第9話
そこには、輝く大樹木であった。
すると、大樹木が急成長してしまい、一瞬にコテージが出来てしまった。
桜花も驚いた。
「なっ、何かしら。」
角之助も今のような光景を目の当たりにした。
「こっ、これはっ・・・」
土藁氏もこの様なことがあったらと思うと。
(まさか、太陽のおかげかもしれない。)
また、土の属性の役割になりうるかもと思っていた。
目の前には、長老用のお屋敷もあった。
出入口に長老が現われた。
「ようこそ、木の属性世界へ。」
ナノハナ丸が現われた。
「拙者が木の属性世界を収める、ナノハナ丸だ。」
桜花達が初めての光景を見て、気になることがあったようだ。
桜花は、勇気を振り絞って、質問をした。
「あの、木の属性世界は、湖の様に囲まれているのですか。」
ナノハナ丸も良い質問だと思っていた。
「良い質問だ。」
ひと呼吸して答えた。
「木の属性世界で大陸があって、土と湧き出す命の水があったからじゃ。」
桜花も納得出来たようだ。
「それでは、太陽の光の力があっても、成長できるのでしょうか?」
ナノハナ丸の長老も悩んでいた。
「それは、叶わなかったのだよ。」
原因を考えた桜花は、長老の様子を伺っていた。
「私は、予想が出来ます。今の属性世界で人員不足の原因かしら。」
「ああ、そうじゃ。人権費用も賄いきれなかったんじゃ。」
採算不足で動かすことが出来なかった。
桜花も気づいたことがあった。
「ナノハナ丸様も8代属性の会談に参加されたのではありませんか。」
「なっ、なんだって。」
「私の故郷の王様の話を聞きました。」
「うっ・・・」
「ナノハナ丸様もこのままでいいのですか。」
ナノハナ丸も桜花の指摘が心に響いた。
「でしたら、ナノハナ丸も目を覚まされてはいかがではございませんか。」
ナノハナ丸も考えた。
「光の属性世界は、空高くいらっしゃたのでしょうか。」
桜花も戸惑った。
でも、本当の答えを答えた。
「いえ、空高くいた訳ではありません。光の属性の人間である事です。」
「なら、君は、光の属性の人間だったのですね。」
「当たり前です。ただ、属性世界の人間がいます。」
ナノハナ丸も周りを見た。
角之助の身体と土藁氏の身体を見ていた。
「本当だ。なぜ、火の属性の人間がいるのですか。」
角之助も答える。
「俺は、木の属性世界の観光に来たのかもしれない。しかし、桜花も心配だ。」
ナノハナ丸も納得したようだ。
「そうか。それは失礼した。」
その間が空いた。
「今の世界で、何かが起きようとしているからだ。」
ナノハナ丸も8代属性の会談のことを思い出し、今の世界が陥っていることを抱いていた。
「だとすれば、今の世界が滅ぶことになれば、拙者も終われるわけにはいかなかった。」
「その通りですよ。」
「ああ、あんたのやる気が無ければ、世界が救われなかったのだと思う。」
桜花と角之助の言っていることが最もだ。
アジサイ丸も言いたいことがあったようだ。
「旅人の言っていることもそうだ。」
長老の前に立ち向かった。
「拙者も仲間たちのおかげで、たくさんの世界を知りました。」
ナノハナ丸も響いた。
「しかし、拙者の故郷も心配であった。」
アジサイ丸も木の属性世界で成長をすればいいのではと思っていた。
「木の属性世界の木材を売却すれば、木の属性世界も立ち直れるのかもしれないのでは・・・」
ナノハナ丸も考えた。
「そのことは、検討中だ。ただ、暗闇の組織が動いていてもおかしくなかったんだ。」
桜花の仲間達は、暗黒の組織の名前を聞いた。
また、それを聞いた仲間達も驚いた。
「その組織のせいで、動けなかったのですか。」
ナノハナ丸も頷いた。
「ああ。拒めば、痛い目に遭うかもしれないと思うと怖かったんだ。」
それを聞いた桜花は、胸が痛んだ。
「それは、辛い思いをしたのですね。」
角之助も許せないと思っていた。
「ただ、勇気を出せば良かったのではないか。」
角之助も会話に同調出来る様に合わせた。
「俺の立場も間違っていることも分かっております。」
角之助が言っても難しいと納得したからだ。
ナノハナ丸も全ての世界が危険にさらされるのかと思った。
8代属性の会談でどうしたらよいのかもわからなかったからだ。
角之助の言っていることも合っているようだ。
しかし、今の世界でどのようにバランスを取っているのか。
桜花のいる属性世界で木の属性世界で薪を提供できるのかもしれなかった。
また、家を建てるための木材と海を渡る木材も必要のようだ。
桜花もナノハナ丸に言いたいことがあったようだ。
「あの、長老さま。木の属性世界で木製の資材を他の世界に売り渡すか、この世界で木製の船を製造す
ることをお勧めいたします。」
ナノハナ丸も悩んでいた。
「ああ、なんたることか・・・。」
ナノハナ丸も木製で製造できる人員がいなかったからだ。
「それで、どのように木造の船を製造することが出来たのですか。」
「はい、土の属性世界の人物と水の属性世界の人物に協力を依頼した。」
その為、なす術がなかった。
「拙者の世界で木製の資材を売りに出さねばならなかったのだ。」
ナノハナ丸も世界の為に悩んでいた。
すると、ナノハナ丸も秘密の秘宝を使わねばならなくなるのだろうと思った。
「逆に最後の秘宝を使う時が来るのだろうと思ったからだ。」
桜花もナノハナ丸の言っていることは、最もだ。
「私も、全ての魔鉱石を集めて、世界を救いたいんです。」
ナノハナ丸も驚いていた。
「それは、本当でしょうか。」
「はい、集めてみないと何かが起きるのかもしれないです。」
ナノハナ丸にも話していいのだろうか。
全ての魔鉱石を集めて、世界を救うことが出来るのか。
桜花は、それでも、世界を救う方法があったようだ。
「私は、思ったことがありました。木の属性世界で原点である、種に根源が違うと思います。」
長老は、何かを感じた。
「その為には、海に落とす種と、地上に落とす種もございます。」
何も言えなかった。
桜花も思い出したことがあった。
「今の世界で、違う属性の人類の出入りを許可されたはず。」
長老も他の属性を持つ人類の侵入を許してもいいのかと思っていた。
「だが、今の世界で人件費がかかってしまうのじゃ。」
先程の提案で、薪を売ったら、小遣い程度になるし、種を耐えられる属性世界に提供していてもおかし
くなかったのだろう。
ただ、長老の役割を増やしていても良かったのでは・・・
さらに、全ての世界に交渉しても良いのだろう。
桜花もこのままでは、世界が終わってしまうと思ったからだ。
「ナノハナ丸様もしっかりしてください。今の世界で邪悪な闇に飲み込まれてもいいのですか。」
ナノハナ丸もよくは無いと思い始めた。
「拙者も全ての世界をなんとかしたかった。」
桜花と仲間の一同も様子を見た。
「拙者もみんなに協力を求めたかったのだが、賃金のことで不安があったんだ。」
「それでも、私は、諦めないわ。」
何としてでも、ナノハナ丸には、資材を生産させることを優先に考えなければならなかったからだ。
「私達には、全ての魔鉱石が必要なんです。」
ナノハナ丸も少々、驚いていた。
「お前は、魔鉱石が必要だと言ったようだな。」
「はい。」
考えたナノハナ丸は、話を変えた。
「ならば、拙者が守り抜いた秘宝を言わなければならないのであろう。」
ナノハナ丸の書斎から、秘宝の巻物を取り出した。
「こいつは、伝説と言われている、守護竜を呼ぶための石板だ。」
桜花の仲間達も驚いた。
そう、魔鉱石の原石はどこに行ったのか。
仲間も思ったことがあった。
魔鉱石の同じ属性に触れたら、どうなるのだろうか。
ナノハナ丸も全属性世界で知れ渡っていると判断した。
「其方が桜花殿か。」
「はい。」
「拙者もこの世界で混乱の危機に陥っていると会談で聞いておる。」
角之助もアグラスが会談に参加していることを覚えている。
「まぁ、そうだな。桜花の話を聞いて、今の世界も危うくなるだろうと思う。だが、俺もこの世界で終
わりを告げられたくないからな。」
「うん。オラもみんなの命がかかっているからだ。」
アジサイ丸もナノハナ丸にお願いした。
「お願いします。今の世界で滅ぶ前に戦います。」
「うむ。アジサイ丸の言葉を預けよう。」
ようやく話が終わり、桜花達は、シーホープ号の港に向かった。