう少しですよ。頑張りましょう。」
俺は苦笑いになる。それは、中学の頃の思い出していた。
それは、遠足で自然豊かな所で山登りをした。
俺たちは歩き始めてしばらく経つ。しかし、頂上にはたどり着かない。それどころか頂上らしきものすら見えない。
「先生。頂上までどれくらいですか?」
登る前に看板では三十分程度で着くって書いてあったが、優に三十分を超えていた。
俺達は先生に、『まだですか?まだですか?』と聞くが『もう少しだ』との一転ばり。
俺達が着いたのは出発してから一時間半後だった。
それは、先生がルートを間違って山を横に回るように登って行ったからだ。
先生のもう少し詐欺には俺たち全員が呆れてた。
それで、『もう少し』と聞くと反射的に疑ってしまう。
あれから五分程歩く。
階段が途中で無くなっている。そう、ここが頂上であり、目的地だ。
俺はそこから見える景色に目を取られる。
「綺麗だ。」
「はい。嫌な事があったらいつもここに着てこの景色を眺めていました。」
俺は、ユイさんの方を見つめる。
夕日に照らされ、微笑んでいるユイさんを見ているとまるで芸術作品のようだった。
この景色を見ていると落ち込んで引き込んでいた俺が馬鹿のように思えた。
このくらいで、凹んでいたらどうする!俺!
両手で頬を思いっきり叩く。ユイさんは驚いて見る。
「ユイさん…俺、頑張るよ。次はどんなモンスターにも自分の心にも負けない冒険者になってやる!」
俺は右手を空にむけて突き出す。
それの言葉を聞いたユイさんは笑顔になり応援してくれた。
「私、ユイ・オルフィーはカイさんの担当スタッフなので精一杯サポートしますね」
それに俺は必要とされている。少なくとも残り二人には…
俺たちはしばらくこの景色を眺めた。
その日の夜、ユイさんと俺は一泊する事にした。勿論、部屋は別々だ。
俺は、ユイさんが寝る時間まで待った。
そして、数時間が経ち深夜の一時、ユイさんもう寝ただろう。
音を立てないようにこっそり古代遺跡アストラファングへ向かう。
今回は一部しか投稿できなくてすみません。
これからも『ビーバーでも最強になれますか?』をよろしくお願いします!
評価、感想待ってます!




