表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/27

08.ユナとの買い物(4夜目①)

目を開けると、すぐ目の前にユナの顔があった。


昨日のことを思い出す。


Sランクを目指すって言ったこと。


あれは勢いじゃない。

ちゃんと、自分で決めたことだ。


「……あ、またボーっとしてる!」


頬をぷくっと膨らませて、ユナが顔を覗き込んでくる。


「聞いてる?さっきから全然反応ないんだけど」


「悪い悪い、ちょっと考え事してた」


「もー……」


呆れたようにため息をついたあと、ユナはくるりと振り返る。


「あの人とかどうかな?」


指差した先には、いかにも屈強そうな戦士がいた。

分厚い鎧に、大剣。雰囲気からして場数が違う。


「パーティメンバーにさ、強そうじゃない?」


どうやら、ユナとは昨日話した新しいパーティメンバーを探しにギルドに来ていたようだ。


「いや、無理だろ」


即答する。


「あれ明らかに俺たちとレベル違うぞ」


少し声を潜めながら続ける。


「それと……指差すのやめろ。絡まれると面倒だ」


「えー、いいと思ったのに」


少し不満そうに口を尖らせる。


「こういうのはな」


腕を組みながら周囲を見渡す。


「同じくらいの実力のやつと組むのが一番いいんだよ」


「最初から強いやつと組むより、同じところから一緒に上がった方が長く続く」


「……あー、なるほど」


ゲームの知識だったけれど、ユナは納得したように何度も頷いてくれた。


「それいいね!一緒に強くなるって感じ!」


「だろ?」


少しだけ誇らしくなる。



ギルドの中を一通り見て回る。


だが――


「……いないね」


ユナがぽつりと呟く。


「それっぽい人」


確かに、今いるのは中級以上の冒険者ばかりだ。


依頼書の前に立っている連中も、どこか慣れている雰囲気がある。


「この時間なら外だろ」


「薬草採取とか、簡単な依頼受けてるんじゃないか?」


「あ、そっか」


ユナは納得したように頷く。


「じゃあ夕方にまた来るか」


「うん――」


一瞬の間。


そして次の瞬間。


「それまでお買い物しよ!」


「……は?」


返事を聞く前に、ユナは俺の手を掴んで引っ張る。


「ちょ、おい待てって!」


抵抗する間もなく、そのままギルドの外へ連れ出された。



連れてこられたのは――武器屋だった。


しかも、見るからに高級そうな店だ。


「……ここ、上級者向けじゃないか?」


店の外観を見て、思わず言う。


「こんな武器買う金なんてないぞ」


「わかってるよ!」


ユナは振り返って笑う。


「今日は見るだけ!」


そのまま楽しそうに店の奥へと入っていく。


「……ほんとかよ」


ため息をつきながらも、後を追う。



店の中は、まるで別世界だった。


壁に並ぶ剣、槍、斧。

どれも一目で“いいもの”だと分かる。


「うわぁ……」


ユナが小さく声を漏らす。


「かっこいい……」


その視線の先にあったのは、一振りの剣。


他の武器とは明らかに違う存在感。


値札もない。


「それ、Sランク冒険者が使ってたやつらしいぞ」


台座に書かれている説明を読む。


「展示用だな」


「Sランク……」


ユナが小さく呟く。


その目は、完全に憧れの色だった。


「いつかさ」


剣を見つめたまま、ぽつりと言う。


「こんなの使って戦えたら、かっこいいよね」


「……ああ」


少しだけ笑う。


「そのうちな」


「ほんと?」


振り向いたユナが、少しだけ嬉しそうに笑う。


「ほんとに目指してくれるんだなーって思って」


「言っただろ」


少し照れながら視線を逸らす。


「歴史上一番になるって」


「ふふっ」


ユナが笑う。


その笑い方はやけに柔らかかった。



武器屋を出たあと、俺たちは露店を回る。


食べ物、装飾品、小物――

どれも安いが、どこか温かみがある。


「これ可愛い!」


「こっちもいいなー」


ユナは店を回るたびに目を輝かせる。


買うわけでもないのに、本当に楽しそうだ。


(ルナも連れてくればよかったな)


従魔であってもスライムのルナを街中で連れ歩くのは危険があるかもしれない。


そう思いルナには宿屋でお留守番をしてもらっている。


きっとルナも初めて見るものにあんなふうに目をキラキラさせるんだろうな。



「そろそろ時間だね」


しばらく歩いたあと、ユナが言う。


「ギルド戻ろっか」


「……ああ」


頷く。


だがユナの足は止まっていた。


視線の先には、小さな露店。


手作りのアクセサリーが並んでいる。


その中の――ブレスレット。


「……欲しいのか?」


何気なく聞く。


「え、いや……」


少し慌てて視線を逸らす。


「別に……」


分かりやすい。


値段を見る。


……思ったより安い。


(これくらいなら)


財布の中身を思い浮かべる。


昨日の報酬。

まだ少し余裕はある。


「これか?」


そう言いながら、ブレスレットを手に取る。


「えっ」


ユナが驚いた顔をする。


「買ってくれるの?」


「まあな」


軽く答える。


「昨日の報酬、まだ残ってるし」


店主に金を渡す。


ブレスレットは手作りらしく、少し歪だが――

その分、どこか温かい。


「ほら」


ユナに渡す。


一瞬の沈黙。


そして――


「……ありがとう」


そう言いユナは満面の笑みを浮かべる。


「ミナト、大事にするね」


「……ああ」


見つめられ俺は照れ隠しで少しだけ視線を逸らしたまま返事をする。


金はまた稼げばいい。


この笑顔を見れたのなら十分だと思おう。




銅貨100枚 → 銀貨1枚

銀貨100枚 → 金貨1枚


•銅貨1枚 = 約100円

•銀貨1枚 = 約10,000円

•金貨1枚 = 約1,000,000円



・宿代(1泊) → 銅貨20〜

・食事 → 銅貨5〜

・安い装備 → 銀貨1〜

・普通の武器 → 銀貨5〜

・上級装備 → 金貨1〜

・ユナのブレスレット→銅貨20枚程


■報酬イメージ(使いやすい)

・薬草採取 → 銅貨30枚〜

・ゴブリン討伐 → 銅貨50枚〜

・Eランク依頼 → 銀貨1枚〜


所持金

ミナト 銀貨4枚.銅貨50枚

ユナ  銅貨30枚


パーティ資金はミナトが全部管理。

ユナの食事代や宿代もここから。

2人の1日の出費は銅貨80枚ぐらいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ