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あの日満開の桜の下で 〜目が見えにくい彼との物語〜  作者: 綾瀬 桜


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迫り来る時 その3

 来月の、いつなんだろう。そのことばかりを考えて。考える度に、胸が引き裂かれるように苦しくなって。考える代わりに、空を見上げて星を数えるようになった。

 一日でも長く、彼といられますように。

 そうお願いしたくて、流れ星を探してしまう自分が、どうしようもなく嫌になった。いつかは、訪れてしまうのだから。

 彼から連絡が来ると、ウキウキするよりも先に、激しすぎる鼓動を抑えることに力を使い果たしていた。そして、その時ではなかったことに、胸を撫で下ろす。そんな日々が続いていた、その夜。

 どこからか迷い込んできた野良猫みたいに。その知らせは突然、私の元へ舞い込んできた。


 今週の週末、君と初めて出会ったあの場所に行こう。


 続く文字を、目で追えなくなって、一度携帯を閉じる。大きく深呼吸をすると、反動で涙がこぼれ落ちる。それでも……


 来週の火曜日、出発するから。何時になっても構わない。君の顔を見てから出発したいんだ。どうか、僕のわがままな願いを叶えてほしい。


 ちゃんと、受け止めたい。彼の言葉を、気持ちを。いつも泣いてばかりの私だけれど、最後くらい。彼が見たいと言っていた笑顔で。……だから。その為に、今。

 思いっきり、泣いておこう。声が枯れてしまうまで。

 夜空の星たちが静かに見守る中。時間も、外を歩く人の気配も気にせずに、わんわんと大声で泣き続けた。

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