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スミレ  作者: 氷水悠斗
2章 動く王国
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15/22

15話 エイルフッツ

勉強から逃れるために更新頻度があがっているだけで、直ぐにいつも通りのペースに戻ると思います。

風龍の森に面する国の一つ、エイルフッツ連合王国。


西方国侵攻計画を阻害する存在、風龍の森の主、風龍テンペストが滅びた。


それを聞き情報屋は一心不乱に王宮へと駆け込む。門番の制止も無視して、御前会議が行われている部屋の建国当初からある厳かなドアを乱雑に開け放った。


その音に自分が1番得する案を思い思いに提案していた欲まみれの貴族らが眉をひそめる。

彼らがこれから口に出すであろう批判的な言葉をかき消すような大音声で情報を報告した。


「風 龍 テ ン ペ ス ト が 滅 び ま し た ! 繰り返しお伝えします!」


息を吸い込み彼は再び叫ぶ。


「風 龍 テ ン ペ ス ト が 滅 び ま し た !」


その瞬間、場内は静寂に包まれる。

重大な情報過ぎて思考が停止してしまったのだ。


そんな中、理性を保っていたのは国王、イェルサレムただ1人であった。


国王のガハハとした豪快な笑い声が場内に響く。

「それは誠か!()()()()()、ジョンよ!」


情報屋ーージョン・スミスは何度も頷きつつこう答える。


「はい、私の()()で何度も何度も確認しましたが、かの邪龍の姿はなく、例の森に1番近いギルドにも冒険者から伝えられているようです。」


「そうか、そうか。がははははっ、ご苦労であった。褒美を授けよう、会議が終わるまでいつもの部屋で待っておるのだ。」

「はっ!」


彼が後ろを向くと、控えていた兵はやっと我に返り道を開けた。


情報屋は重圧から解放されフラフラとした足取りで退出した。


王は扉がしまったことを確認すると立ち上がった。

「いつまでぼぅっとしておる!」

鶴の一声に愚貴族共は我に返った。

そして口々に騒ぎ始める。


「邪龍()が滅びられたわ、はっはっは!」

「笑い事じゃないわ!森の守り神が消えて我の、いやいや、我が領地の臣民が危ないでは無いか!」

「多少の愚民の犠牲など()()()()()()()遂に我が国も西方に進出できるのじゃ!」

「左様。聖皇帝を自称する女狐も感謝すべきじゃなぁ、我らの支配下に入れるのだからなぁ。」

「そのような愚かな事をすると森が怒り魔物が攻めてくるぞ!」


などなんだの民を考えず好き勝手騒いでいる。


しかしそれは、()()()()()()()()()()


机の小槌を強くおろし、注目を向けさせ宣言する。


「よし、念の為調査隊を派遣し、改めて確認してから攻め入る!派遣している間に軍備を整えるのだ!!」


「「「「「はっ!」」」」」

侵攻派は歓喜の顔で、反侵攻派は苦虫を噛み潰したような顔をし、了承した。


しかし、愚かにも手を挙げた者が1人。

「あ、あの…えっと…」

「おお、どうした、ワシの可愛いイスラよ!言いたいことがあれば()()()言ってくれ!」


イスラーー第3王女は欲まみれの父とは違う純粋な目で質問をした。


「調査隊はどうするのですか?」

「そうじゃな…奴に任せるとしよう。」

気持ち悪く笑う父に無表情を保っていた娘の眉はピクリと動いた。





「あんのクソジジイがァァァァァ!!…いってええええええええええっ」

「ああああああああぁぁぁ!!魔力の無駄ですから木を蹴って怪我するのもうやめてください!!気持ちは分かりますけどもう3回目です!!!」

男と女は森の中を叫ぶ。その後ろの部下5人はまたかと耳を塞ぐ。


「なんだよなんだよなんだよくそくそくそくそぉ!!褒美が仕事とかふざけんなあああ!!!!」

別室で彼に伝えられたのはこうだ。


「万が一だが、生きている可能性があるかもしれない。念の為見てきてくれぬか?」

「お、恐れながら申し上げます!!魔眼や伝聞でしっかりと確認を…」

「馬鹿者!もし誤認であって臣民が被害を受けたらどうするつもりなのだ!!つべこべ言わず行ってこい!!報酬はその後だ!!!」



「何が臣民だああああ!あんだけ高い税金にしときながら何を言う!!普段臣民のことなんて考えてないくせに何正義面してんだよクソジジイがぁぁぁぁ!なぁ!そう思わないか妹よ!」

「ああもう静かにしてください!!風龍がもし生きてたらどうするつもりなのですか!!あと私は妹じゃないです!!」


「それにしても…」

急に彼は冷静になった。

「こんなに騒いだり木を蹴ったりしているのに現れないとはな。魔眼の結果と変わらないじゃないか。」

「そうですね…私たちが来る意味がない気がしてきます…」

2人の盛大な溜め息に部下は後から続いた。


「「「「はぁ…」」」」


その時、レイン川付近で強大な爆発音が響いた。

「なんだ!!」

「い、行きましょう!」


彼らは音がする方向へ走り出した。


隊長である()()()は走りながら呟いた。


()()()()()()()()()()



実際にある国とは全く関係がございません。そんな国あったらとっくにクーデター起こってます。

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