エピソード5
ジュエルビースト来店
スライムの襲撃から二日経ち、僕は新メニューを考えたり、積みゲーを消化したり、積みラノベを読んだり、シャルさんと遊んだりしていた。
シャルさんは、「ゴブさんは私が守ります!」と魔法の訓練をしたり、料理の勉強をしたり、元の世界、シャルさんにとっては異世界の事を勉強していた。
昼の営業中テーブル席
「あ~、シャルさん・・・うっ!、ああ、いいですね。おお!」気持ちよさに声が意図せず漏れてしまう。
「ゴブさん、ここがいいんですか?ここなんかをこう、指と電気で刺激すると・・・・フフッ、ビクビクしてますね。こんなに反応してくれると、嬉しくなっちゃいます」
「うん、シャルさん、うっ!、こんな、うお!、テクニックをいつの間に、んっ!」
「ゴブさんの部屋に隠してあった本で覚えたんですよ」
「いや、隠した、おうっ!、というか、ああっ!、もう使わないかなと、くぅっ!」
「そうなんですか?興味深くて、私は為になるなと思って覚えちゃいましたよ」
「シャルさんが、うっ!、天才すぎるんです、ふぅ!、それに魔法の電気を、ああっ!加えるなんて」
「褒めても何も出ませんよ、出すのはゴブさんです!」
「白くて濃厚な、ああっ!、あれを!」
「はい!フィニッシュです!」
「うっ!!」
心地よい脱力感の後、体を動かしてみる。
「凄い・・・肩こり、腰痛が無くなってる」
「座ったまま体を動かさないでいちゃ駄目ですよ」
「いやー、夢中になっちゃうとついね」
「まあ、私が直しますから大丈夫です」
「ハハッ、またお願いします先生。では」と、キッチンに向かう。
新メニューを考える時にノートに書くのだが、シャルさんに見られてしまったのだ。
数分後
「お待たせしました。苺の濃厚生クリームパフェです」と、カウンター席に座っているシャルさんのテーブルにパフェとパフェ用のスプーンを置く。
「わぁ!、素敵ですぅ♡」うっとりと苺のパフェを眺めるシャルさん。
「別に整体とかしなくても、言ってくれれば作るよ」
「それは・・・ちょっと甘えすぎな気がして・・・それに、お客様もあまり来店されませんし・・・」
そういえばワーナリ様がスポンサーになってくれてるのシャルさんに言ってなかったな。
「前に話した。ワーナリ様がスポンサーだから大丈夫だよ」
前、スライム襲撃事件の時に、二階に逃げたシャルさんは相当恥ずかしかったのか自分の部屋に引き籠っていた。その時に扉越しに僕が異世界から来た事とワーナリ様の事を話したのだ。
「スポンサー?」
こっちには言葉がないかな。
「えーと、そうだな・・・応援してお金をあげるって感じかな」
「そうなんですね。ワーナリ様って酷いのか優しいのか分かりませんね」
「そうだね」
「でも、ワーナリ様のおかげでゴブさんに会えたので・・・」と、チラッと僕を見て。
「感謝しています///」と、顔を赤くして俯くシャルさん。
シャルさんの気持ちは分かっている。だが、告白するのが怖い・・・もし断られたら・・・などと考えてしまう。
「うぅん!濃厚なクリームと苺がおいひいですぅ」と、パフェを食べご満悦なシャルさん。
うん、この幸せそうに食べるシャルさんをずっと見ていたい。食べ終わったら告白しよう!
数分後
「ハァ、美味しかったです」と、カランと食べ終わったパフェのグラスにスプーンの当たる音がする。
よし、いくぞ!と、カウンター席に座るシャルさんの隣に座る。
「あ、あの、シャルさん」
「はい?何でしょうか?」
シャルさんの瞳を見つめて「あー、大事な話がありまして・・・」顔が熱くなるのが分かる。
「だっ、大事な話ですか・・・///」目を逸らさず、頬を紅くして見つめ返してくれるシャルさん。
「あっ、あの、ぼ、僕の恋」とその時、勢いよく入り口の扉が開きカランカランと音がする。
「え!?、あ、いらっしゃいませ!」入り口の方を椅子から立って見ると。
「やっと見つけたわゴブリン!!」と、走りながら向かってくる。少しやつれたリディアさん。
「えっ!リディアさん?」言い終えるのと同時にリディアさんに抱き付かれた。
「貴方無しでは生きていけない身体にした責任を取ってもらうわ!」
「え!、ちょっと、ちょっと待ってください」な、なんだ?どうなってるんだ?
「私と結婚してずっと、毎日汚物を作って頂戴!!」
・・・・・・・・・・・・な、なんだって!!
「駄目です!!!ご、ゴブさんは、私のです!!!」スライムの時より大きなシャルさんの声を聴いた。
「え!?・・・お姉ちゃん?」僕に抱き付きながら困惑した顔でシャルさんを見るリディアさん。
「ああ、確かにリディスの声だったな」硬そうな皮でできた鎧を着た、渋かっこいい中年男性がいつの間にか居た。
「ええ、そうだったわね」紅い軽装をした綺麗な女性も居た。
「自分はよく分からなかったっす」軽鎧を着た、かっこいい青年男性も居た。
「お店見つかってよかったすね」姿が見えないが少女の声が聞こえる。
「と、とりあえず、座りませんか?」と、提案してみる。
テーブル席にセクシーな魔女と執事っぽい男性が並んで座り、リディアさんとシャルさんが椅子を向かい合わせて座っている。
カウンター席に軽鎧を着た青年男性とシーフっぽい服を着た可愛いらしい少女が並んで座る。
「では、店主の僕から、護武 凛太郎です」
「あっ、シャルです」
「それならリーダーの私から。チーム、ジュエルビーストのアカーシャ エバンスよ」と、紅い軽装の女性。
「次は、俺か、ゲルド ヘルシン」と、渋かっこいい中年男性。
「自分は、カルロ コーネルです。よろしくっす」と、かっこいい青年。
「トレジャー所属のコロネ リヴィネっすよ」と、シーフっぽい娘。
「それで、シャルさんがリディスさんの声っていうのは、どういう訳なのでしょうか?」
「私の双子の姉で・・・私を庇ってレッドドラゴンのブレスで死んだの・・・」青い顔で言うリディアさん。
「シャルさんはモンスター化する前の記憶が無いんです」
「何て言うモンスターなんだ?」ゲルドさんが言う。
「シャドーマンらしいです」
「私達が知ってるシャドーマンとは違うわね。興味深い」学者肌なのか観察するように見るアカーシャさん。
「お、お姉ちゃんごめんなさい。あの時、調子に乗って突っ込んじゃったから・・・」俯き震えているリディアさん。
「大丈夫、リディアが無事でよかった」リディアさんの頭を胸に当てて抱きしめ、頭撫でるシャルさん。
「うぅ、う、お姉ちゃん・・・」泣きながら抱きしめ返すリディアさん。
「シャルさん。思い出したんですか?」
「いえ、大丈夫って言わなきゃいけないと思ったんです」
「うう、自分、家族の再会とかに弱いっす・・・」カルロさんが号泣している。
グウゥゥ!!と、お腹のなる音がする。
「あの・・・ゴブリン。汚物を頼むわ」
「あっ、ああ、そうですね。机にあるメニューからご注文をどうぞ!」
各々メニューを見始める。
「自分はリディアさんが言ってる汚物をお願いするっす」カルロさんは決まっているようだ。
「汚物ではなくてカレーでして。チキン、ポーク、ビーフがありますがどうしますか?」
「私は四つづつお願い!」泣き止んだリディアさんが言う。
シャルさんが伝票書き始める。
「そんなに食うんっすか!?自分はポークカレーを一皿とコーラをお願いするっす」
「私はペスカトーレにしようかしら」アカーシャさんはパスタにしたようだ。
「酒は置いてないのか?」ゲルドさんが聞いてくる。
「あるにはあるんですがダンジョンで出していいものかと思いまして」
「なら、私が解毒魔術で泥酔を治療するから大丈夫よ」アカーシャさんが言う。
「酔いさましもできるんですね!、では、ビールかワインはいかがでしょうか?」
「ビール?」ゲルドさんが聞き返してくる。
「えーと、あまり詳しくないのですが、麦とホップを蒸留したものだったような」
「なるほど、物は試しか・・・メンチカツとビールを頼む」
「ワインもお願いね」アカーシャさんが追加で注文する。
「コロネはっすねー・・・このケーキセットをお願いするっすよ」
「かしこまりました。少々お待ちください」頭を下げてキッチンに向かう。
こっちの世界に来てから初めての大量注文だ。頑張ろう!
数分後
それぞれの料理がテーブルに並んでいる。
「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」
「な、なあ、ビールっていうのは人間が飲んでいいものなのか?」ゲルドさんが恐れ多い感じで聞いてくる。
「?、ええ、大丈夫ですよ。どうかしましたか?」
「いや、黄金に輝いていて神の酒じゃないかと思ってな・・・」グラスを持ち電気の光を当てて眺めるゲルドさん。
「とりあえず乾杯しましょう」と、ワイングラスをゲルドさんに近づけるアカーシャさん。
「あ、ああ」と、グラスをワイングラスに軽く当てる。
アカーシャさんとゲルドさんがお酒飲む。
「んっ!」と、一瞬驚きビールを飲み干すゲルドさん。
「フゥー、これは・・・まずいな・・・」グラスをテーブルに置き呟くゲルドさん。
「まずいんっすか?」カルロさんが聞く。
「いや、冷たくて苦い、だが・・・うまくて苦いんだ・・・黒エールには戻れんかもしれない」
「苦くて旨いって矛盾してるっすね」
「おかわりは要りますか?」シャルさんがゲルドさんに聞く。
「貰おう」
「空のグラス下げますね。少々お待ちください」と、シャルさんがグラスを持ってキッチンに向かう。
「ワインも美味しいわ。今まで飲んできた中で一番かも」ワイングラスをクルクル回しながら言う。
リディアさんは早くも二皿目のカレーを食べ始めている。
「カレーうま!、コーラも弾けて甘くて、旨いっす!」カルロさんがカレーとコーラを交互にパクパクと食べている。
「このケーキ達も美味しいっすよ!紅茶というのにも合って。幸せっすよ!」コロネちゃんは少しづつそれぞれのケーキを食べているようだ。
「この細い紐みたいなの食べにくいわね・・・」フォーク片手にアカーシャさんはパスタに苦戦しているようだ。
「少しパスタを、お皿の端に寄せてフォークを横回転させると取りやすいですよ」
「やってみるわ」と、パスタを絡めとる。
「なるほど、こう食べるのね。ん!、美味しい・・・この知らない生き物のお肉もいいわね」
「海老、貝、烏賊という生き物なんですよ」
「エビ?カイ?イカ?聞いたことないわね・・・」
「海にいる魚介類ですね」
「そうなの?海のモンスターって美味しいのね」
こっちの世界って漁業とかは無いのかな。
「おお!、メンチカツの後にビール・・・最高すぎるな」ちょっと涙ぐんでるゲルドさん。
「フフッ、感情を出さないようにしてる貴方が珍しいわね」笑いをこらえるように言うアカーシャさん。
「うっ、抑えられないんだから仕方ないだろう・・・」アカーシャさん。に見えないよう顔を背ける。
美味しいと言われるのはやっぱりいい。
数分後
「ゴブリンに孕まされたっす!」カルロさん。
「ゴブリンに孕まされたっすね」コロネちゃん。
「ゴブリンに孕まされたわ」アカーシャさん。
「ゴブリンに孕まされたよ」ゲルドさん。
「またゴブリンに孕まされちゃった♡」妊婦化したリディアさん。
うん、まあ、知ってた。
「あの、それって流行ってるんですか?レリーとルードも言ってまして」
「そう言うとゴブリンが喜ぶって広まってるっす」カルロさんが答えてくれる。
「それ広めたのってリディアさん?」
「・・・いやぁ、こんなに広がるとは思わなくて・・・てへっ」これがてへぺろっていうやつか。
「まあ、もういいんですがね・・・」
「あ、そうだったっす。ご主人」コロネちゃんが思い出したように言う。
「このお店を探す依頼が出るようになったので。いっぱいお客さんが来るかもしれないっすね」
「え?本当ですか?」
「ギルド内で探して欲しいって要望が多かったので、お宝専門チームトレジャーのお仕事の一つになりましたっすね」
宣伝しなくてもお客様が来てくれるって事か。
「私もキッチンゴブリンに住むわ!」リディアさんが宣言する。
「え?」「え?」シャルさんと被ってしまった。
「夫婦になるんだから問題ないでしょ!」自信満々に言い放つリディアさん。
「駄目です!」即座に拒否の意を示すシャルさん。
「大丈夫、大丈夫お姉ちゃん。私、第二夫人でもいいから!」
「うぅん・・・ならいいかな」納得しちゃったよシャルさん!
「フフッ、子供の頃はリディスと同じ物欲しがってたわね」懐かしそうに笑うアカーシャさん。
「そういえばアカーシャさんはお若いですから、二人のお姉さんなんですか?同じエバンスって言ってましたし」
「あら、嬉しいわ。いいえ、母の孤児院の子で名前が分からない場合は、エバンスって名字になるのよ」
「なるほど」二人とも孤児だったのか。
父さん、母さんお嫁さん候補が二人出来ました。
終わり




