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リザードマンは妻と娘の待つ世界に帰りたい  作者: 須藤 蓮司


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12/24

12話

 転生20日目。



 だっりーわ。

 マジでだりーわ。


 …コレ完全に二日酔いだわ。

 正直ダルすぎて、これから朝の訓練だってのに全く身が入らん。



『…アギトのアニキ、辛そうっスね…。いや、言ってる俺も頭が割れそうなんスけど…。』


『あの飲み物…サケだっけか?飲んでる間は異常に楽しかったけど、やっぱ毒なんじゃねーか?腐ったみたいな変な匂いだったしよ。』


 クソが…。

 こんな思いをしてるのも、元はと言えば前の糞ボスが隠し倉庫なんか作ってやがるのが悪ぃんだ。

 食いモンや酒の他にも、変なコインやらアクセサリーやら無造作に貯めこみやがって…。

 貴金属なんか、俺らリザードマンには何の価値も無ぇってのによ。

 おかげで整理するのにクソ手間取ったっつーの。


『しかし、本当に良かったのか?奴はともかく、取り巻きの連中まで追い出してしまって。』


 あ゛っ?


 仕方無ぇだろ、糞の取り巻き共、全然言う事聞かねぇんだもんよ。

 おまけに働く気ゼロだし。

 奴から相当甘い汁吸ってたんだろうけど、本当どうしようもない馬鹿共だ。

 そんなモン、もう過去の栄光だってのによ。


『…取り巻きで思い出しましたけど、結構驚きましたよ。やっぱ優秀な血筋ってのはあるんですかねぇ。』


『ああ、それは俺もよ。今度からボスの事何て呼べばいいんよ?兄貴の兄貴?』


 いや、そこは別にボスでいいんじゃねーの?


 …まぁ、流石の俺も多少驚いたけどな。

 青年と俺が、まさか母親も同じだったとは。

 マジの兄弟じゃんな?


 いやぁ、それにしても俺の母親、清々しい位クソビッチだったな!


 「父親を殺そうとした挙句、母親の私も追放しようとは、それが誇り高きリザードマンの戦士たる所業か?」だったか?


 爆笑しちゃったわ。

 

 その後平然とした顔で「新しいボスは私の息子なのだから、私は巣で養われるべき」とか言い出した時は色々通り越して寒気を覚えたけどな。

 

 あれにはさしもの青年も、赤いウロコ面を青くしてめっちゃゲンナリしてたな。


『まぁでも、ボスと兄ィを産んだ母親って考えると、ある意味すごい優秀なメスって事じゃないか?』


 …じゃあ今から連れ戻して、ノーキンに任せるぞ、あの女。

 クッソ我侭で高慢なビッチだけど、優秀なんじゃ仕方が無いか。

 …うん仕方が無いね!


『あ…うんその…。』


 糞ボスの取り巻きだったからロクに仕事もできないだろうけどね!

 その上実の息子である青年にまで色目を向けてきた超ド級のビッチだけどね!

 …優秀だってんなら仕方が無いね!


『…俺が悪かったんで、頼むから連れ戻さないで下さい!』


 …ったくよぉ、ちゃんと面倒見れない生き物は飼っちゃダメだっての。

 まだそこらの野良犬の方が飼いやすいだろうけどよ。


 …そういえば、なんか犬顔の魔物いたよな?

 生意気にも剣やら鎧で武装してるヤツ等。

 アレなら飼ってもいいぞ?ちょっと可愛いし。

 俺トイプーがいいなトイプー。


犬人族コボルトは僕らと同じ亜人扱いだから、魔物じゃあ無いよ。それに種族的に犬猿の仲だから、飼うのは難しいんじゃないかな?』


 お、なんだ来たのか青年。

 こんなむさ苦しい所に何の用だ?


『群れのボスになったからね。僕もまだまだ強くならなきゃ。剣の腕はからっきしだけど、幸い魔法の方は成長の余地があるみたいだし。』


 向上心高ぇな!

 この前の火炎旋風を見た俺には十分すぎる気がするけどな。

 見習いたいけど今はダルすぎて無理だわ。


『うん、まあ飲むなとは言わないけれど、程々にね?いつ魔物の襲撃があるかも分からないし、さっきの犬人族コボルトの話じゃあないけど、相手は魔物だけじゃ無いからね。』


 …ああ、そういえばザリガニ共もそろそろ捨て身の総攻撃でもしそうな雰囲気だったしな。

 …実はもう一つ、懸念してる事があんだよな。


 糞ボスの秘密の倉庫で見つけた、酒の瓶や細かい細工のされた装飾品。

 よーく見ると、いくつかの品物には血痕が残ってる。

 

 …多分だけど、あの糞どっかで行商人でも襲ってるんだよなぁ…。

 しかもそこそこ文明の発達してる種族の。


『それは…かなり不味いかもね…。』


『?そのギョーショーニンとかいうのを襲ってると、何が不味いんだ?』


 …お前等も猟で役割分担した時の強さは、身をもって知ってるだろう?

 …あれだけの品物を作る種族だ、戦闘にでもなったら十中八九部隊編成して攻めてくるぞ。

 それに、金属の武器や防具は当然持ってるだろうし、魔法使いも相当数いる可能性だってある。


 そんな種族に、元の群れの三分の二程度まで減った俺達が勝てると思うか?


 …いや、まあ実際勝てなくは無い。

 ここは俺達リザードマンの庭みたいなもんだからな。

 でも、確実に犠牲は出るぞ。


『あの野郎…なんて余計な事をしてくれたんだ…。』


『え、もしかしてメチャクチャヤバい状況なんじゃないっスか!?』


 ま、まだ100%報復の襲撃があるって決まったワケじゃあ無いけどな。


 …おいおい、そんな顔すんなよお前等。

 ブサイクが余計に磨きがかかるだろ?

 気色悪っ!


 そんな事がおきた時の事を考えて、こうやってダルイ体を押してまで朝から訓練してるんだろう?

 …って、すっかり話し込んじまったな。

 …さっさと終わらせて二度寝でもするか。


 よーし!全員に魔石は渡ったな?

 諸君も知っての通り、今はこのヒカゲ青年が群れのボスだ!

 んでもって、俺が戦闘顧問のアギトさん(0歳)だ!

 …前の糞ボスの時は違ったかもしれんが、これからは女衆も戦えるように訓練を受けてもらうからな!

 …やり方はちゃんと教えてやる、巣を守りたかったら根性で魔法をヒリ出してみせろ!


 そんじゃあ、始めるぞ!

 …ハイ!いきんで!

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