第49話
シーホープ号は、朝になり、土の属性世界で寝泊まりして、出航の準備をしていた。
「みんな、出航するわよ。」
「「「おうっ」」」
碇を上げて、帆を張った。
スバルもいつもの様に足漕ぎでスクリュウーの回転を反対側に回し、港を離れさせた。
充分に離れたことで、出航した。
その直後、雷の属性世界で雲が暗くなっていた。
桜花は、雷の属性世界に様子を見に行くことにした。
「スバル。雷の属性世界の様子がおかしいわ。」
「ああ。エルナと王様の鈴谷も心配だ。」
「ええ。みんな、雷の属性世界に向かうわよ。」
「「「おうっ!!!」」」
みんなも了承を得たことで向かった。
雷の属性世界の城の方では、拾ってきた真っ白な犬と一緒に暮らすことを決めていた。
王様も王室に戻ったことで、クシナの様子を伺った。
「どうしたんだ。その犬は。」
「あなた。かわいそうに。道端で倒れていることに気づいて、拾って来たのよ。」
「そうか。ただ、条件がある。お前が責任を持って、世話をすることだ。」
「ええ。私の相棒にするわ。」
「そうか。なら、しっかりと責任を持つことだな。」
クシナも育てることを決心した。
だが、外の曇りも怪しい。
シーホープ号も雷の属性世界に到着し、港に着けた。
(今のところは、変わりは無いわね。)
様子を見に行ってくるには、桜花、スバル、土藁氏だ。
残りは、シーホープ号の留守番だ。
「じゃあ、みんな。船のことを頼んだよ。」
「任しとけ。」
ナイトも厳重に船を守ることだ。
雷の属性世界に住んでいる一般市民も平和に暮らしていた。
働いて、しっかりとした労働環境を営んでいる。
地下で無理矢理な労働も行われることは無かった。
桜花達も歩いている間に雲が雷の城に集中し、雷が落ちた。
「えっ、大変。雷の城が危ないわ。」
「急ごう。」
「「うん。」」
城の最上階に雷が落ちてしまい、混乱している。
駆け付けに来た桜花達は、城内で慌てていた。
破損されていた部分を慌てて、修理を行っていた。
「これは、ひどいことになってるわ。」
「ああ。」
すると、Dr.ガイが現われた。
「はははははっ!」
「ガイっ!!!」
Dr.ガイは、身体に魔力を纏って、再び雲を集めて、雷と嵐を起こし始めていた。
「なぜだ。雷の属性世界を襲う。」
「はははっ!これで漆黒の魔王が現われる瞬間だっ!」
「「「えっ!!!」」」
まさかの漆黒の魔王が現われると言っていた。
雲も濃くなり、漆黒の魔王の姿を現した。
「いいぞっ!雷の属性世界を破壊するのじゃっ!!!」
Dr.ガイは、試しに雷の属性世界を破壊することにした。
「グオオオオッ!!」
遠吠えで、地響きもなっていた。
「このままだとまずいわ。」
桜花も雷の属性世界も危ないと判断し、超モードに転身した。
「超光・桜花っ!」
「超水・スバル・アクアっ!」
「超土・土石器っ!」
桜花・スバル・土石器が手を合わせて、トライアングルを展開し、漆黒の魔王に向けて、雷の城から遠ざけた。
「なっ、なぬっ!」
Dr.ガイも漆黒の魔王を追いかけた。
「追いかけるわよ。」
桜花達も漆黒の魔王を倒すために後を追った。
使われていない土地に誘導する事に成功し、一般市民に被害を及ばせない様に細心の注意を図っていた。
(おのれぇぇっ!!!また、いつかは、操ってやるからな。)
その復讐心で、いつになるのだろうか。
桜花達は、使われていない土地に追いつき、漆黒の魔王を倒すことにした。
エルナも到着した。
「スバル。桜花。土石器。久しぶり。」
そんなことを言っている場合じゃないだろう。
「それによくも、童の故郷を予億もやってくれたわね。」
その怒りで、漆黒の魔王に雷を放った。
だが、なんとも無かった。
漆黒の魔王の身体も頑丈だ。
「なんてことなの。童の攻撃が利かないなんて。」
エルナも驚いていた。
エルナは、魔鉱石の能力を利用すれば、治まるはずだと思っていた。
「もしかしたら、魔鉱石を利用すれば、治まるか。」
「そうね。ここは、雷の属性世界だから、みんなの力を合わせれば、何とかなるのかも。」
「うん。オラも賛成。」
スバルも懐から水の魔鉱石を取り出し、みんなも同じく魔鉱石を取り出した。
一致団結して、魔鉱石を片手にかざした。
上空からきれいな光が輝きだし、漆黒の魔王に浴びせた。
力が抜ける様に姿を消した。
「倒したの?」
「いや。逃げたようだ。」
ただ、雷の属性世界で事態が治まった。
そうでもしなければ、被害が拡大してしまう。
「童は、雷の属性世界が無事ならばそれで良い。それに鈴谷とクシナもそう望んでいるのだろう。」
「えっ!!!?」
桜花も鈴谷と結婚していることを初めて聞いたのだ。
「どういうことなの?」
エルナも説明しても良いのだろうかと思っていた。
「そうだな。鈴谷が王女様のクシナを選んだのだ。」
雷の属性世界で支える為に新王女を着くことで就任していた。
逃げられた漆黒の魔王は、いつ現れるかわからなかった。
桜花達は、エルナと共に雷の城に戻った。
Dr.ガイは、そのままDr.タニック号に戻った。
「おのれぇぇっ!!!今度こそは、漆黒の魔王を操って、桜花を還付亡き者にしてやるんだ。」
そう考えて、Dr.タニック号に乗り込んだ。
タツミゾンビとサイボーグ1・2号は、エネルギーの補給をして、出発できるように準備をしていた。
「ボス。エネルギーも満タンでいつでも出航できます。」
「今日は、勝手に出航してくれ。」
タツミゾンビもガクッてしていた。
Dr.タニック号の機関室でサイボーグ1・2号に出航できることを伝えた。
「ここでじっとしていたらまずいぞ。」
「親方は、何かあったか。」
「なんか落ち込んでいるようで。」
「俺達でどこかに逃げ込もう。親方は、室長室でこもりっきりだな。」
1号もそうだと思い、2号は、出航することを判断した。
「では、出航だ。」
Dr.ガイが漆黒の魔王の動きを判断できるまで、出てこないようだ。
2号も独断で判断した。
「修理が終わったことで、ここは、出航するしかないな。」
1号も納得した。
「親方もあんな様子では、どうすることもできないな。」
ただ、そっとするしかないようだ。
次の属性世界に到着するのも時間の問題だ。
雷の属性世界で雷の城の方では・・・。
エルナが、王室に案内されていた。
「失礼します。」
「うむ、なんだ。」
鈴谷も驚いていた。
「鈴谷様。先日の騒ぎのことについて、お話があります。」
すると、鈴谷の隣に奥方が、キレた。
「あんたたちっ!静かにすることが出来ないのっ!」
エルナも静まった。
桜花も王室に入られる際は、マナーをしっかりしないといけないと思っていた。
スバルは、鈴谷の前にひれ伏した。
桜花も続いた。
「ここは、俺に任しておいて、クシナは、席を外しなさい。」
「はぁ、なぜっ!」
「俺にも代行者の方々にも大事な話があるからだ。相棒を連れて、席を外してくれ。」
クシナも席を立ち、別室に移動した。
「桜花殿、スバル殿。頭を上げてくれ。」
桜花とスバルは、鈴谷の言葉を聞いて、頭を上げた。
「先程はすまなかった。話を戻しましょう。」
鈴谷も大事な話に持ち替えた。
「先日の正体不明な漆黒の竜が現われてきて、雷の属性世界を荒らされる寸前でした。」
「いえ。雷の属性世界で雲の様子が変だったなと思っておりました。」
「本当に感謝いたします。俺も先日の8代会談で漆黒の魔王と噂されました。」
桜花とスバルもその言葉を聞いて、感づいていた。
「じゃあ、私達が見た漆黒の姿もそうなのですか。」
「はい。俺も雷の属性世界の王として、雷の属性世界を護らねばならなかったんだ。さらに、支えてくれている一般市民のことを考えねばならない。」
当然の話だ。
今後のことを考えることが賢明な判断だ。
エルナは、これから旅をすることになるのかなと思っていた。
「童は、桜花と同行して、漆黒の魔王を倒すために戦うのかしら。」
「俺は、エルナの答えを出していない。今の雷の属性世界が危ういんだ。だからこそエルナには、たくさんの仕事をやってもらいたい。また、仲間からの助けが必要なら、俺に報告することだ。」
「わかったわよ。」
「わかったなら、口を慎みなさい。後は、席を外しなさい。」
ショックで、王室から退出した。
「ややこしい話になってしまったな。桜花殿とスバル殿も全ての属性世界のことをよろしく願います。全ての世界がかかっているのですぞ。」
「はい。私も命に代えても戦い続けます。」
「うむ。助けが必要になるのなら、エルナをよろしくお願いします。」
桜花とスバルは、一礼をして、王室から退出した。
雷の城から出て、外にいる土藁氏と合流した。
「ねぇ、どうだった。」
「私達が見た大型の竜は、間違いなく漆黒の魔王に違いないわ。」
「そうだな。結局は、逃げられたが。」
桜花も漆黒の魔王をどのようにして、倒すことが出来ることを考えた。
雷の属性世界の港に到着し、船に乗り込んだ。
出航は、昼間の間だから、いつでも出航することが出来るようだ。
「みんな、出航よ。」
「「「おうっ!」」」
いつもの様に船を出航した。
代行者の桜花は、どこかに向かうことを忘れていた。
考えていたところ、近くにある属性世界では、隣の木の属性世界である。
(それに、木の属性世界が心配だわ。)
桜花もそう思っていた。
出航してから、別の船が通ってきた。
船の下側のシンボルは、火の属性世界の船だ。
桜花と土藁氏とナイトは、方角に気づいた。
「もしかしたら、木の属性界に向かうかもしれない。」
「うむ。俺もそうだと思っていた。」
方角的に木の属性世界に向かっていた。
桜花達もそのまま、木の属性世界に向かうことだ。
Dr.タニック号では、サイボーグ1・2号も木の属性世界に到着していた。
肝心のDr.ガイは、まだ、こもりっきりだ。
「うむ。これは、この近くに漆黒の魔王が潜んでいるようだ。」
絵の前の水晶と睨み合って、漆黒の魔王の行方を追っていた。
「この近くで、漆黒の魔王の反応が強いのは・・・。」
目の前の望遠鏡で覗いてみると。
「木の属性世界か。」
扉からノックが鳴った。
「親方。たった今、木の属性世界に到着しましたぞ。」
「そうか。まずは、木の属性世界を混乱に陥れる作戦を考えるとするか。」
室内のレバーを引き、デスミサイルエッグを木の属性世界を散策させた。
「デスミサイルエッグよ。木の属性世界の忍び達に油断させて、混乱させろ。」
Dr.ガイの指示に従い、木の属性世界を散策させて、問題を起こそうとするのだ。
木の属性世界でデズミサイルエッグは、問題を起こしやすい場所を探している。
使われていない土地を見つけ出し、侵入した。
デスミサイルエッグの数が、10体で輪になって漆黒の儀式を始めた。
しかし、木の属性世界のコノハ仙人によって、止められた。
デスミサイルエッグは、なんとかコノハ仙人の攻撃を避けて、Dr.タニック号に引き返した。
(しまったのう。まぁ、あとは良いだろう。)
何とかなるだろうとコノハ仙人は思っていた。
なぜ、見つかったのだろうか。
コノハ仙人にしか、出来ないことがあったからだ。
木の属性世界の感知結界をいつの間にか張られていたからだ。
コノハ仙人は、紙獣の術で木の属性世界の長老に向かわせた。
(長老よ。今は、大変なことが起こっておるのだぞ。)
届くまで、そう願ってる。
1体のデスミサイルエッグは、攻撃を受けている間に、小型の発信機を取り付けることに成功した。
そして、Dr.タニック号に急ぎで戻ってきた。
到着する寸前に力が尽き、Dr.タニック号の庭園に落ちた。
Dr.ガイは、激しい音に気付いて、室長から出た。
「何事かっ!」
その光景を見て、デスミサイルエッグは、ボロボロだ。
「他の奴らは、どうした。」
しんとして、尽きた。
「仕方がないな。解析するぞ。」
デスミサイルエッグを船内の研究室に運び込まれて、解析を始めていた。
Dr.ガイもデスミサイルエッグのデータを見て、驚いていた。
「こっ、これは・・・。」
Dr.ガイも知らなかった光景を見たのだ。
「でかしたぞ。ここは、ワシに任せておけ。」
Dr.ガイも出かける準備をし、最後まで振り絞ったデスミサイルエッグの発信機を追うことにした。
Dr.ガイ自身も断定できない程、長老と忍び達に気づかれない様に早く行動に移し始めるのだ。
(ここは、見つかる前に木の属性世界を失望に落として見せよう。あの仙人を見つけ出して、ワシの手で操って見せるぞ。)
Dr.ガイも気合が入っているようだ。




