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幕間
――10日後。
2度目の戴冠の儀式が執り行われた。
右には、鉄パイプを持った少女と厳しい顔の大男が。
左には、譲位宣言書を携えた眼鏡の男が。
白の式典服に身を包んだ彼らは、静かに新王の背後に控えている。
そして、中央――玉座の前。
囚人服でも、メイド服でもない。
純白のドレスを纏った女性、ディア・ヴィルシュが毅然と佇んでいた。
輝く金の髪と意志の強さを湛えた翡翠の瞳。その美しさに、参列した者は貴賤を問わず息を呑む。
――そう、参列者は貴族だけではない。謁見の間には多くの民が詰めかけていた。
彼らの前で『新王ディア・ヴィルシュ』は滑らかにサインを記す。
宰相がそれを受理し――新王はついに、自らの頭に王冠を戴いた。
王は、側近の少女に預けた鉄パイプを手にする。
そして、もう一人の大柄な側近が膝を折り、新たなる太陽を肩に担ぎ上げた。
新王ディア・ヴィルシュが、錆びた鉄パイプを高々と掲げたその時。
民の歓声が城中に響き渡った。
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後2話で前編は終了となります。
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