14話 再会
書く気ないだろと言われれば、首を縦に振らざるを得ません。
赤髪で長身--190は余裕で超えている--の美形は泣いている姿も美しい。
なんてことを考えることが出来る程の無言の時を経て、彼は語り始める。
「...寂しかったんだ...ずっと会いたかったんだ...ほんの少しの可能性でも信じていたんだ...でも、まさかここで...こんな世界で出会えるなんて...」
「...何が言いたい。」
訳の分からぬことを何度も呟いている彼は、俺の顔をしっかりと見据えてこう言った。
「会いたかったよ、__兄さん。」
「「...はぇ?」」
その悪魔は病院などで毎回性別を間違えられるような忌々しき下の名前を言ってきた。
後で聞いたがミナは離れた位置に居たせいで肝心の名前を風の音で聞きそびれたようだ。ありがたい。
そんなことより、何故彼が俺を兄さんと呼ぶのだ。訳が分からない。
...いや...本当は薄々声で分かっていた。分かっていたが、信じられなかった。
「...まさか...本当に...」
俺は一か八か、小学生の頃に一時期していた合言葉の前文を言う。
「もちろんです。」
「プロですから。」
即答された。俺は涙が溢れる中、こう改めて聞いた。
「サクラ...サクラなのか?」
その言葉を聞いた途端、悪魔は、弟は、美しく笑い、頷いた。
「サクラぁっ」
名前を叫びつつ、弟へ走る。
「兄さぁんっ」
自分より背が高い弟も駆け寄ってくる。
The 感動の再会
...の途中で、魔弾が飛んできた。
「スミレ様!危ない!」
「「...はぇ?」」
ああ、やはり神は俺のことを見放してるんだなと思いつつ、2度目の死を待ったが、それは訪れなかった。
サクラが日朝戦隊も腰を抜かすような回し蹴りで魔弾を蹴飛ばしたからだ。東の空へと。
その現実離れした様子を見て俺は
(ああ、本当にここ異世界なんだなあ)
などと呑気なことを思った。
と、ここまではサクラ△と思えていたのだが、足を抑えて転がり始めた。
「いってぇぇぇぇぇ」
「いや、痛いで済むのかい」
そう言いつつ喚く弟から目を逸らし魔弾が放たれた方向へと目を向けた。
「ミナ」
「はい、承知しました。」
「何を!?」
驚いてミナの方を見るが既に彼女の姿はなかった。遠くの方で遊んでいたエウリュアレーとステンノの姿もない。
「一体…何処に…」
「魔法発動者へお届け物をしろとの命令に従ったまでです。」
「ほわっ!」
気配を完全に消していたのか、メデュシアナが隣にいた。心臓止まるかと思った…
すると、サクラが河原に寝転がりながらメデュシアナに聞いた。
「お届け物って?」
「ふふふ、引導、ですよ?」
「「うっわぁ…」」
なにこのこたちこわい。そんなこと命令した覚えないわ。
…いや、確かに名前を呼んだがまだ何も言ってなかったし。
「め、命令変更だ、情報取りたいからこっち連れてきてくれないか…」
「はっ。」
メデュシアナは五輪選手もビックリな速さで走り去っていった。ほんとこわい。
俺はサクラの方へと目を移した。
「で、なんでお前はまだ寝てんだ?」
「いや、案外河原って寝心地いいなって思ってね。」
「はは、威厳もクソもないな、悪魔なのに。」
からかうように笑ってやったが、直後の言葉で表情が止まった。
「実質そんな感じ。召喚されてなかったら僕死んでたし。」
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