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王都郊外の王立牧場で、十六頭と一頭の羊が囲いに入れられ、閂がかけられる。
よーし、ミッションクリアー!
え、ごめんねー、俺は羊じゃないからー。
めぇめぇ鳴いて呼びかける雌羊たちとはここでお別れ。
片角の雄羊と仲直りしろよー。
「お疲れさまー」
ジャニーンと姫さんはハイタッチ。
牧場の責任者と事務所で引継ぎしてたヨルカがやってくる。
「よし、戻るぞジャニーン、荷馬車に乗れ」
相変わらず上から目線だなぁ。
「私はマリアンと王都まで行くのよ。
マリアンは冒険者ギルドに、依頼達成の報告をしなきゃ」
「何っ、そんな話は聞いていないぞ!」
「羊は無事に届けたんだから、この先は別行動でいいんでしょう?
子供じゃないんだから、報告が終わったら乗合馬車で一人で帰るわ」
さあ行きましょう、とマリアンの腕を取る。
「一日くらい、王都見物をしましょうよ、ねぇマリアン」
びっくりしているマリアンに、小声でささやく。
「あいつと一緒に帰るなんて、とんでもないわ」
既成事実なんかなくても、男性と二人旅(まあ、小僧もいるけど)をしただけで、嫁に行けとかなんとか、うるさい土地らしい。
もともとそれを狙って送り出されたんだろうが、マリアンと話しているうちに、ジャニーンはなんか吹っ切れたように、自信を持って行動し始めた。
あっけにとられて間抜け面をしているヨルカと小僧を置いて、荷物片手にさっさと歩きだす。
「すごく大きい都会だから、びっくりするわよ、マリアン」




