第17章:黒嵐の酒
見張り塔の外から聞こえる足音が、次第にはっきりとしてきた。
一面の銀世界の中、重々しい足音が一定の間隔で響いている。近づいたかと思えば遠ざかり、石壁の亀裂を吹き抜ける風の唸り声と混ざり合っていた。
近づいてくるのが人間なのか、それともクラウンフェルの山腹に生息する何らかの生物なのか、誰にも分からない。
フィニアンはすぐさま箒の柄に手をかけた。何かあれば、いつでも空へ飛び立てるようにするためだ。
カラムは何も言わなかったが、見張り塔の中に散らばっていた石片や折れた木材、朽ちた椅子が、いつの間にか静かに浮かび上がり、彼の周囲に仮設の防壁のように並んでいた。
シラスは入口の近くに立ち、黄色い護符を二本の指で挟んでいた。朱色の墨で描かれた紋様の間を道気が静かに巡り、いつでも発動できる状態にある。
三人は言葉を交わすまでもなく、互いの意図を理解していた。
ここ数日間の経験を経て、夜に聞こえる物音がすべて無害だなどと、誰も考えていなかった。
足音が、入口のすぐ外で止まった。
傾いた扉の向こうに、大柄な人影が現れる。肩には雪が積もり、厚手のコートを身にまとっていた。少し乱れた黒髪に、寒さで赤くなった顔。そして胸元には、ストームヘイヴン州の紋章があった。
その後ろには、さらに二人の姿が見える。
三人とも、同じ紋章を身につけていた。
先頭の青年は見張り塔の中を見回し、カラムのそばに浮かぶ石片に目を留めると、眉を上げた。
「おやおや。どうやら、俺たちはあまり歓迎されていない時に来てしまったようだな?」
カラムはすぐに人懐っこい笑みを浮かべ、同時に浮かせていた石片をさりげなく下ろした。
「おお、君たちも海沿いの出身か! 俺たちはアウレリアン・コーストから来たんだ」
その言葉に、張り詰めていた空気が少しだけ和らいだ。
青年の目がぱっと輝く。
「本当か? それはいい! 同じ海辺の隣人同士じゃないか!」
彼は見張り塔の中へ足を踏み入れ、後ろの二人も続いた。
二人目は彼とよく似た黒髪で、顔立ちまでそっくりだった。思わず何度も見比べてしまうほどである。
最後の一人は二人よりも背が高く、淡い金髪をしていた。雰囲気も、ほかの二人に比べてずっと落ち着いている。
先頭の青年は肩の雪を払い落とすと、突然ポケットから濃い茶色のガラス瓶を取り出した。
「こんな寒々しい場所で出会えたんだ。ここはひとつ、祝杯でもあげようじゃないか!」
そう言って、彼は酒瓶を掲げた。
瓶の胴には、渦巻く波と稲妻を組み合わせた浮き彫りの紋章が刻まれている。ストームヘイヴンで最も有名な酒樽に記されている、あの見慣れた印だ。
シラスはラベルを見て、わずかに驚いた。
黒嵐の酒。
ノーマン帝国でも指折りの知名度を誇る酒であり、その名を知っていても、実際に口にする機会のある者はそう多くないストームヘイヴンの名産品だった。
フィニアンはまだ完全には警戒を解いていなかった。瓶を見つめ、わずかに目を細める。
「初対面でそこまで気前がいいと、少し怪しく感じるんだがな、友よ」
「どこが怪しいんだ?」
「例えば、酒に何か仕込んであって、飲んだ俺たちが試験終了まで眠り続ける羽目になる、とかな」
カラムがフィニアンを振り返った。
「ボウ、いつも他人が自分を陥れようとしていると思うのはやめてくれないか? 本当に問題のある酒なら、雪の中でわざわざ俺たちに振る舞ったりしないだろ」
「その理屈では、まったく説得力がない」
「でも、すごく自信満々に聞こえるだろ?」
「聞こえない」
ストームヘイヴンの青年は声を上げて笑った。
「よし、じゃあ誠意を見せてやろう!」
彼は瓶の栓を開けると、三人の目の前で大きく一口飲んだ。
さらに、何事もなかったかのように瓶を揺らしてみせる。
「ほらな? 俺はぴんぴんしてるだろ!」
フィニアンは数秒間、彼をじっと見つめた。毒入りの酒を飲んでも何事もなく生きていられるほど精巧な魔術が存在するのか、まだ考えているようだった。
やがてシラスは護符を袖の中へしまった。
「まあいい。同じ地方の出身者同士、少しくらい親しくなっておくのも悪くない」
彼は一歩前に出て、青年から酒瓶を受け取った。
「ありがとう」
シラスは瓶を口元に運び、二口ほど大きく飲んだ。
酒が舌に触れた瞬間、黒嵐の酒がなぜこれほど有名なのか、彼には理解できた。
濃厚でありながら、刺激が強すぎることはない。深みのあるオーク樽の香りに、ほのかな焦がしキャラメルの甘み、舌を刺激するスパイス、そして後味に残るかすかな燻製香。
飲み下すと、温かな感覚が喉から広がり、吹雪の中で一日中動き回った身体にまとわりついていた寒さを、ゆっくりと追い払っていった。
シラスは一度瞬きをしてから、先ほどよりも真剣な表情で瓶を見つめた。
「これは本当にうまいな」
カラムがすぐさま手を差し出した。
「次は俺の番だ!」
シラスは瓶を渡しながら、念を押す。
「ほどほどにしろよ。まだ試験の最中なんだからな」
「心配するな。俺は分別のある人間だ」
フィニアンはカラムが持ち込んだ大量の荷物をちらりと見てから、酒瓶へ視線を移した。
「その言葉は、まったく信用できないな」
カラムは聞こえなかったふりをして一口飲み、満足げに息を吐いた。
「おお、なんてうまい酒だ! こんなことなら、もっと早くストームヘイヴンの人間と仲良くなっておくべきだったな」
「まだ一口しか飲んでいないだろ」
「最初の一口だけでも、その酒の品質は十分に分かるものさ」
「酒の話をしているんだ。人間の話じゃない」
「何が違うんだ?」
フィニアンは首を横に振り、これ以上議論するのを諦めた。
ストームヘイヴンの青年は大声で笑い、焚き火のそばにある比較的平らな石の上へ腰を下ろした。
「ところで、君たちは黒嵐の酒を知っているのか?」
「もちろん」シラスは酒瓶を手に、ラベルを眺めながら答えた。「黒嵐の酒は、航海と深い関わりがある。ノーマンの船乗りたちは、長い航海に出る時、よくこの酒を持っていくんだ。ストームヘイヴンの酒場なら、渦巻く波と稲妻の紋章が刻まれた樽が、少なくとも一つは置いてあるはずだ」
「その通りだ!」
青年は嬉しそうにシラスを指差した。
「なかなか詳しいじゃないか」
「少し知っているだけだよ」
シラスは小さくもう一口飲んだ。
酒の香りを感じると、マーシャント・キーにある酒場『溺れた羅針盤』を思い出した。オズウィンがカウンターの向こうに座り、商船や船乗り、そして普通の人間なら決して足を踏み入れたくないような海域について語っていた、あの店だ。
初めてオズウィンが黒嵐の酒を勧めてくれた日のことも、まだ覚えている。
あの時、彼は誇らしげな顔で酒瓶をテーブルに置いた。まるで大洋の向こうから戦利品を持ち帰ってきたかのようだった。
『ストームヘイヴンが何を誇りにしているのか知りたければ、船乗りに黒嵐の酒について聞いてみるといい。自分を救ってくれた提督の名前は忘れてしまうかもしれないが、三か月も海を漂流した後に飲んだ、あの酒の味を忘れる奴はいない』
当時のシラスは、それを酒場でよく聞く大げさな話の一つだと思っていた。
しかし今、自分の舌でその味を確かめてみて、ようやくオズウィンの言葉が理解できた。
ストームヘイヴンの青年は話を続けた。
「地元の伝説によれば、黒嵐の酒は、ある船主が人生で最も激しい嵐を生き延びた後に造ったものらしい。その夜、空は墨を流したように真っ暗で、雷鳴が絶え間なく轟き、波は船を丸ごと飲み込んでしまいそうなほど高くなっていたそうだ」
彼は少し言葉を切り、まるで亡くなった船乗りたちと杯を交わすかのように酒瓶を持ち上げた。
「港に帰り着いた時、彼はこう言ったそうだ。海が自分に生きる機会を与えてくれたのなら、あの夜のことを人々がいつまでも忘れられないような、強烈なものを造ってやろう、と。そうして黒嵐の酒が生まれたんだ」
「酒を売るために考え出された話みたいだな」
フィニアンがそう評すると、ストームヘイヴンの青年は彼を見た。
「雰囲気を壊すのはやめてくれないか?」
「分かった。話が終わるまで待つことにする」
カラムは吹き出し、危うく酒にむせるところだった。
シラスは微笑むだけで、琥珀色の液体を味わい続けていた。
「伝説が本当かどうかはともかく、この酒に値段以上の価値があるのは確かだな」
「ようやく分かってくれる奴がいた!」ストームヘイヴンの青年は、ぱんと手を叩いた。「やっぱり、俺の目に狂いはなかったな!」
彼はシラスに手を差し出した。
「ああ、自己紹介を忘れていた。俺はロウリー・シーボーンだ」
シラスはその手を握り返した。
「シラス・バイだ」
「カラム・マーロウ」
「フィニアン・クロウ」
ロウリーは順番に頷き、それから隣に立つ青年を指差した。
「こっちは弟のローナン・シーボーンだ」
ローナンは黒髪に明るい瞳をしており、落ち着いた表情を浮かべていた。部屋に入るなり誰とでも話し始めるようなロウリーとは違い、自分から口を開くよりも、そばで周囲を観察する方が好きなようだった。
彼は三人に軽く会釈した。
「よろしく」
「それから、こっちはレオフリック・ハロウだ」ロウリーは一番背の高い青年の肩を叩いた。「家が俺たちのすぐ隣でな。小さい頃から俺たち兄弟に振り回されて、もううんざりしているはずだ」
レオフリックはため息をついた。
「まるで、今まで一度でも俺を放っておいてくれたことがあるみたいな言い方だな」
「ほらな! これが友情ってやつさ!」
「だったら、友人なんていない方がましだ」
一同は笑い声を上げた。
ほんの数分のうちに、見張り塔の空気はすっかり変わっていた。先ほどカラムが浮かせていた石片は元の場所に戻され、フィニアンも箒を壁に立てかけた。ただし、いつでも手に取れる距離には置いてある。
シラスも手にしていた護符をすべてしまい、焚き火のそばに腰を下ろした。
外では相変わらず風が山腹を吹き抜けていたが、少なくとも今の見張り塔には、張り詰めた沈黙の代わりに笑い声と話し声が満ちていた。
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それから間もなく、六人は焚き火を囲むように輪になって座っていた。
ロウリーは黒嵐の酒瓶を中央に置き、時折それを持ち上げて皆に注いでいた。一方、カラムも負けじと、今日手に入れた塩漬け羊肉の袋を荷物の中から取り出した。
「ちょうどよかった!」食べ物を見たロウリーが声を上げた。「酒だけ飲んでいたら、すぐに腹が減るところだったよ」
カラムはすぐさま肉の袋を抱え込んだ。
「待て待て。俺は分け合うために出したんだ。君たちに全部食べていいと言ったわけじゃないぞ」
「誰も全部食べるなんて言っていないだろ?」
「君の目がそう言っている」
「疑り深い奴だな、マーロウ」
「これは生存本能だ」
「君の生存本能は、自分だけ食べ物を独占することなのか?」
「違う。食べ尽くそうとしている連中の手から食料を守ることさ」
レオフリックは平然とカラムの袋から肉を一切れ取った。
「それなら、俺が最初にその生存本能を打ち破らせてもらおう」
カラムは彼を睨みつけた。
「今、何をした?」
「肉を食べた」
「肉を食べたのは分かってる! そうじゃなくて、勝手に取ったことだ!」
レオフリックはゆっくりと肉を噛み、頷いた。
「ああ。なら次からは、取った後に許可を求めることにしよう」
フィニアンは顔を伏せ、肩を震わせながら笑いをこらえていた。
シラスは止めようともしなかった。なにしろ、カラムがあの三人から肉の袋を取り返そうとするなら、相手が魔術を一切使わなくても三人全員に勝たなければならないと分かっていたからだ。
カラムに勝ち目はなかった。
「分かった、もういい!」とうとうカラムは降参した。「食べていいぞ。ただし、君たちに振る舞ったのが俺だということは忘れるなよ」
「この恩は決して忘れないと誓おう」ロウリーは大真面目に答えた。
「それに、いつかストームヘイヴンに来ることがあれば、俺が盛大にもてなしてやる!」
カラムはすぐに顔を上げた。
「黒嵐の酒はあるか?」
「ある」
「焼き肉も?」
「もちろん」
「ストームヘイヴンの女の子たちは美人か?」
ロウリーは数秒間、黙ってカラムを見つめた。
それからシラスの方を向いた。
「この友人は、いつもこんな感じなのか?」
シラスは平然と頷いた。
「時には、もっとひどいよ」
「ボウ、そんなに即答しなくてもいいだろ!」
「悪い。もう慣れてしまった」
再び、見張り塔に笑い声が響いた。
会話が続くうちに、シラスはストームヘイヴンから来た三人について、少しずつ知ることができた。
ロウリーは海に出ることを生業としてきた家の長男だった。父親はかつて商船の船長を務め、母親は船乗り向けの物資を扱う店を経営している。ロウリーは幼い頃から、航海の話や見知らぬ海域の話、そして何か月も行方不明になった後に港へ帰ってくる船の話を聞いて育った。
ローナンは双子の弟だった。
社交的な兄とは対照的に口数は少ないが、玄術の腕はかなりのものらしい。彼の得意分野は水元素術で、水の流れを極めて精密に操ることができる。空気中の水分を利用して、不意打ちの攻撃を仕掛けることさえ可能だという。
そしてレオフリックは、二人の兄弟と長い付き合いのある隣人だった。彼の家は海運業を営んでいるわけではないが、何世代にもわたってストームヘイヴンで暮らしてきたらしい。
あまり多くを語る性格ではないものの、口を開くたびに、相手を反論すべきか笑うべきか迷わせるような言葉を放つ青年だった。
「君たちは知らないだろうが!」ロウリーは興奮した様子で語りながら、片腕をローナンの肩に回した。「数日前、俺たちはキングスフィールド出身の連中と遭遇したんだ。歩き方を見た時は、かなり手強そうな連中だと思ったんだがな」
「それで?」カラムが尋ねる。
「そこでローナンの出番さ」
ロウリーは、まるで自分が軍隊を一つ壊滅させたかのように誇らしげな顔で、弟の肩を強く叩いた。
「こいつ一人でやったんだ! 連中は次々と水流に巻き込まれて、誰も反応できなかった。何が起きたのか理解した頃には、ほとんど全員が試験から脱落していたよ!」
ローナンはわずかに眉をひそめた。
「大げさに言いすぎだよ」
「どこが大げさなんだ? 俺はすぐそばで見ていたんだぞ!」
「兄さんは岩の後ろに隠れていた」
「それは戦術だ!」
「岩の後ろに隠れていたんだ」
「戦況を観察していたんだよ!」
「それに、相手に見つからないようにしてくれって、僕に頼んでいた」
ロウリーは咳払いをし、すぐに話題を変えた。
「とにかく、重要なのはローナンが強いということだ!」
カラムは興味深そうにローナンを見た。
「水元素術か。空気中の水分まで操れるのか?」
「ある程度はね」ローナンは答えた。「ただ、いつでも簡単にできるわけじゃない。気温が低いと、水の状態を維持するのが難しくなる。十分な威力の攻撃を作り出すなら、やはり最初にある程度の水が必要だ」
シラスは小さく頷いた。
ローナンは実力があるだけでなく、自分の能力の限界もよく理解しているようだった。若い魔術師にとって、それは非常に貴重な資質である。特に、自分の力を過信しがちな者が多いこの試験ではなおさらだ。
「ところで、今何点なんだ?」フィニアンが尋ねた。
「それほど多くはないよ」ローナンは肩をすくめた。「僕たちは主に山腹沿いを移動して、人が多い場所を避けていた。絡んでくる相手がいれば対処するし、そうでなければそのまま進む。それだけさ」
「俺たちのやり方に似ているな」とシラスが言った。
「そうなのか?」ロウリーは興味深そうに三人を見た。「それなら、君たちもかなり点数を稼いでいるんじゃないか?」
カラムはすぐに胸を張った。
「まあな。俺は偉大な玄術師になる男だからな」
フィニアンが横目で彼を見た。
「こいつは六十九点だ」
カラムは勢いよく振り返った。
「ボウ、俺に自分の成績を紹介させてくれないか?」
「自分で偉大な玄術師だと名乗っただろ」
「あれは未来の話だ!」
レオフリックは納得したように頷いた。
「つまり、今は普通の玄術師ということか」
カラムは黙り込んだ。
シラスは笑みを隠すため、酒瓶を観察するふりをした。
しばらくして、ロウリーもここ数日間に自分たちが遭遇した困難について話し始めた。
彼らは亀裂だらけの山腹を迂回し、松林に住む角のある生物の群れを避け、雪に埋もれていない道を見つけるだけで半日近くを費やしたという。
「正直なところ、試験の主催者がどうしてこんな場所を選んだのか、まったく理解できないな」ロウリーは不満げに言った。「魔術師の能力を試したいなら、広々とした闘技場を用意すればいいじゃないか。観客席があって、温かい食事があって、屋根までついているような場所をさ」
「それに、酒を注いでくれる給仕も必要なんだろ?」フィニアンが尋ねた。
「それは悪くない考えだな!」
「この試験は、受験者の生存能力、戦闘能力、そして適応力を測るためのものだよ」シラスが説明した。「闘技場での試合だけでは、予想外の状況に候補者がどう対処するかを評価できないだろう」
ロウリーはため息をついた。
「それは分かっているさ。だが、理解することと温かい食事が食べたいことは別問題だ」
「今回は彼に賛成だな」とカラムが言った。「王立大学は、食事の質を評価項目に追加するべきだと思う」
「無事に戻ったら、要望書でも書けばいい」とフィニアンが返す。
「フィニアン、君は本当に人を励ますのが下手だな」
「ありがとう。褒め言葉として受け取っておくよ」
そんな調子で、話題は次から次へと移り変わっていった。
彼らは生まれ育った州や街、海を越える船、ほんの一瞬で帆を引き裂く嵐、松林に潜む奇妙な生物、そしてクラウンピークの頂上にまつわる噂について語り合った。
シラスから見て、ストームヘイヴンの三人は皆、かなり付き合いやすい人物だった。
ロウリーは気さくで、ローナンは落ち着いている。そしてレオフリックは、乾いたユーモアで周囲を不意に笑わせる。
彼らは出身や能力を鼻にかけることもなく、シラスたちの点数や戦術を必要以上に探ろうともしなかった。
少なくとも、その夜に限っては、彼らを疑う理由など何もなかった。
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焚き火の勢いが次第に弱まっていった。
見張り塔の外では吹雪がまだ山腹を吹き抜けていたが、風の勢いは以前よりも弱くなっていた。雪はもはや激しく横殴りに降ることはなく、冬の小雨のようにゆっくりと舞い落ち、岩の表面に薄い白の層を作っていた。
黒嵐の酒瓶は、かなり中身が減っていた。塩漬け羊肉の袋にも、肉の欠片と小さな切れ端が残っているだけだった。
ロウリーは壁に背を預け、ある船乗りが船一隻を丸ごと飲み込める海の怪物を見たと主張していた話を、最後まで語ろうとしていた。
レオフリックは話の半分ほどを聞いたところで、大きなあくびをした。
ローナンはいつの間にか口を閉ざし、目を半分閉じていた。話が終われば眠れるとでも思っているようだった。
カラムは眠気に必死に抗いながら、時折、関係のない質問を挟んでいた。フィニアンは箒のそばに寄りかかり、シラスは窓の近くに座って、外の白い闇を眺めていた。
彼はもう少し起きて、天候の様子を観察するつもりだった。
しかし、焚き火の温もりと一日中移動した疲労、そして少しばかりの黒嵐の酒が、彼の瞼を次第に重くしていった。
ロウリーが、ある船乗りが外洋の真ん中でカモメに朝食を奪われたという話を始めた頃には、シラスはもう最後まで聞いていられるほどの意識を保っていなかった。
彼は石壁に頭を預け、目を閉じた。
その夜、六人の青年はクラウンフェルの山腹にある、廃墟となった見張り塔の中で眠りについた。
誰も、自分が正確にいつ眠ったのか覚えていなかった。
そして、ロウリーがカモメの話を最後まで語り終えたのかどうかも、誰にも分からなかった。
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翌朝、シラスは石壁の隙間から差し込む青白い光によって目を覚ました。
外の風はかなり弱まっていた。空は依然として冷たい灰色に覆われていたが、昨日の猛烈な吹雪は、まばらな雪が冬の霧雨のように降る程度になっていた。
シラスは上半身を起こし、こめかみを軽く揉んだ。
焚き火のそばに転がっている空になった黒嵐の酒瓶を見て、それから何層ものコートにくるまっているカラムへ目を向けた。
「カラム」
反応はない。
「カラム、起きろ」
それでも反応はなかった。
シラスは数秒考え、何気ない口調で言った。
「今日の朝食は焼き肉らしいぞ」
カラムは即座に飛び起きた。
「どこだ!?」
すでに起きて箒の点検をしていたフィニアンは、信じられないものを見るような顔で彼を振り返った。
「ボウは本当に、今まで会った中で一番簡単に騙される生き物だな」
カラムは瞬きをし、何もない見張り塔の中を見回した。
数秒後、ゆっくりとシラスの方を向く。
「ボウ、今のは俺を騙したのか?」
「いや。起きたかどうか確かめただけだ」
「それで、結果は?」
「上々だ。目覚ましの鐘を聞いた時よりも早く起きたな」
カラムは頭を抱えた。
「いつか必ず、ボウに仕返ししてやる」
「その台詞は少なくとも二十回は聞いたぞ」
「今回は本気だ!」
「そうか」
シラスは立ち上がり、コートについた埃を払った。
部屋の反対側では、ロウリーも目を覚ましていた。弟を起こそうと、ローナンの身体から毛布を引っ張っている。
ローナンは毛布を引き戻した。
「兄さん、邪魔しないでよ」
「起きろ! もう朝だぞ!」
「分かってる」
「分かっているのに寝ているのか?」
「うん」
ロウリーはシラスを振り返り、困り果てた表情を浮かべた。
「見てくれよ。こいつは昔から、兄の言うことをまったく聞かないんだ」
靴紐を結び直していたレオフリックが、淡々と口を挟んだ。
「君がしゃべりすぎるからじゃないか?」
ロウリーは彼を睨んだ。
「お前はどっちの味方なんだ?」
「静寂の味方だ」
結局、ローナンもようやく起き上がった。
荷物をまとめた後、六人は一緒に見張り塔の外へ出た。
朝の空気は凍えるほど冷たかったが、昨日よりはずっと過ごしやすい。山腹からは、雲海の上にそびえる遠くの山々が見えた。雪に覆われた山頂が、青白い光を受けてきらきらと輝いている。
そして、その先にはクラウンピークが、これまでになくはっきりと姿を現していた。
この一帯で最も高い山頂が、空へ向かってそびえ立っている。その頂はほとんど雲に隠れていた。そこへ続く道は岩肌に沿って曲がりくねり、山壁や松林の間に見え隠れしている。
このまま前へ進めば、彼らは確実に目的地へ近づいていく。
ロウリーは肩の雪を払い、新しく知り合った三人に向き直った。
「さて、俺たちは先に西へ向かうことにする。あの辺りには古い遺跡がいくつかあるらしい。何か面白いものが見つかるかもしれないからな」
「すぐに頂上を目指すつもりはないのか?」シラスが尋ねた。
「まだ急ぐ必要はないさ」ロウリーは肩をすくめた。「時間は残っている。それに、大勢の人間と一緒に山を登るのは好きじゃない。人の少ない場所で点数を稼げるなら、試してみる価値はあるだろ?」
「道に迷わないようにな」とフィニアンが言った。
「心配無用だ。ストームヘイヴンの人間は、生まれた時から海で道を見つける方法を知っているんだ!」
レオフリックが彼を横目で見た。
「ここは山の上だぞ」
「道は道、海は海だ。何が違うんだ?」
「海で道に迷えば、溺れて死ぬ可能性がある」
「本当に人を元気づけるのが上手だな」
ローナンが前に進み出て、シラスに手を差し出した。
「昨夜はありがとう。試験が始まってから、あんなに楽しい夜を過ごしたのは久しぶりだったよ」
シラスはその手を握り返した。
「こちらこそ。幸運を祈るよ」
「君たちもね」
ロウリーはカラムとフィニアンとも順番に握手し、それから数歩後ろへ下がって片手を高く掲げた。
「じゃあな! 昨日の酒盛りは楽しかったよ!」
カラムもすぐに声を返した。
「次は黒嵐の酒をもう一本持ってきてくれよ!」
「いいとも! ただし、次は君たちがおごる番だからな!」
「もちろんだ!」
フィニアンはカラムを見た。
「ボウは自分に金があるかどうかも分からないのに、もう酒をおごる約束をしたのか?」
カラムは腕を組み、自信満々に答えた。
「フィニアン、君はもっと先を見据えることを覚えた方がいい。あの頃には俺は有名で、金持ちで、皆から尊敬される玄術師になっているかもしれないだろ?」
「あるいは、まだシラスに金を借りようとしているかもしれないな」
「俺の夢をあと五分くらい楽しませてくれてもいいだろ?」
シラスはただ笑うだけで、何も言わなかった。
ストームヘイヴンの三人は背を向け、西へ続く道を歩き始めた。ロウリーは歩きながら手を振り続け、ローナンは笑顔で頷き、レオフリックは気だるげに片手を上げただけだった。
やがて三人の姿は、雪に覆われた岩場の向こうへと消えていった。
短い出会いは、始まった時と同じように、あっさりと幕を閉じた。
大げさな誓いを交わしたわけでも、必ず再会すると約束したわけでもない。ただ、二つの沿岸州から来た六人の青年が、寒々しい山中で偶然出会い、一本のうまい酒といくつかの物語を分かち合い、それぞれの道へ戻っていっただけだ。
競争ばかりの試験の中では、こうした何気ないひとときの方が、時には戦いの記憶よりも長く心に残るものなのかもしれない。
カラムは三人が去っていった方角を眺め、名残惜しそうにため息をついた。
「本当にいい人たちだったな。もしこの試験に友達作りの項目があったら、俺は間違いなく満点を取っていたぞ」
フィニアンは箒を肩に担いだ。
「残念ながら、俺たちが受けているのは魔術の試験だ」
「ボウは人生を楽しむ方法を知らないな」
「君は楽しみすぎなんだよ」
二人がまた新たな口論を始める前に、シラスが口を挟んだ。
「行こう。俺たちはまだ頂上を目指さなきゃならない」
三人は最後の荷物をまとめ、再び歩き始めた。
吹雪は大幅に弱まっていた。風は依然として冷たかったが、昨日のように一歩進むごとに身体を押し戻すほどではない。
コートの内側にある温陽符がかすかな温もりを放ち、雪に覆われた道を進む間も、彼らの体温を保ってくれていた。
フィニアンが先頭を歩き、時折立ち止まって地形を確認する。カラムは朝食が塩漬け羊肉だけだったことに文句を言いながら歩き、シラスは雪面に残された痕跡を注意深く調べ、道の近くに危険な生物が潜んでいないか警戒していた。
岩山の斜面を越えると、道は次第に広くなっていった。
低い松の木々は少なくなり、代わりにむき出しの岩壁と、雪に覆われた広大な地面が姿を現した。
その先には、雲の層の中にそびえるクラウンピークがあった。
山頂は、もう目の前だ。
シラスは一瞬足を止め、顔を上げて頂を見つめた。
二日前、彼らはまだ霧の洞窟に閉じ込められ、荒涼とした山中でどうやって点数を稼ぐかを考えていた。あの頃は、目的地までの道のりがあまりにも遠く感じられ、考えるだけで疲れてしまいそうだった。
しかし、いくつもの出来事を乗り越えた今、彼らはようやく目的地の近くまでたどり着いていた。
それでも、シラスは警戒を緩めなかった。
試験はまだ終わっていない。これから先の道では、さらに強い相手や、さらに危険な生物に遭遇するかもしれない。あるいは、誰にも予測できないような出来事が待ち受けている可能性もある。
彼は襟元を引き寄せ、両手を厚手のコートの中へしまってから、再び歩き出した。
「行くぞ、ボウ」
前方からカラムの声が聞こえた。
「ここで景色を眺めていたら、ほかの連中に先に頂上へ着かれるかもしれないぞ」
シラスは笑い、足早に二人の後を追った。
「今行くよ」
三人の影は再びクラウンピークへ向かって進み、白い雪原に長く続く足跡を残していった。
頭上では、灰色の雲がゆっくりと山頂を通り過ぎていく。
第17章・完




