静岡チョーチューのキム・ガンフン part2
静岡市立中島中学校。
静岡朝鮮小中級学校と同様、安倍川近くにある日本人学校である。
中島中学校から南に行けば、すぐそこに大浜海岸があり、夏には、大浜海岸に隣接する大浜プール(中島中学から東に、直線距離で約920メートルに位置する)という市営の海水浴場で子供たちが大騒ぎして青春を過ごす、そんな地域でもある。
ちなみに、ナカチュー(中島中学校)は、チョーチューの南に位置し、チョーチューからナカチューまで、直線距離で約350m。
その距離の近さから、時折、チョーチュー生とナカチュー生同士でイザコザも起こり、犬猿の仲ともいえる関係でもある。
「お前が、チョーセンのガンって野郎か!」
「・・・・・・」
「ちょっと静岡で名が知れてるみてぇだが、俺が来たからにはそうはいかねぇ。おい!」
「お、オッス!」
大石則政は、左斜め後方にいる子分・長谷川光照に目くばせした。
中島中学3年・長谷川は、慌てて大石の正面に回り、番長である大石の学ランの前ボタンを外していった。
「ほれ」
「ウ、ウッス!」
大石の前ボタンを全て外し終えた長谷川は、大石の学ランを脱がし、学ランを大事そうに抱えながら、また大石の左後方に戻っていった。
大石則政。
中島中学3年。
身長170cm。
そこまで背は大きくないが、アンコ型の体型をして非常に力が強い。
4月に起こった番長争いで勝利した、ナカチューの番長である。
柔道部主将でもあり、週末の日曜は、女よりも男の獲物を探して、静岡駅周辺(静岡市呉服町)を子分と練り歩く、静岡駅周辺でちょっとは名の知れたごんたくれであった。
ちなみに、いがぐり頭である。
キム・ガンフンと大石則政の距離、大体2メートル。
その距離で、2人は対峙していた。
「ケセッキ(クソ野郎)、柔道部か?」
「(ケセッキ?)ああ、柔道部だ。それがどうした!」
大石が柔道部だと知って、キムはニヤリとした。
「俺が勝ったら、テメーの黒帯は貰うぞ」
「なんだと!?」
ザワザワ。
ツヨキネー。
アイツケッコウイウジャン。
周りの学生たちが、キムの言葉に騒然・興奮し始めた。
その興奮は、熱気へと変わり、熱気はキムと大石が、どのような喧嘩をしてくれるのかという期待へと変わっていったのであった。




