第57話
雷の属性世界の様子では・・・。
クシナの取りついていた邪悪な魔力もなく、元気な姿に戻っていた。
鈴谷も雷の属性世界を背負っていることを自覚し、防犯を強化することを決断した。
「すまなかったな。クシナ。俺が油断したせいで、こんなことに。」
「いえ。いいのよ。みんなも苦しい生活も和らいだから。それに護衛を付けたいんだ。」
「それはつまり。」
「ええ。入りなさい、エルナ。」
扉が開いて、エルナの姿が現われた。
「お呼びに参りました。」
クシナの元にひれ伏した。
「頭を上げなさい。」
エルナは、頭を上げた。
「お話とは、なんでしょうか。」
「あなたは、私の元で護衛に入りなさい。」
「それは、うれしい限りでありますが・・・。」
鈴谷の命令で、雷の属性世界の管理を任されている。
「そのことなんだが、クシナの護衛に切り替えますので。」
鈴谷も考えていた。
「俺の不注意で、クシナをひどい目に遭わされていたんだ。だから、雷の城の管理とクシナの護衛に変更とする。」
「はっ、ははっ!」
エルナも頭を下げた。
「城下町は、巡回に出回っている兵士に任せて、働き方を徹底的に支援しているつもりだ。だからこそ、俺もしっかりと努めて解決する。」
鈴谷の決断も本物のようだ。
だったら、最初からそうすれば良かったのに。
Dr.ガイは、隠れになりやすい影に潜んで、闇の属性世界の闇の源を吸い出している。
だが、小声とコソコソする為の作業だ。
「気づかれない様にエネルギーを抜き取るんじゃ・・・。」
(((ガイガイッサーッ!)))
サイボーグ達も声を出さずに、合図で敬礼した。
完全に満タンになることがなく、闇の源を吸い取られていることに気づかれたら、どうしようもない。
Dr.ガイも対策を怠っているわけではなく、船を隠すためにガイ自身の魔力を補い、闇の魔力を利用して、船全体を覆い隠している。
闇の属性世界の兵士、または、飛行の巡回役に見つかるかは時間の問題だ。
飛行の巡回役、血土瀬は、時間通りに闇の属性世界全ての問題がないか、巡回していた。
「異常は、無いな。このまま、戻るとするか。」
第一領域に戻っていった。
第二領域の長、リンドウ・フールは、墓場周りの散策に回っていた。
リンドウも思っていた。
(先祖、代々、命にある限りに・・・。)
しかし、地中に違和感を感じた。
(・・・っ、何かしら!!)
闇の源の魔力が、吸い取られていることに気づいた。
リンドウも小屋に戻り、色付きの発煙筒の赤を取り出した。
外に出て、空中に向けて、発射した。
一直線に上がって、広がった。
血土瀬は、途中で赤い発煙筒に気づいて、緊急事態と判断した。
「なんだっ!長に報告しなければっ!!!」
第一領域に到着し、緊急の合図を長のブラッドに報告した。
「ブラッド様っ!!緊急事態です。」
「なぬっ!」
窓を開けて、赤い発煙が上がっていた。
「なぬっ!同じところから赤い発煙筒が、発射された。」
これは、まさしく緊急事態が倍になっている。
第一領域の長も大げさな発煙筒を発射しなければ、ならなかった。
つまり、赤い発煙筒に続いて、細かい火薬を発射したのだ。
闇の城に届くまでの威力があるようだ。
ハデス4世、異変に気付いて、窓の外を眺めた。
「なんだこれは・・・。」
もしかして、闇の属性世界で異変が起きていた。
(吾輩は、このままだと動けない。)
王の椅子の手すりには、小型の鐘を取り出し、鳴らした。
“カラン、カラン・・・。”
扉が開いて、闇の兵士が到着した。
「お呼びでしょうか。ハデス4世様。」
「うむ。第一領主のとこから、緊急の発煙筒が出て来た。其方達には、何が起きているか、調査に入りたまえ。」
「「「ははっ!」」」
兵士達も調査に入った。
ハデス4世もナルコギャルは、何をやっているのだか。
「おい、秘書官っ!ナルコギャルは、一体どこで油を売っているんだ。」
「ナルコギャル様なら、入浴中ですよ。」
「わかった。王室に来るように頼むぞっ!」
「ははっ!」
そう言われ、大浴場に様子を伺いに来た。
「ナルコギャル様の様子は、どうなっているんだ。」
女性監視員は、細かく説明した。
「はい。お嬢様もごゆっくりと入浴しております。」
「そうか。浴場内に巡回を行いたまえ。ただし、お前も行くんだ。」
「はっ!」
女性監視員も男女の更衣室と浴場内も様子を見に行った。
ナルコギャルもすでに更衣室で着替えていた。
すぐに戻り、秘書官に報告した。
「ナルコギャル様もご無事です。」
「そうか。出てくるまで、待機する。」
「そのことなんですが、何か購入をお願いします。」
「わかった。牛乳をくれ。」
「畏まりました。」
女性監視員は、購買部に戻り、牛乳を取り出した。
「ありがとうございます。」
秘書官も牛乳瓶を開けて、飲みだした。
「これは・・・。うまいな。」
休みの日には、この様な大浴場に入ろうと決意したのだ。
そうすれば、いいのでは・・・。
女性監視員が、更衣室から出る瞬間を合図した。
購買部で待ち伏せていた秘書官は、声を掛けた。
「ナルコギャル様。ハデス4世様が闇の城にお戻りくださいと言われております。」
「ふ~ん。わかったわ。」
「では、迎えの車にお乗りください。」
車に乗り、闇の城に向かった。
到着し、王室に連れてかれた。
「失礼します。お連れ様をお連れしました。」
「うむ、入れっ!」
扉を開けて、ハデス4世の前にひれ伏した。
「良い。頭を上げておくれ。」
ハデス4世の指示で頭を上げた。
「吾輩が、其方を呼んだ理由は、闇の源が吸い取られているんだ。其方の力が必要なんだ。」
「ふ~ん。なるほどね。だからこそ、闇の属性世界を救って欲しいってことね。」
ハデス4世は、闇の属性世界の維持がいつまで持つのかが不安でしかなかった。
「すまないが、引き受けてくれぬか。闇の属性世界がどうなってもいいのかっ!?」
「それもそうね。いいわ。引き受けるわ。」
了承し、闇の属性世界の調査に入っていた。
闇の城から出て、ナルコギャルからナルコネスに変わった。
「さて、行こうか。ブラッド。」
「そうだな。ハデス4世が支給された真実の闇眼鏡で魔力の行方も分かるわけだ。」
「うむ。早速行くわよ。」
二手に分かれて、ナルコネスが独断で探し始めた。
ブラッドの仲間達は、方向に従って、調査した。
眼鏡を利用し、闇の魔力の行方を追って、追跡した。
ナルコネスが、魔力の流れを追って、海の見える崖に到着した。
違和感を感じた。
「これは・・・。」
眼鏡を利用することで、大型の船が浮かび上がっていた。
しかし、ナルコネスが独断で戦うことが危険と判断し、見つからない様に離れた。
闇の霧に隠れて、発煙銃を取り出し、真上に掲げて、発射した。
ブラッドも赤い煙に気づいて、同じように発射した。
つまり、闇の城に知らせることだ。
ハデス4世は、窓の外を確認して、赤色の煙に気づいた。
ハデス4世が、兵士に指示を出した。
「諸君。庭園で赤い発煙銃を放ちたまえっ!」
「「「ははっ!」」」
闇の城にいる兵士を使い、城の庭園に赤い発煙銃を放った。
ナルコネスは、闇の城に赤い煙に気づいた。
(まさか、今すぐに戻れと・・・?)
ナルコネスも放ったことで、仲間達にも伝わったようだ。
しかし、敵の相手では、この状況に気づくかが、わからなかったのだ。
Dr.ガイは、赤い煙に気づいて、何かの祭りと思っていた。
(ふむ、ワシらの行動に気づかれてもおかしくないかもだ。)
Dr.ガイは、船の一員に急いで、エネルギーを一杯になるように急がせた。
「お前ら、奴らが見つかる前にエネルギーを急がせろっ!」
「「「ガイガイッサーっ!!!」」」
Dr.タニック号の船は、急速に闇の魔力を奪い、船のタンクが満タンになるまで、いっぺんに吸い取っ
た。
(このままでは、見つかってしまうな。)
だが、空の様子がおかしくなってきた。
(むっ、空の様子がおかしくなってきたな。)
漆黒の魔王の幻影が現われた。
その状態で飛び回ってきた。
恐怖を与えさせることで、邪悪な心を吸収しやすくするのであろう。
闇の市民がその姿を見てしまっていたことで、恐怖を感じてしまった。
返って、闇の城では、威圧感的な闇の魔力が放っていたからだ。
闇の市民もまさかと感じた。
「これは、王様の力なのでは・・・。」
「間違いない・・・。」
そう、闇の力を信じて、漆黒の魔力に負けない気持ちで、保っているのだ。
まさに、ハデス4世の見習いの竜の幻影を映し出されている。
くじけずに張り合っている。
漆黒の魔王の姿も薄れており、消え去った。
ハデス4世は、決断した。
「吾輩が、出らねばならないかっ!!?」
王の席から立ち上がり、王室から出ようとした。
しかし、秘書官から止められたのだ。
「お待ちください、王様。ここを離れてしまったら、思うつぼのままです。」
「くっ!!」
ハデス4世、悔やみきれぬほど、待機せねばならなかった。
迎えの役目を終わらせてことで、闇の王を監視に戻らねばならなかったようだ。
「ここは、吾輩が漆黒の魔王を追っ払うことが出来たなら、良しとするか。」
つまり、相手の目的が判明しなかった。
ハデス4世、二方の目的が割れているのではないかと思っていた。
(一体、どのような目的なのだろうか。)
いきなりの扉が開いて、ナルコネスが飛び出してきた。
「ハデス様。また、Dr.ガイが、源を吸い取っていることがわかりました。」
「そうか。ご苦労だった。其方は、このまま休みたまえ。」
「それって、どういうことですか。」
「そのままの意味だ。其方の魔鉱石が奪われでもしたら、敵わないと判断したんだ。」
「・・・・・・。」
ナルコネスも戦える体制で待機するしか、なかった。
ハデス4世、それどころではないと、わかっているからだ。
(代行者の勇者よ。闇の属性世界が危うくなっているんだ。)
そう、願っている。




