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チョーコー!朝鮮高校喧嘩列伝改  作者: 姜公紀


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東京チョーコーサッカー部・ソク・ソンミン part11

11月初旬 21時ごろ 十条周辺の喫茶店「ジュリアン」


「そうか、日本代表になる決意は変わらないか」

「イェ(はい)」


ソク・ソンミンは、十条にあるチョーコー生が放課後によく立ち寄るなじみの喫茶店「ジュリアン」で、恩師である、キム・ミョンフンに、近況報告の雑談を兼ねた相談を行っていた。

ソンミンは、富士丸サッカークラブの練習後に十条までやってきていた。


ズズッ。


キム・ミョンフンは、テーブルの上に置かれたコーヒーを一口飲んだ。


「プモニム(ご両親)は、なんと?」

「反対されました」

「まぁ、それもそうか」


カチャ。


キム・ミョンフンは、会話しながら、右手で持っていたコーヒーカップを、テーブルに置いた。


「日本人になるなんて、日本人が在日に今まで一体何をしたか分かってるのか・・・・・・と」

「ソンミンのプモニム(ご両親)は、ウリハッキョ(朝鮮学校)出身で、一番朝鮮学校への差別が激しかった時を経験してるからね」

「それも言ってました。あと、日本の首相や天皇が、朝鮮人に、過去の侵略について一度でも謝罪したか?とも」

「ふむ・・・・・・」

「2000年前以上の新羅から現代まで数えれば、日本による朝鮮侵略の回数は、約714回。俺は、日本人をとても信用できない、と。アボジ(父)は、酒が入ってたのもありますが、興奮して言ってました」


話の途中だが、ソク・ソンミンが、アボジ(父)との会話の中で、日本による朝鮮侵略の回数が出たので、過去、約2000年前から数えて、日本による、朝鮮侵略の具体的回数の内訳も、読者への豆知識として載せておく。

新羅時代(三国史記)20回。

高麗時代(高麗史)515回。

朝鮮時代(実録)178回。

日帝侵略1回。

合計侵略回数、714回。

朝鮮(韓国)人が、過去の歴史(特に日本との)についてしっかり学ぶのも、日本という国が朝鮮(韓国)人たちにとって、非常に信用ならない危ない相手というのを、数千年の歴史で身に染みて分かっているからかもしれない。

話を2人の会話に戻す。


「その時、ソンミン、お前は何て返したんだ?」

「俺は・・・・・・」


ズズッ。


ソンミンは、ガラスノコップに入ったオレンジジュースに飲み始めた。

オレンジジュースは、スポーツ選手の身体にいいので、ソンミンも、飲み物を注文する時は、オレンジジュースを毎回頼んでいる。


コトッ。


ソンミンが、オレンジジュースのコップをテーブルに置いた。


「俺は、それでも日本代表になる。と、言いました」

「アボジ(父親)は、激怒したんじゃないか?」

「ハハ、確かに怒ってました。オモニ(母親)が、あんた飲み過ぎよって怒ってましたけど」

「ソンミンのオモニ(母親)は、気が強い人で有名だからなぁ」

「まぁ、たしかに」

「それで、家族会議は、その後どうなったんだ?」

「俺は、その後続けて・・・・・・」




数日前 多摩市 ソク・ソンミンの実家 夜


「お前は、祖国朝鮮の代表になる夢があったんじゃないのか?」


酒と興奮で顔が赤いソンミンのアボジ(父親)が、ソンミンに問いかけた。


「もちろん、それも俺も夢だ。だけど・・・・・・」

「だけどなんだ?」

「日本で活躍して朝鮮代表に運良くなれて、そこで活躍したとしても、日本の新聞やテレビは、俺の事など1ミリも報道する事はない。それでは意味がないんだ」

「意味がない?祖国に貢献する事は、立派な事じゃないか。それとも、お前はただメディアに出て有名になりたいだけか?」

「そういう意味じゃない。日本代表で、俺が朝鮮名で活躍すれば、日本のテレビや新聞は、サッカーの試合結果と共に俺の朝鮮名を必ず報道する。今、隠れるように日本で暮らしている多くの在日に、俺は、サッカーを通じて夢や勇気を与えたいんだ。朝鮮人でも、日本でこれだけできるんだぞって所を、在日と日本人に見せたいんだ」

「うぅむ・・・・・・」


ソンミンの目線が自分が思っていたよりも高い位置を見ていた事に、ソンミンのアボジ(父親)は、驚きと同時に、ぐうの音も出ず、ただうなるだけであった。




十条周辺の喫茶店「ジュリアン」


「私に電話で言った時を思い出すよ。それで、アボジ(父親)は?」

「なんか、感動したのか、目うるませて納得してくれました」

「そうか。それはよかった」

「その後、元チームメイトにも電話で話しましたけど、概ね納得してくれました。お前が決めたんだろ、なら信じて進めよって」

「いい仲間たちじゃないか。大切にしなさい」

「イェ(はい)」


その後、数十分、恩師であるキム・ミョンフン監督と他愛のない会話をしたソンミンは、喫茶店を退出。

2人は、十条駅でそれぞれの帰路に着くため別れたのであった。




11月後半。富士丸サッカークラブの窓口となっている体育会事務局にで日本サッカー協会から電話が入った。

内容は、ソク・ソンミンの日本代表に関する連絡であった。

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