第一話 わが神よ(前編)
アッシジの人々は、その男を狂人だと言った。
市場の商人たちは肩をすくめた。野菜を並べる手を止めて、顔を見合わせる。目の端で通り過ぎる影を追いながら、声をひそめて言葉を交わす。
「ベルナルドーネの息子も終わりだな」
「戦争と病で頭がおかしくなったんだ」
「親父が気の毒だ」
肉屋の親父は包丁を研ぎながら軽く笑った。魚売りの女は鼻先で嘲るように息を吐いた。誰もが同じ言葉を持っていた。誰もが同じ表情をしていた——哀れみと嘲りと、ほんの少しの不安が混ざったような、曖昧な顔。
子供たちは石を投げた。
路肩に転がっていた小石を拾って、その男めがけて投げる。遊び半分だった。悪意というよりも、ただの習慣だった。他の者たちがそうするから、自分たちもそうした。小石は男の背中や腕に当たり、乾いた音を立てて跳ね返った。
若者たちは後ろから囃し立てた。口笛を吹き、野次を飛ばし、時にはわざと肩をぶつかって通り過ぎた。自分たちが彼と同じにならないことを確認するかのように。自分たちの方が正しい道を歩いていると確かめるかのように。
女たちは道の反対側へ避けて通った。裾を引き寄せ、目をそらし、唇を固く結んで。あの男に触れてはいけない——そんな風に。
だが男は怒らなかった。
反論もしなかった。
石が肩に当たっても、泥が衣に跳ねても、罵声が耳に届いても——彼の歩調は変わらなかった。まるで何事もなかったかのように歩き続けた。いや、それ以上だった。まるでそれが祝福であるかのようにさえ。
フランチェスコ・ベルナルドーネ。
かつてアシジで最も華やかな若者の一人と呼ばれた男。
絹の服をまとい、歌と酒と宴を愛した男。
それが今では——ボロボロの粗布をまとい、素足で石畳を歩き、ただ「わが神よ」とだけ呟きながら道を行く。
誰も理解しなかった。理解できる者がいなかった。
なぜ彼がすべてを捨てたのか。
なぜ彼が嘲りを喜びのように受け止めるのか。
誰の目にも、それは単なる狂気か、あるいは偽善に見えた。
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その姿を、ベルナルド・ディ・クインタヴァッレは遠くから見ていた。
アシジでも有数の富豪。広大な土地と幾つもの家屋を持ち、多くの使用人を抱え、町中の誰からも「あの賢明なベルナルド様」と呼ばれる男。教養があり、思慮深く、軽率な言葉を決して口にしない——それが彼の評判だった。
彼は流行や噂話を好まなかった。
だから皆のように笑うこともできなかった。
ある者はフランチェスコを嘲笑い、ある者は哀れみ、ある者は無視した。しかしベルナルドは、それらのどれも選べなかった。彼の胸の中で、何かが——許さなかったのだ。
理解できなかったのである。
なぜあの男は壊れないのだろう。
石を投げられても。泥をかけられても。かつての友人の嘲笑を聞いても。
一日ではない。一週間でもない。
一か月でもない。一年でもない。
二年だ。
二年もの間、人々から嘲笑され続けながら、その目だけは少しも曇らない。その背筋だけは少しも曲がらない。どころか——以前より静かに輝いているようにさえ見える。
最初は単なる好奇心だった。
ベルナルドは、フランチェスコの父親と商取引をしたこともある。あの頑固で実直なベルナルドーネ老人の息子が、どうしてこんなことになったのか。かつて裕福な商人の息子として名を知られ、宴や歌を愛していた若者が、なぜすべてを捨ててこんな姿になったのか。
何か思い違いをしているのではないか。
あるいは狂気が彼を支えているのではないか。
もしくは——見せかけの信心で、何か裏の目的があるのではないか。
ベルナルドはそう考え、折に触れてフランチェスコを観察した。
彼は観察を得意としていた。商売においても人間関係においても、人を見極めることが彼の強みだった。誰かが何かを偽っている時、その目は揺れる。声のトーンが変わる。仕草がぎこちなくなる。
だがフランチェスコにはそれがなかった。
だが見れば見るほど、その考えは揺らいでいった。
狂人ならば、どこかで怒りを爆発させるはずだ。自分がいかに不当な扱いを受けているか、訴えたくなるはずだ。長く続けば続くほど、その歪みはどこかに現れる。
虚勢ならば、いつか疲れて仮面が剥がれるはずだ。どんな偽りも時間とともに脆くなる。表面だけの平安は、継続的な努力を必要とする。
しかしフランチェスコにはそれがなかった。
侮辱されても変わらず。
称賛されても変わらず。
誰も見ていない場所でも、同じように穏やかだった。
人に石を投げられても、ただ立ち止まってその人を見つめ、何も言わずにまた歩き出す。その眼差しには、怒りも悲しみもなく、ただ——深い、言葉にできないようなあるものがあった。
ベルナルドは次第に気づき始める。
あの静けさは演技ではない。
彼の内側には、自分の知らない何か確かなものがあるのではないかと。
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ある夕暮れ。
秋の終わりの、空が高い夕方だった。日が沈むのが早くなり、冷たい風がアシジの路地を吹き抜けていた。
ベルナルドは用事を済ませて家路についていた。外套を引き寄せ、吐く息が白く煙る中を、石畳を踏みしめて歩く。市場はもう閉まり、人影はまばらだった。
サン・ルッフィーノ広場の近くで、彼はまたフランチェスコを見かけた。
噴水のそばで、彼はたたずんでいた。両手を組み、何か祈っているのか、あるいはただ黙想しているのか——その横顔には、この冷たい空気の中でさえも不思議な温もりがあった。
その時だった。
路地の影から数人の少年たちが飛び出してきた。十歳になるかならないかの少年たちだ。彼らはフランチェスコを見つけると、顔を見合わせてニヤリとした。よくある光景だった。大人たちがやっていることを、彼らは真似していた。大人たちが石を投げるから、自分たちも投げる。大人たちが笑うから、自分たちも笑う。
少年の一人が、地面に落ちていた小石を拾った。そして——
石は弧を描き、フランチェスコの腕に当たった。
乾いた音が響いた。
「あははっ!」
少年が笑った。他の者たちも続いて笑った。
「狂人フランチェスコ!」
「アッシジの笑い者!」
声が広場に響く。笑い声が石壁に反響する。通りかかった女が眉をひそめて足早に通り過ぎた。老人が一人、首を振って去っていった。誰も止めなかった。誰も少年たちを叱らなかった。それがこの街の「普通」だったからだ。
ベルナルドは思わず足を止めた。
そして見た。
フランチェスコは立ち止まり——ゆっくりと振り返った。
怒りはなかった。悲しみもなかった。
ただ静かな眼差しだった。
その目は、石を投げた少年をまっすぐに見つめた。長い一瞬だった。誰も動かなかった。風だけが広場を渡った。
少年の方が先に目を逸らした。
笑い声が止んだ。
何かが——空気が変わった。
少年たちは気まずそうに顔を見合わせ、足早に去っていった。走り去る足音が石畳に響き、だんだんと遠ざかっていく。
残されたのは、沈黙と、夕陽と、一人の男だけだった。
フランチェスコは何も言わなかった。ただその場に立ち、去っていく少年たちの背中を、少しの間見送っていた。そしてまた、何ごともなかったかのように、歩き出した。
ベルナルドは奇妙な感覚を覚えた。
勝ったのは石を投げた少年ではない。笑っていた群衆でもない。
何も言わなかったあの男の方だった。
少年たちは逃げるように去っていった。彼らは勝ったのではなかった。負けたのだ。何か——自分たちの理解を超えたものに、彼らは負けたのだ。
その瞬間、ベルナルドの胸の奥で何かが動いた。それは言葉にできるようなものではなかった。ただ——長い間閉じていた扉が、かすかに軋んだような。あるいは、凍っていた地面の下で、小さな種が動き始めたような。
羨望にも似た感情だった。
自分は富も名誉も持っている。人々から敬意も払われている。立派な家に住み、暖かい食事をとり、質の良い服をまとい——誰も自分に石を投げたりしない。
それでも、あの男が持つ平安を持ってはいない。
なぜだろう。
なぜ彼だけが、失うことを恐れずにいられるのだろう。
観察していたはずの自分が、いつしか答えを求めていることにベルナルドは気づいた。最初はただの好奇心だった。なぜあの男は変わったのか、それが知りたかった。だが今や問いは変わっていた。なぜあの男は——変わらないのか。なぜ彼は、変わらないままでいられるのか。
そして彼は薄々確信し始めていた。
フランチェスコは何かを失ったのではない。
むしろ——自分たちがまだ見つけていない何かを得たのだと。
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その夜。
ベルナルドは床に就くことができなかった。
何度も寝返りを打ち、毛布を引き寄せ、また払いのけた。暖かい寝床はある。壁は風を防ぎ、天井は雨を遮る。これ以上何が必要だろう。
しかし何かが足りなかった。
その「何か」が分からなかったからこそ、余計に眠れなかった。
彼は窓辺に立った。
冷たい夜気が頬を撫でる。月明かりがアッシジの街を青白く照らしていた。遠くにポルツィウンクラの方角が見える——あの小さな教会。誰も訪れない荒廃した聖堂。フランチェスコが今、修復しているという噂の。
彼は決心した。
答えを知りたかった。この男の強さはどこから来るのか。なぜ彼はすべてを失ってなお幸福そうなのか。それを自分の目で確かめずにはいられなかった。
翌朝。
ベルナルドは市場へ向かった。わざわざ遠回りをして、フランチェスコがいつも通り過ぎる道を行く。
そして見つけた。
彼は相変わらずだった。同じ粗布の衣。同じ素足。同じ静かな歩み。
周囲は相変わらずだった。遠くで女たちが囁き合い。肉屋の前で男たちが肩をすくめる。
しかしベルナルドには、それらが違って見えていた。嘲笑する者たちの方が——滑稽に見えた。何かを必死で守ろうとしているように。誰かを貶めることで、自分の不安を隠そうとしているように。
彼は声をかけた。
「フランチェスコ」
男は振り返った。
秋の朝日がその横顔を照らしていた。かつて宴の中心にいた若者の面影は、確かに残っている。頬の線。目の形。しかしその顔には、以前にはなかった何かがあった——人を惹きつける、穏やかで深い何か。
ベルナルドは少し緊張した。なぜ緊張するのか、自分でも分からなかった。貧しい托鉢僧に声をかけるだけなのに。普段なら馬から降りることすらしない相手に。
「今夜、私の家へ来ませんか」
フランチェスコは少し驚いたように見えた。
「私がですか」
「そうです」
ベルナルドは微笑もうとしたが、うまくいったかどうか自信がなかった。
「一緒に夕食を」
しばらく沈黙があった。ベルナルドの心臓が少しだけ速くなった。もしかしたら断られるかもしれない。そう思うと、なぜだかそれが怖かった。
やがてフランチェスコは頷いた。ゆっくりと、しかし確かに。
「ありがとうございます」
その声には、へつらいも偽りもなかった。ただ素直な——子供が約束をもらった時のような、純粋な喜びがあった。
ベルナルドはその声を聞いて、なぜだか胸が詰まった。
二人は並んで歩き出した。アッシジの石畳は朝日を受けて黄金色に輝いていた。誰かが遠くで何かを叫んでいたが、もう気にならなかった。
ベルナルドはまだ知らなかった。
この夜が、自分の人生を永遠に変えることになるとは。
そしてフランチェスコもまた知らなかった。
神が最初の兄弟を彼のもとへ送り届けようとしていることを。いや——もしかしたら彼は知っていたのかもしれない。祈りの最中に、ふと心に浮かんだその顔を。あの真面目で、思慮深くて、どこか孤独そうな貴族の顔を。
「今夜、あなたの家へ伺います」
フランチェスコはもう一度そう言って、少し照れくさそうに笑った。
その笑顔を見て、ベルナルドは思った。
——この人について行きたい。
まだ彼はその言葉を口にしていない。まだこれから起こるすべてのことを知らない。ミサの後の聖書。三つの聖句。すべての財産を売り払う決断。
しかしその時すでに、彼の心の旅は始まっていた。
もしかしたら、それはもっとずっと前から——最初にフランチェスコを見たあの日から、あるいはもしかしたらそれよりもずっと前から。
神は静かに、一人の人間の心を準備していたのだ。
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*深く心に留めるべきは、栄光ある主聖フランチェスコが、その生涯におけるあらゆる行いにおいて、祝福されしキリストの姿に倣っていたということである。キリストがその宣教の初めにあたり、地上のあらゆる富を捨てるよう人々に呼びかけたように、聖フランチェスコもまた、その生き方そのものによって、それとなく人々を招いていた。彼は説教しなかった。ただ生きた。その生きた姿が、やがて一人の富裕な者の心を動かした——それはちょうど、主イエスの眼差しがかつて一人の若者を動かしたように。*
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この夜の宴のことは、次の章で語られるであろう。
神の御手がどのようにして二人を導き、どのようにして聖書の言葉が開かれ、どのようにして最初の兄弟が生まれたのか——そのすべては、まだこれからの物語である。
だが一つだけ確かなことがある。
この世界で最も大きな変化は、たいてい最も静かに始まるということだ。
笑い声もなく。拍手もなく。ただ一人の男が、もう一人の男に「来ませんか」と声をかけただけの、何でもない夕暮れに。
アッシジの石畳は、その一歩をしっかりと受け止めた。




