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最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子


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 まったく、何なのよ、この子。


 まだ十二歳だっていうのに、しっかりヨルカと口論できて、言い負かせるだなんて。


 読み書きも出来て、言葉も丁寧、動作もきれい。

 それでもって、生活魔法まで使える、冒険者だって。

 粗野で汚くて無教養なのが冒険者でしょ!


 これじゃ制服を着て杖を持たせたら、魔法学院の生徒だって言ったって、信じるわ。


 あの・・・ごほっ・・・



「あのヨルカって人と仲が悪いの?」

 マリアンの心配そうな声に、ジャニーンははっと我に返った。


「ふん、あいつ、あわよくばこの旅で私をものにしようと狙ってるのよ」


「えっ?」


「ノール牧場のじいちゃんの跡継ぎは私と弟だけでね。

 弟は体が弱いから、私と既成事実をつくっちまえば、堂々と婿入りして牧場を手に入れられるわけ。

 じいちゃんもそのつもりで、私を同行させたんだわ」


 狭いテントに女の子二人。

 ほんとは寝なきゃならないんだけど、ぽつぽつと話を始めたら、愚痴が止まらなくなっちゃったみたい。


「だからさっきは助かったわ。

 平地に出てしまえば人目があるから、危ないのは野宿するこの三日間だと思ってた。

 夜這いなんかかけに来たら、蹴っ飛ばしてやっていいからね」


「そんなこと思ってる奴は、『ねこさん』の前を通れないわ」


 マリアンはテント外に陣取ってる大きな影に向かってほほ笑む。


「ほんとに凄い相棒ねぇ。ヨルカが繋いでおきたかったわけだわ」


 羊たちにも大もてだし。

 と、ジャニーンは笑う。


 笑うとかわいい子だなー、とマリアンもにっこり。

 王都と魔法の話をしなければ、大丈夫か。


「無理やり結婚しようとしてるの?

 あなたの気持ちは無視なの?ひどいじゃない」


 ジャニーンはほっと溜息をつく。


「この土地は古臭いのよ、何もかも男衆が決めるの。

 こんなとこに縛られるのが嫌だから、王都で成功しようと思ったけど、うまくいかなくてね。

 弟を置いて逃げ出すわけにもいかないし、結局逆戻りよ」


 

 

 


 

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