【歌詞】春風プレイン
桜の匂い教室いっぱいに広がる放課後 大きく吸い込んでため息ひとつ
隣で見てた君は少し笑って 折り紙を取り出した
「また折るの?好きだね、紙飛行機」
呆れて聞くと大きく頷いて君はね
「誰かに届きそうな気がするからね」と
幾つか折りあがった色とりどりの紙飛行機を
君はいつも一つはこの窓から飛ばすんだ
「片づけるの僕なんだからやめてよ」って拗ねてみたらさ
照れながら「ごめんね」って言うんだから …ずるいよ
紙飛行機 飛ばした
今日はあの丘の向こうまで飛んでいけるかな
紙飛行機 飛ばした
君が無邪気に笑う そんな時間が続きますように
いつからか日課になっていた 誰もいなくなった二人きりの教室で
約束もしないのに待ち合わせては 君の好きな紙飛行機を折っていた
君の白い指先が折り曲げる 秘密の裏技のその折り方を
昔僕が教えてあげたのに 今じゃ随分君の方が上手くて
そうやってやがて変わってゆくことは仕方ないかもしれないけど
せめて君だけは 変わらないでいてほしいんだ
紙飛行機 飛ばそう
君の”いっせのーせ”で 空へ手放した
紙飛行機 飛ばそう
春風に乗せて 遠くまでどうか落ちないで
ふいに君が僕の名前を呼んで 何かを呟いて微笑んだ
突然に吹き込んだ春風が 邪魔して聞こえなかったけど
その大きな瞳に涙が
滲んで(滲んで…) 揺れて(揺れて…)いたのは
『サヨナラ』じゃないと思いたいよ
紙飛行機 飛ばすよ
春風に煽られて 揺らぐようなちっぽけな言葉かもしれないけど
紙飛行機 飛ばすよ
その笑顔の そばにいたいから 君が笑ってくれるのなら
紙飛行機 飛ばそう
あの赤い三角屋根の君の家まで届きますように
紙飛行機 飛ばそう
この声が 想いが 君までまっすぐ…まっすぐ…
……無事に飛びますように
春風よ ねぇ桜の木から奪い取ったその花びらをさ
君の黒髪に上手に乗せて それを理由に触れられたら…
紙飛行機よ ねぇ僕の想い君に頼んだよ
教室の窓から幾つもの紙飛行機を放った。
このうちのひとつでいい。
――…そのひとつが、君へ無事届きますように…。




