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*詩集*  作者: れむ
114/125

【詩】林檎の絵描きさん

葉が散るなか   今日も一つの実が落ちる

真っ赤な 熱を帯びた果実…


この木に 生を受けてもうどのくらいでしょうか

私はまだ みんなのように赤く染まることができません

その色は私の好きなパステルや水彩では染められるものではないようです

不思議な 恋 という魔法にかけられて染まるようです


運命の人  まだですか?

あとどのくらいで出逢えるのでしょうか?

姿も 声も ぬくもりも 曖昧な貴方を思い描いてもう 何枚目でしょう


この木から  去ってゆく人はみんな

林檎のような  色を頬に乗せて お揃いの人とどこかへ行きました


この果実は 甘いと聞いておりましたが

私の味覚は まだ何の味も感じていないようです


運命の人  まだこの手を触れ合わせる日は遠いのですか?

あと どのくらいの距離があるのでしょう

あと どのくらいで文を交わせるでしょう

貴方を想い描いた紙を折って この空の彼方へ

どうか、貴方が私を見つけてくださる印となってください




          私  ずっと、待っております

熟れいては赤づいていく林檎を横目に

私はまだ一人、ただ絵を描き続けています。


まだ色づかない心の代わりに

キャンパスに色を乗せて……

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