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「お手数を、おかけするわね」
「とんでもない。あなた様を無事に送り届けることが私の任務です。
この先の村で、しばらく休養してから、出発いたしましょう」
空気が、変わった。
森の先にあるという開拓村に使いを走らせ、帝国側にも使いを走らせ、護衛の人数を減らした箱馬車は街道をそれて、国境を越え、ダーラムシアに入った。
かろうじて馬車が通れる森の中の道。
座席の詰め物を増やし、振動を避けて、ごくゆっくりと、森に乗り入れた途端。
「ねこしゃん?」
俺はぶるぶるっと身震いした。
ゆったりとした、魔力の流れ。
まだここでは薄いけれど、大気に溶け込んだ魔素の量は、ローランディアとは格段の差。
魔法を使う国、ダーラムシアの領内に、馬車は入っていく。




