10話 スミレの技
最近は少し長めです。
「こりゃ野宿だな。」
暗くなっていく空を眺め、俺は呟く。
異世界最初の晩が野宿とはな...
「火を起こせるもの、なんかあるか?」
「火属性魔法があるのですが、私は適性がなくて...」
「私は適正あるけど、あいつとの戦いで魔力は0よ。」
ユタとソルは申し訳なさそうに答えてくれた。
へー魔法ある世界なんだ...そりゃそうだろうな。
「ランプとかマッチとか無いのか?」
「らんぷ?まっち?なんなのそれ。」
「聞いたことがありません...」
文明レベルが予想外に低い!なんじゃそりゃ!
原始人でも分かることだったはずなのだが...
いや、ここは異世界。魔法に頼りすぎて、このようなものは無かったことにされた的な感じになっているのだろう。
あっちの世界の常識は通じないようだな。
まぁいい。あいつらが驚く方法で火をおこしてやらあ!
「...何を考えているか分からないけど、その顔やめなさい。」
ユタが引き気味に言ってくる。
「ま、とりあえず、そこら辺の枝でも拾ってくれ。」
「そんなもの集めて何になるのよ?」
「見てからのお楽しみ...なんてね。」
やっべ、笑みが止まらん。高校での研究合宿でも森ん中でサバイバルしたなぁ...懐かしい。
学校の休みにも、山まで一人で行って森を探検してたっけな...そう考えながら作業しているうちに、結構集まった。質的にもいいな、こりゃ。
「ユタ、ロープ...いや、縄を持っているか?」
「あ、うん。どうぞ。」
みんなは分かると思うが、一応説明入れるぞ。
「今回俺が使う、火おこしの技(今適当に名付けた)は、誰にだって火をおこせることができるものだ。」
「嘘も程々にしてください。そのようなことが出来るはずがありませんよ。」
ソルの言葉にユタは大きく頷いた。驚く顔が見られるなこりゃ。そんなことを思いつつ、作業を進める。
「火おこしの技の中で俺は弓錐式を使う。」
「ユミギリ?確かにあんたが作ってるの弓っぽいけど。」
「弓と錐。ふたつを合わせて弓錐ですか...名付けが苦手な方なんですね。」
「やかましいわい。」
俺が名付けたわけじゃないわ!と言いつつも、おおかた完成した。
「あとは、上手く回すだけだな。」
「「???」」
俺は弓をゆっくりと動かし始める。錐がクルクルと回り始めた。
こうして見ると、ある曲を思い出すな。ま、華麗に花弁散らすようにクルクルと回しますか。
しばらく回してると、煙が出てきた。
俺はすかさず木をとり、少しずつ息を吹き込んで行く。。
それを枝の近くに置いた時、大きく息を吹いた。上手く着火に成功したようだ。サバイバルでの知識が役に立ったぜ。
ユタとソルを向くと、呆然としていた。
「あなた...本当に何者なの...」
「森ん中に住んでた田舎者さ。」
先程言ったセリフをドヤ顔で決めてみせる。
火が後ろだから、結構決まった気がしたが、ソルは尊敬的な目で見てきたが、ユタは前と同じ反応だった。
「ふーん。」
「と、とにかく、枝を放り込もう、火を続かせるために。」
「はいはい。」
「はい!」
俺は近くの枝を拾いながら、自分でおこした火を眺める。なんか感慨深いな。
キャンプで学んだ知識をまた更にネットで学び直した結果がこれです。もっと勉強しなきゃ...




