第一話 わが神よ(後編)
その夜、ベルナルドの館には静かな灯りがともっていた。
夕暮れが石畳を紫に染め、街の騒音が次第に遠ざかっていく。かつてはこの時間になると、ベルナルドの館の大広間には笑い声と杯の触れ合う音が響いたものだ。アッシジの裕福な商人たちが集まり、ぶどう酒を飲み、取引の話をし、時には詩人を招いて歌を楽しんだ。
しかし今夜は違った。
ベルナルドは自らの手で準備を整えさせた。派手な飾りは一切なく、広間ではなく小さな食堂を選び、使用人たちには静かに振る舞うよう命じた。何のてらいもなく、ただ一つのものを求めて——真実を。
夕食は質素なものだった。
焼きたてのパン。まだ湯気が立っている。表面はカリッと、中はふんわりと——ベルナルドの家政は行き届いていた。
野菜の煮込み。セロリとニンジンと玉ねぎをじっくりと煮込んだ、シンプルでありながら滋味深い一品。香草のよい香りが食堂に広がる。
少しの葡萄酒。修道院から取り寄せた、決して贅沢とは言えないもの。
ベルナルドは向かいに座るフランチェスコを観察していた。
かつてアシジの若者たちの中心にいた男。歌を愛し、宴を愛し、華やかな衣服を好んだ男。その面影はまだ残っていた。頬の輪郭。目の形。笑う時の口元の動き——確かにあの日のフランチェスコだった。
だが何かが違う。
同じ顔でありながら、まるで別人だった。
何よりも驚いたのは、彼の目線だった。フランチェスコは決して食べ物を貪らなかった。一つひとつを、感謝するように口に運んだ。パンをちぎる指は優しく、噛みしめる度に目を閉じた。まるでその一片のパンの中に、神の存在を見つけているかのようだった。
使用人が葡萄酒を注ぎに来た。フランチェスコは顔を上げてその少年を見た。そして微笑んだ。
「ありがとう」
たったそれだけの言葉だった。
しかし少年は驚いたようにまばたきをし、少し頬を赤らめて下がっていった。おそらく彼は、この館で「ありがとう」と言われたことがなかったのだ。使用人に礼を言う主人など、この街のどこにもいなかったからだ。
ベルナルドはその様子を黙って見ていた。そして思った——この男は、誰に対しても同じなのだと。金持ちにも貧乏人にも。偉い者にも哀れな者にも。彼の眼差しは変わらない。そこには階級も身分も存在しない。
食事が進むにつれ、ベルナルドはいくつか質問を試みた。
「フランチェスコ、あなたは今、何をしているのですか」
「ポルツィウンクラの教会を修復しています」彼は静かに答えた。「石を運び、壁を直し、できる限りのことを。小さな教会ですが、主の御家ですから」
「一人で?」
「ええ。しかし時折、誰かが手伝ってくれることもあります。石を一つ運んでくれる人が。水を一桶運んでくれる人が」
「報酬は?」
フランチェスコは軽く笑った。
「何もありません。ただ、主の喜びがあるだけです」
ベルナルドは答えられなかった。
報酬がないのに働く。見返りがないのに石を運ぶ。その「喜び」とやらが何なのか、彼には理解できなかった。しかしフランチェスコの顔には、確かに偽りのない充足があった。
「あなたは——」
ベルナルドは言葉を選んだ。
「幸せですか」
フランチェスコは少し考えた。そして穏やかに頷いた。
「ええ。以前よりもずっと」
その答えに、ベルナルドの胸の中の何かが、かすかに軋んだ。
---
そしてフランチェスコは時折、窓の外を見た。
特に理由もなく——そう見えた。
しかしベルナルドの目には、彼がただぼんやりと外を眺めているのではなく、まるでそこに見えない誰かがいるかのように、何か——大切なものを見つめているように思えた。
その視線の先には何があるのだろう。
闇。星。風に揺れる木々。月明かりに照らされたアシジの街並み。
しかしフランチェスコの目は、それらを見ているのではなかった。彼はその向こう側を見ていた。世界の背後にある、何か根源的なものを。
ベルナルドはその横顔を見つめながら考えた。
この男は何を見ているのだろう。
何を知っているのだろう。
なぜこれほど満たされているのだろう。
自分は富を持っている。名誉を持っている。人々の尊敬も持っている。しかし、この男が持っているものを持ってはいない。いや——この男が持っているものが何なのかさえ、自分には分かっていない。
分からないのに、欲しいと思ってしまう。
それがベルナルドにとっては、何よりも奇妙なことであった。
---
やがて夜も更けた。
寝室には二つの寝台が用意されていた。どちらも上等なものだった。清潔なリネンのシーツ。温かい毛布。枕は羽毛がたっぷりと詰められ、柔らかく頭を包み込んだ。
壁際の燭台には小さなランプが揺れている。灯りは弱々しく、揺れる炎が天井に大きな影を落としていた。
フランチェスコは寝台に横たわると、ほどなく静かな寝息を立て始めた。規則正しい呼吸。まるで子供のように無防備な寝顔。
ベルナルドもまた横になった。
だが眠るつもりはなかった。
しばらくして、彼はわざと大きないびきをかく振りを始めた。深く、規則的に。それは長年の習慣だった——相手に自分が眠ったと思わせることで、その者の本当の姿を見極める。商売においても、交渉においても、この方法は何度も彼を助けてきた。
館は静まり返った。遠くで犬が吠えた。風が窓を撫でた。時折、ランプの芯がパチッとはぜる音がするだけだった。
時間だけが過ぎていく。
ベルナルドは薄く目を開けた。
フランチェスコはまだ眠っている——そう見えた。
だが夜半を過ぎた頃だった。
寝台の上の人影がゆっくりと起き上がった。
フランチェスコだった。
彼は慎重に足を床へ下ろし、音を立てないよう立ち上がった。自分の寝台の軋みを気にしながら、慎重に、慎重に——まるで自分の存在をできるだけ小さくしようとするかのように。
そして部屋の片隅へ進んだ。
ベルナルドは息を殺した。呼吸さえも忘れそうになった。
ランプの灯りが揺れている。そのかすかな光の中で、フランチェスコの影が壁に大きく映った。
フランチェスコは跪いた。
両手を胸の前で組み、頭を少し垂れた。その姿勢には一切の無理がなかった。まるでその姿勢こそが、彼の最も自然な形であるかのように。彼の体が、彼の魂が、何かを待っている——いや、何かに向かっている。
しばらく何も言わなかった。
長い沈黙だった。
ベルナルドはその沈黙の中に、何か特別な重みを感じた。それは「何もない」という空白ではなく、むしろ「何かが満ちている」という充実だった。言葉にならない何かが、その沈黙の中で脈打っていた。
やがて、かすかな声が聞こえた。
「わが神よ」
ベルナルドは耳を澄ませた。
それだけだった。
続く言葉はない。長い祈りの連祷もない。難しいラテン語の聖句もない。美しい修辞もない。ただ——
「わが神よ」
しばらくして、また同じ声が聞こえた。
「わが神よ」
その声はどこまでも優しく、しかしどこまでも強かった。嘆きではなく、願いでもなく、ただ——呼びかけだった。そこにいることが分かっている相手への、確かな呼びかけ。
ランプの光がフランチェスコの頬を照らした。
その頬を涙が伝っていた。
フランチェスコは泣いていた。
しかしそれは悲しみの涙ではなかった。苦しみの涙でもなかった。それは——愛する者に会った時の涙だった。長く離れていた友と再会した時の涙だった。言葉にできないほどの喜びが、ただ涙という形になって溢れ出していた。
まるで懐かしい友を呼ぶように。
まるで愛する者の名を呼ぶように。
「わが神よ」
また沈黙。
また涙。
そして、
「わが神よ」
ベルナルドは動けなかった。震えていた。自分の胸の中で何かが——今まで感じたことのない何かが動いていた。それは恐怖に近かった。しかし同時に、驚くほど甘美でもあった。
彼は多くの聖職者を知っていた。アッシジの司祭たち。訪問する司教たち。時にはローマから来る高位の聖職者たちとも会食した。学者も知っていた。聖書に精通し、複雑な教義を滔々と語る者たち。雄弁な説教者も知っていた。人々の心を掴み、涙を流させる話し手たち。
しかし——
神について語る人はいても、神に向かって語る人はほとんどいなかった。
まして、これほど愛おしそうに。これほど切実に。これほど幸福そうに。
彼らは神を論じていた。フランチェスコは神と語っていた。
その違いは、天と地ほどに大きかった。
---
夜は静かに流れていった。
フランチェスコは何度も何度も、同じ言葉を繰り返した。その間隔は不規則だった。時には長く沈黙し、時にはすぐに次の呼びかけが続いた。まるで会話をしているかのようだった——聞こえない声に耳を傾け、見えない方と心を通わせているかのようだった。
ベルナルドはその時間を、息を殺して過ごした。一時間が過ぎたか、二時間が過ぎたか——もしかしたらもっと長かったかもしれない。時間の感覚がなくなっていた。ただ、その場にいることだけが現実だった。
彼の心の中で、長い年月をかけて築いてきたものが、一つまた一つと崩れ始めていた。
誇り。自分はアシジで最も成功した男の一人だという自負。それが突然、空虚なものに思えた。
名声。人々から「賢明なベルナルド様」と呼ばれること。それが何の意味も持たないように感じられた。
財産。広大な土地。多くの家屋。貯蔵庫に満ちた小麦や葡萄酒。それらが急に——重く、汚らしいもののように見えた。
知識。学び、積み上げてきた教養。それが傲慢にしか思えなくなった。
そしてその代わりに、たった一つの願いが生まれていた。
——この人が見ているものを、私も見てみたい。
——この人が聴いている声を、私も聴いてみたい。
——この人が感じている喜びを、私も感じてみたい。
それは祈りと呼ぶにはあまりに拙く、しかし願いと呼ぶにはあまりに切実な、魂の叫びだった。
---
夜明けが近づいた。
東の空がわずかに白み始める。まだ星はいくつか残っていたが、その光は弱まり、やがて朝の光に飲み込まれていく。鳥が一羽、遠くで鳴いた。
フランチェスコは静かに立ち上がった。長時間跪いていたにもかかわらず、よろける様子はなかった。むしろ、すっきりとした爽やかな表情で——まるで十分な休息を得たかのようだった。
彼は音を立てずに寝台へ戻り、そっと横たわった。そして再び、静かな寝息を立て始めた。
まるで何事もなかったかのように。
ベルナルドは目を閉じた。だがもう眠ることはできなかった。
胸の奥で何かが変わっていた。何かが崩れ、何かが生まれていた。それは言葉にできないほどに大きく、しかし同時に、ひどく静かな変化だった。嵐ではなく、むしろ——雪解けに似ていた。長い冬の間に固く凍りついていた地面が、春の訪れとともにゆっくりと解けていくように。
彼は思った。
この男は何も語らなかった。聖書の一節も引用しなかった。説教も、教えも、勧めも——何一つ。
ただ「わが神よ」と三度呼んだだけだった。それ以外は沈黙だった。
しかしその沈黙の中に、すべてがあった。
---
朝の鐘が鳴った。
サン・ルッフィーノ大聖堂の鐘だった。低く、深く、重い音がアッシジの街に響き渡る。その音は石壁に反響し、路地を伝わり、一つ一つの家の窓を震わせた。
ベルナルドは起き上がった。心は決まっていた。まだ言葉にはなっていなかった。形にもなっていなかった。しかし、その決意は確かにあった。
フランチェスコもまた起きた。眠ったばかりとは思えないほど、清々しい表情をしている。
窓から朝日が差し込んでいた。金色の光が部屋を満たし、舞う塵をきらきらと輝かせている。鳥たちが一斉に歌い始めた。新しい一日の始まりだった。
しばらく沈黙が続いた。
ベルナルドは何から話し始めればいいのか分からなかった。長い人生で、数え切れないほどの交渉を経験してきた。取引の席ではいつも言葉を持っていた。どんな相手にも、適切な言葉を選ぶことができた。しかし今、初めて——言葉が見つからなかった。
やがて彼は言った。
「兄弟フランチェスコ」
フランチェスコが振り向く。その目は穏やかだった。まるですべてを知っているかのように。いや——もしかしたら本当に、彼は知っていたのかもしれない。昨夜の祈りの間に、神が何かを彼に示したのかもしれない。
ベルナルドはまっすぐにその目を見た。そして静かに告げた。
「私は世俗を捨てます」
その言葉は驚くほど軽やかに、しかし確かな重みを持って口を出た。
「あなたと共に歩みたい」
彼は言った。そこにはためらいも、誇張もなかった。ただ、単純で明確な——ほとんど子供のような宣言だった。
その言葉を聞いた瞬間、フランチェスコの瞳に光が宿った。それは歓喜というより、感謝に近い光だった。まるで彼自身が何かを成し遂げたのではなく、神が一輪の花を送ってくださったことを喜んでいるかのようだった。祝福されしキリストが、漁師たちが網を捨てて従った時、どのような顔をされただろうか——おそらく、このような眼差しだったのではないか。
フランチェスコは何も言わなかった。ただ、ベルナルドの顔をじっと見つめていた。その沈黙の中に、すべての了解があった。
「それなら」
やがてフランチェスコは静かに言った。
「まず主に尋ねましょう」
ベルナルドは頷いた。
その答えに何の不満もなかった。むしろ、それが正しいと直感した。自分の決断を確認したいのではない。神の意志を確かめたいのだ。自分が望むからではなく、神が望まれるからこそ、この道を歩みたい。
---
そして二人は朝のアッシジへと歩き出した。
石畳はまだ冷たく、ところどころに昨夜の露が光っている。市場はまだ開いていない。街は静かだった。時折、早起きの農夫が荷車を引いて通り過ぎるだけである。
誰も二人を見ていない。誰も気づいていない。
ベルナルドはフランチェスコの隣を歩きながら、奇妙な感覚に襲われていた。昨日までは、自分はこの街で最も身分の高い者の一人だった。ベルナルド・ディ・クインタヴァッレ——その名前を聞けば誰もが敬意を払った。しかし今、その肩書きはどうでもよくなっていた。
今の自分は、ただの「ベルナルド」だった。
フランチェスコの隣を歩く、一人の男。
それで十分だった。いや——それ以上の何ものでもなかった。
二人はサン・ニコラウス教会へ向かっていた。そこは小さな教会だった。派手さはなく、しかしアッシジで最も古い教会の一つであり、多くの人々が密かに祈りを捧げる場所だった。
フランチェスコはよくそこへ通っていた。ベルナルドはそのことを知っていた。だからこそ、フランチェスコの口にした「主に尋ねましょう」という言葉が、具体的な場所を意味していることも理解していた。
彼らは並んで歩いた。
まだ誰も知らなかった。
この朝が、小さき兄弟会の始まりになることを。
まだ誰も知らなかった。
この質素な歩みが、やがて世界を動かすほどの大きな流れになることを。
しかしそれはまだ先の物語である。
今はただ——朝の光の中を、二人の男が黙って歩いていた。
一人はかつての富裕な貴族。
一人はすべてを捨てた托鉢者。
外見は対照的だった。しかしその歩調はぴったりと合っていた。まるで長い間、共に歩いてきたかのように。
この瞬間、天においては——おそらく歓喜の声が上がっていたに違いない。
---
ベルナルドはまだ知らなかった。
これから起こる聖書の三度の開示を。
自分がすべての財産を売り払う決断を。
それがアッシジ中にどれほどの衝撃を与えるかを。
しかしそれでよかった。
なぜなら、知らないからこそ、人は信じられるからである。
見えないからこそ、人は希望を持てるからである。
彼らがこれから向かうのは、すべてを失う道だった。
しかしその道の先に——何か途方もなく大きな喜びが待っていることを、彼らはまだ知らなかった。
いや、もしかしたら知っていたのかもしれない。
フランチェスコのあの穏やかな微笑みが、それを物語っていた。
ベルナルドの胸の中で、昨夜見た光景が甦る。
フランチェスコが窓の外を見つめていたあの眼差し。
彼はそこに何を見ていたのか。
今、ベルナルドには分かる気がした。
彼は天国を見ていたのだ。
この地上にいながら、すでに天国の光を見ていたのだ。
そしておそらく——その光の中に、これから出会うすべての兄弟たちの顔も、見ていたのかもしれない。
---
*このようにして、聖フランチェスコは最初の兄弟を得た。それはただの偶然ではなく、神の摂理によるものであった。ベルナルド・ディ・クインタヴァッレ——後の修道兄弟ベルナルド——は、その明晰な知性と深い謙遜によって、後のすべての兄弟たちの模範となった。彼は金持ちでありながら自ら貧しくなり、高い地位にありながら自ら低くなった。それゆえに神は彼を高く上げられ、彼の名はこの書に永遠に刻まれている。*




