第10章:ブラックウッドから来た風の騎手
エヴァーミア松林は、クラウンフェル山脈南部の山腹に沿って広がっていた。深い緑に覆われた森が斜面を包み込み、谷間から一年中雪を頂く山々へと続いている。
ここはヴァルドレン王都周辺でも、最も古い森林の一つである。巨大な松の木々、曲がりくねった小道、そして朝になっても完全には晴れることのない霧で知られていた。
王都の人々は、エヴァーミアを「決して目覚めない森」と呼んでいる。
光が届かないからではない。太陽が高く昇った後でさえ、この森には、まるで一度も目覚めたことのない世界のような静寂が漂っているからだ。
エヴァーミアへ続く道は、銀の滝峠から始まる。雨水に削られた灰色の岩盤が、木の根や生い茂るシダの間に点在していた。
奥へ進むにつれ、松の木々はますます大きくなっていく。
道の両側には木々が隙間なく立ち並び、まっすぐに伸びた幹は数十メートルもの高さに達していた。その先では枝葉が大きく広がり、互いに絡み合って深緑色の天蓋を形作っている。樹皮が苔に覆われるほど古い松もあり、巨大な根は地面から這い出し、まるで木に変わった蛇のように岩を取り巻いていた。
陽光は細い筋となって差し込み、暗褐色の松葉の絨毯に斜めの光を落としている。枝先にたまった水滴が時折落ち、小さな音を立てるだけで、静かな空間を乱すものはほとんどなかった。
足元には乾いた松葉が厚く積もり、柔らかな地面が足音をほとんど吸い込んでしまう。
そんな景色の中、シラス・バイとカラム・マーロウは、森の奥へ続く小道を進んでいた。
カラムは歩きながら、頭上にそびえる木々を見上げていた。金色の髪が時折、低く垂れた松の枝に触れ、そのたびに彼は何度か手で髪を整えていた。
隣を歩くシラスは、片手でリュックの肩紐を押さえ、もう片方の手には法鈴を持っていた。
森に入ってからというもの、小さな鈴は沈黙を保っていた。しかし、だからといって警戒を緩めるつもりはなかった。
エヴァーミアのような場所では、静寂の方が怪物の咆哮よりも不気味なことがある。
「なあ、こういう場所に来ると、僕はとても素晴らしいことを思い出すんだ!」
カラムが突然口を開き、静かな空気を破った。
シラスは横目で彼を見た。
「今度は何だい?」
「森に現れる、足の長い金髪の美しいエルフの女の子たちだよ!」
シラスは一瞬、足を止めた。
「冗談だろ?!」
「本当だって! 想像してみろよ。深い森、霧、木々の間から差し込む陽光、そして輝く金髪と尖った耳を持つエルフの少女たち……。」
「そこへ金髪の馬鹿が一人、森で迷子になって、最後にはゴブリンに荷物を全部奪われるわけだね?」
「僕の想像くらい自由にさせてくれないか?」
「もちろん。僕はただ、現実に備えておくよう手伝っているだけだよ。」
カラムは胸に手を当て、傷ついたふりをした。
「なんて冷酷なんだ。僕たちの友情は、君が僕の想像上のエルフの少女たちに嫉妬したせいで、今まさに崩壊の危機に瀕している。」
「そうだね。ものすごく嫉妬しているよ。さあ、先へ進もう。君を木に変える前にね。」
「できるものなら、やってみなよ……。」
ヒュッ!
真紅の光が霧を切り裂き、二人に向かって一直線に飛んできた。
カラムは即座に口を閉ざした。
次の瞬間、複数の方向から元素魔法による攻撃が一斉に放たれた。鋭い氷の槍が空気を切り裂き、赤橙色の光を引く火球が飛来する。さらに、渦巻く風が木々の間に漂う薄い霧を引き裂いた。
攻撃はあまりにも突然だった。二人には反応する時間すら、ほとんど与えられなかった。
「なんだ……?!」
カラムが手を掲げたそのとき、シラスの指にある指輪から、低く澄んだ音が響いた。
ルシアンの指輪だ。
瞬時に光の輪が広がり、二人を包み込んだ。飛来した攻撃が透明な膜に衝突し、連続した波紋を生み出す。炎も氷も渦巻く風も、まるで目に見えない口に魔力を飲み込まれるかのように、光の中へ吸い込まれていった。
わずか数秒で、すべての攻撃が消え去った。
シラスとカラムを包む球状の魔法障壁が、月光を受けた水面のようにきらめいていた。
カラムは指輪を見つめ、それから友人へと顔を向けた。
「なあ、シラス。」
「何?」
「君が指輪をつけているのに、誰かにプロポーズしそうに見えないのは初めてだよ。」
シラスは息を吐き、依然として前方の木々を見据えていた。
「もう一言でも余計なことを言ったら、外して君の頭に投げつけるよ。」
「わかった、わかった。僕はただ、その道具を褒めているだけなのに。」
頭上から、かすかな笑い声が聞こえた。
二人は同時に顔を上げた。
地上から十メートル近く離れた大きな松の枝の上に、一人の少年が魔法の箒に乗って立っていた。彼は両腕を組み、軽々とバランスを取りながら、まるで舞台に登場した役者のように得意げな表情を浮かべていた。
少し乱れた濃い茶色の髪。苔を思わせる緑色の上着には、ブラックウッド州の紋章がついている。足元の箒は黒い木材で作られ、尾の部分には銀色の植物繊維が編み込まれていた。何にも支えられていないにもかかわらず、空中に浮かんでいる。
少年は二人を見下ろし、笑みを浮かべた。
「おや、こんにちは! お会いできて光栄です。まずは自己紹介をさせてください。ブラックウッド州出身のフィニアン・クロウです。元素術師で、風元素術を専門にしています!」
カラムは顔を上げ、元気よく手を振った。
「やあ! こっちへ降りておいでよ! そんなところに立っていたら足が疲れるだろ!」
フィニアンは動かなかった。
「残念ですが、まだお二人を信用していないので。」
カラムは手を下ろした。
「じゃあ、さっき僕たちに魔法を大量に撃ち込んできたのは誰だよ?」
「ああ、あれですか? お二人の反応を確かめたかっただけですよ。」
「僕たちを焼肉とカキ氷にしようとして?」
「でも、お二人とも無事じゃないですか。」
カラムはシラスへ顔を向けた。
「聞いたか? まるで他人の家に押し入った泥棒が、鍵の仕組みを確認したかっただけだと説明しているみたいな理屈だぞ。」
シラスは答えず、ただフィニアンを観察していた。
この少年は、本気で戦うつもりではなさそうだった。もし二人を倒すつもりなら、こんなふうに立ち止まって長々と自己紹介をする必要はない。
それに、複数の方向から異なる元素の攻撃を同時に放ったことから、フィニアンは魔力をかなり柔軟に操れるようだった。しかし、先ほどの攻撃は指輪の障壁を突破するほどの威力ではなかった。
おそらく、ただの試験だったのだろう。
あるいは、警告か。
フィニアンは少し肩の力を抜いたものの、依然として安全な距離を保っていた。
「実は、私は二人を探しているんです。男の子と女の子の二人組で、どちらも金髪、胸元にはキングスフィールドの紋章をつけています。見かけませんでしたか?」
シラスの表情がすぐに変わった。
カラムも冗談をやめた。
「彼らに何かあったのか?」シラスが尋ねた。
フィニアンは少しの間、二人を見つめた。話を続けるべきか、考えているようだった。
「どうやら、まだ知らないようですね。」
「何を?」
フィニアンは歯を食いしばり、声を荒らげた。
「あの二人は最低の連中です。特に、あの金髪の女の方! ここ数日だけで、ウェスターミア州とノースウォッチ州から来た生徒のほとんどを、大学の本部ホール送りにしたんです。」
シラスは眉をひそめた。
「ほとんど全員?」
「そうです! 彼女にはまともな理由なんてありません。王族の出身でもなく、自分が相応しいと考える貴族の家系にも属していない者を見つけると、必ずと言っていいほど因縁をつけるんです。相手が反抗すれば、打ち負かしてペンダントを破壊する。」
フィニアンは拳を強く握った。
「彼女は、身分の低い者にはヴァルドレン王立大学の門をくぐる資格すらないと、公然と言い放っているんです。」
三人の間に、重苦しい空気が流れた。
松の枝から水滴が落ち、静寂の中に小さな音を立てた。
シラスは銀の滝で見たエヴリン・アシュフォードの冷たい顔を思い出した。自分とカラムを海から来た混血の雑種と呼んだ、あの侮蔑に満ちた眼差しも。
彼女が傲慢で偏見に満ちた人物であることは、すでに知っていた。
しかし、ここまでのことをしているとは思わなかった。
「本当にどうかしている……。」シラスが小さくつぶやいた。
「おかしいだけじゃありません。」フィニアンは苦笑した。「彼女はかなり強いんです。それが問題なんですよ。」
彼は二人を見下ろし、それから尋ねた。
「待ってください。お二人は何か知っているようですね。まさか、あの二人と戦ったことがあるんじゃ……?」
シラスはうなずいた。
「金髪の少年なら、僕たちが大学の本部ホールへ送り返したよ。もう一人の少女については……どこへ行ったのかわからない。」
フィニアンは黙り込んだ。
そよ風が松の梢を通り抜け、彼の額にかかった髪を揺らした。
「何ですって?」
「聞こえた通りだよ。」カラムは肩をすくめた。「あの男の名前はルシアン。女の子はエヴリン・アシュフォードだ。」
フィニアンは、まるでこの世で最も信じがたい話を聞いたかのように二人を見つめた。
「銀の滝での戦いですか?」
シラスはうなずいた。
「そうだよ。」
フィニアンは口を開きかけ、また閉じた。それからもう一度二人を見下ろし、目の前の二人が自慢話をするために嘘をついているのではないかと、確かめるように見つめた。
「そんなはずは……。」
「今ので二回目だぞ。」カラムが指摘した。「よければ三回目を言うまで待ってあげようか?」
フィニアンはその皮肉を無視した。
「私はあの戦いを上空から見ていたんです!」
彼は西南の方角、密集した樹冠が地平線を覆い隠している場所を指さした。
「あの日、銀の滝の近くを飛んでいたとき、黒い煙が立ち上るのが見えました。上空から、滝の下で大きな戦いが起きているのが見えたんです。周囲には少なくとも五十人の生徒がいて、全員が遠くから様子を見ていました。」
カラムは眉を上げた。
「五十人も?」
「もっといたかもしれません。正確には数えていませんが、滝の周囲は見物人でほとんど取り囲まれていました。」
フィニアンは言葉を切り、少し残念そうな表情を浮かべた。
「残念ながら、戦いの結末までは確認できませんでした。その直後、エデヴェイン州出身の生徒たちに待ち伏せされたんです。逃げなければ、今ごろ私も大学の本部ホールに送られていたでしょう。」
カラムは瞬きをした。
「ちょっと待って。五十人もいたなら、戦いが終わった後に誰も飛び込まなかったのか? つまり、両方とも疲れ切っていたなら、ポイントを稼ぐ絶好の機会だったんじゃないか?」
フィニアンは首を横に振った。
「考えが単純すぎますよ。」
「ありがとう。僕はいつも人生を単純に保つよう努力しているんだ。」
「考えてみてください。」フィニアンは続けた。「ウェスターミアやノースウォッチの生徒たちを次々と倒し、その強さと冷酷さで知られる二人が、突然、誰も素性を知らない二人と戦い始めたんです。もしあなたが見物人の一人だったら、その戦いに飛び込んで勝てると確信できますか?」
カラムは考え込んだ。
「食べ物を持っているかどうかにもよるね。」
「カラム。」
「わかったよ。真面目に答える。」
フィニアンはため息をついた。今知り合ったばかりの相手にどう反応すればいいのか、わからない様子だった。
「私が言いたいのは、二人の本当の実力を誰も知らなかったということです。ルシアンを倒し、エヴリンを撤退させるほどの相手なら、簡単に戦える相手ではありません。見物人たちはポイントを稼ぎたかったかもしれませんが、次に本部ホール送りになるのが自分だとは思いたくなかったのでしょう。」
彼は少し間を置き、シラスをまっすぐ見つめた。
「戦いの全容を見たわけではありませんが、お二人があの対決を生き延び、しかも片方を脱落させたと知っただけで、十分に驚きました。」
カラムはすぐに胸が張るような気分になった。
平静を装っていたが、口元はすでに緩み始めている。
「実際、大したことじゃないよ。僕たちは少し協力して、魔導具をいくつか使って、それから……。」
シラスは彼の肘を軽く小突いた。
「君は雷法符を三枚同時に使った後、気絶したじゃないか。」
「それはわざわざ言う必要のない情報だ。」
「しばらく倒れたままだったよ。」
「僕の評判を台無しにする気か?!」
シラスは微笑み、フィニアンは初めて声を上げて笑った。
そのおかげで、先ほどまでの緊張した空気が少し和らいだ。
しかし、フィニアンはすぐに笑みを引っ込めた。箒を操ってゆっくりと高度を下げ、尾の部分が松葉をかすめてから地面に降り立った。
彼は箒から降り、上着についた埃を軽く払った。
「お二人が同意してくれるかはわかりませんが、一つ提案があります。」
カラムは腕を組んだ。
「箒好きのクラブに誘うつもりなら、先に断っておくよ。」
「違います。」
「それなら話してみて。」
フィニアンはシラスを見て、それからカラムを見た。箒の上で見せていた傲慢な態度は消えていた。その代わりに、仲間たちが次々と試験から脱落していくのを目の当たりにした者の真剣さがあった。
「お二人と協力したいんです。」
シラスはすぐには答えなかった。
彼はフィニアンを頭から足元まで観察した。胸元のブラックウッドの紋章、傍らに置かれた魔法の箒、そして袖に残る擦り傷。ここ数日の間に、何度も他の生徒と遭遇したようだった。
「理由は?」シラスが尋ねた。
フィニアンは拳を握りしめた。
「仲間の仇を討ちたいからです。」
声は大きくなかったが、一言一言がはっきりと響いた。
「ウェスターミアやノースウォッチ、そして私たちブラックウッドの生徒たちは、ここへ来るために本当に努力してきました。みんなヴァルドレン王立大学へ入る機会を望み、自分たちがその資格を持っていると証明したかったんです。」
彼はうつむき、足元の松葉を見つめた。
「それなのに、生まれた家が高貴だというだけで、誰が残り、誰が脱落すべきかを決める権利まであると思っている連中がいる。」
小道を風が吹き抜け、乾いた松葉を巻き上げた。
「これは試験だということはわかっています。誰かが敗れ、誰かが帰らなければならないことも理解しています。でも、少なくとも全員に公平に戦う機会が与えられるべきです。自分たちが望む血筋を持っていないという理由だけで、脱落させられるべきではありません。」
シラスは黙っていた。
その言葉を聞いて、彼はエヴリンの眼差しを思い出した。自分とカラムを見下していた、あの侮蔑の目を。
彼は、この試験に参加しているすべての生徒を救う英雄になるつもりはなかった。シラスとカラムの目標は、あくまで生き残り、ポイントを稼ぎ、クラウンピークへ進むことだった。
しかし、だからといって、目の前で起きていることを見過ごしていいわけではない。
カラムも、もう笑ってはいなかった。
「それで、僕たちに何をしてほしいんだ?」
フィニアンは顔を上げた。
「根本的な問題を排除したいんです。自分たちが特別な存在だと思い込んでいる王族至上主義者たち、特にキングスフィールド州やエデヴェイン州から来た連中。そして何より、あの金髪のクソ女を!」
「彼女がどこにいるか知っているのか?」シラスが尋ねた。
「いいえ。それを探しているんです。エヴァーミアのあちこちを飛び回りましたが、霧のせいで視界が悪いんです。飛びながら地上のすべてを確認することもできません。」
フィニアンは自分の箒を見つめた。
「風元素術のおかげで、素早く移動し、体の周囲の気流を操ることはできます。でも、複数の相手と戦うとなると、高度を維持しながら攻撃を避け、さらに反撃するのは難しい。包囲されれば、かなり厄介なことになります。」
カラムはうなずいた。
「少なくとも、自分の弱点を理解しているんだな。それはいい出発点だ。」
「それで、お二人はどうですか?」フィニアンは尋ねた。「協力してくれますか?」
シラスは前方の道へ視線を向けた。
エヴァーミアは依然として静まり返っていた。巨大な松の木々は霧の中で動かず、葉の隙間から差し込む光は、短い道のりを照らすだけだった。背後には銀の滝がある。あそこで二人はルシアンとエヴリンとの戦いを切り抜けるため、知恵のほとんどを使い果たした。
前方には広大な森が広がり、正体のわからない敵が待ち受けている。そして、試験期間はまだ七日間も残っていた。
シラスはカラムの方を向いた。
「君はどう思う?」
カラムは顎をかき、フィニアンを探るように見た。
「ほら、僕は複雑な計画があまり好きじゃないんだ。そういうのはたいてい、人を眠れなくさせるし、腹を空かせるし、気絶する危険まであるからね。」
「ここ数日の間に、僕たちに起きたことを三つ並べただけじゃないか。」
「その通り。実体験に基づく意見だよ。」
シラスはため息をついた。
「それで、君の答えは?」
カラムはしばらくフィニアンを見つめ、それから肩をすくめた。
「反対はしないよ。ただし、協力するなら、いくつか決めておきたいことがある。仲間を勝手に置き去りにしないこと。無駄な争いを起こさないこと。それから、事前に相談もせず僕を囮に使わないこと。」
フィニアンは少し驚いた後、笑った。
「わかりました。約束します。」
「もう一つ。」カラムは人差し指を立てた。「さっき話した金髪のエルフの女の子たちを見つけたら、最初に声をかける権利は僕にある。」
シラスは目を閉じ、深く息を吸った。
「やっぱり、君とは協力しない方がいいね。」
「ま、待ってください!」フィニアンは慌てて手を振った。「エルフが本当にここに住んでいるかどうかは知りませんが、もし見つけたら、あなたに譲りますよ。」
カラムはすぐにシラスへ振り返り、勝ち誇った表情を浮かべた。
「ほらな? これこそ仲間意識ってものだ!」
「ただの馬鹿二人の意気投合だよ。」
それでも、シラスは手を差し出した。
フィニアンはその手を見つめ、迷うことなく握り返した。
「ブラックウッド出身、フィニアン・クロウです。この試験を一緒に乗り越えられることを願っています。」
「アウレリアン・コースト出身、シラス・バイ。」
「同じくアウレリアン・コースト出身、カラム・マーロウ。念動術の専門家で、遠くから相手に石を投げつける能力があり、ときには友人まで厄介事に巻き込む男だよ。」
シラスは彼を見た。
「最後の部分は省いてくれないかな?」
「だめだよ。そこが一番重要なところなんだから。」
フィニアンは再び笑った。登場したときよりも、ずっと肩の力が抜けているようだった。
三人はエヴァーミアの古い松の木々の下、小道の真ん中に立っていた。海辺の州から来た少年、金髪の魔法使い、そして風を操る魔法と箒を使うブラックウッド出身の少年。
この協力関係がどこへ向かうのか、彼らにはまだわからなかった。
エヴリン・アシュフォードがどこにいるのかもわからない。
だが、この瞬間から、彼らの試験には新たな目的が加わった。
フィニアンは箒を持ち上げ、木の柄を軽く叩いた。
「それじゃあ、行きましょう。運がよければ、少し高い場所まで案内して、エヴァーミア南部を一望できる場所を見つけられると思います。」
カラムはすぐに箒を指さした。
「待った。それで三人まとめて運ぶつもりか?」
フィニアンは箒を見て、それからカラムを見た。
「いいえ。私が先に飛びます。お二人は地上を歩いてください。」
「てっきり、松林の中を空中散歩できると思ったのに。」
「大学に入ったら、自分の箒を買えばいいでしょう。」
「なるほど。それはいい考えだ。シラス、どう思う? 魔法の箒は僕のイメージにぴったりだと思わないか?」
「うん。木にぶつからずに飛べるようになればね。」
「君は本当に最高の友人だよ。」
フィニアンは箒にまたがり、松の木々の間をゆっくりと上昇した。そして二人に、北東へ向かう小道を進むよう合図した。
シラスは法鈴を上着のポケットにしまったが、手は符を入れた袋の近くに置いたままだった。カラムはリュックの肩紐を整えながら、魔法の箒やエルフの少女について、まだ何かぶつぶつとつぶやいていた。
三人はエヴァーミアのさらに奥へと進み始めた。
頭上では、松の木々の梢が巨大な天蓋のように閉じていた。苔に覆われた枝の間を霧が這い、彼らの背後にある道を少しずつ飲み込んでいく。
誰も気づかなかった。
そう遠くない場所で、苔に覆われた松の枝の間に、黒い影が静かに移動したことに。
乾いた葉が一枚、地面へ落ちた。
そして、すべては再び静寂に包まれた。
エヴァーミアの松林は、まだ目覚めていない。
そして、この森へ足を踏み入れた者たちも、自分たちがこれから何を目覚めさせようとしているのか、まだ知らなかった。
第10章・完




