第37話
一方、土の属性世界の港の方では、桜花達を待っていた。
角之助の場合は、いつ襲われるのかもしれないと戦う態勢に入っていたのだ。
襲撃にあうことも無いのだろう。
角之助も修行の為だと思っていた。
しかし、兵士達が港周りに集まり、リーダーが声を掛けてきた。
「船長は、いらっしゃいますか。」
ナイトは、その話に応じた。
「なんですか。」
「桜花様のことでお話に参りました。」
土の城で保護されていることを話して、長時間で目が覚めるかがわからなかった。
「うむ。わかった。」
「では、そちらの船を格納庫に保管させていただきますので。」
兵士は、シーホープ号のみんなを馬車に乗せて、土の城に連れて行った。
「全員、船を保管する儀式を始める。」
「「「おうっ!」」」
兵士達は、呪文を唱えて、丘の状態が変化し、大きな穴が開き始めた。
船本体を格納庫に保管し、儀式を終わらせた。
移動中の際に、甘恵は、桜花について、質問をした。
「あの、桜花について、どうなさいましたか。」
「はい。桜花様は、土の城に到着の際に、すぐに倒れてしまいました。」
仲間達も驚いて、速やかに土の城に到着したかったようだ。
しかし、甘恵も思っていた。
桜花が、いつ意識が戻るまでは、わからなかった。
土の城に到着し、個室を用意されていた。
土の王のガルダは、シーホープ号の仲間達を最低限で働かせることにするかを考えていた。
「全兵士に告ぐ。城内の清掃と地下の労働の振り分けを任せる。」
「「「ははっ!」」」
甘恵は、兵士の指示を受け、城内の清掃に入り、セイウチは、個室で留守番させることになった。
角之助とナイトは、地下に案内され、力仕事に任命された。
やはり、土の城で泊めてもらうには、最低限のことをさせられるのも当然のようだ。
2日後、個室で桜花が目を覚ました。
「あれ、ここは・・・。」
身体を起して、ベッドのそばに桜花の所持品が置いてあった。
(そう言えば、魔鉱石は・・・。)
必死に探して、無事に袖のテーブルに置いてあった。
(良かった。光の魔鉱石は無事だわ。)
着替えて、個室から出た。
城内を歩いて、城内の関係者を探し、見つけ出した。
「あの・・・。」
「桜花様。目を覚まされましたか。」
「ええ・・・。」
「いつでもお食事を行っておりますので、いかがなさいますか。」
桜花の腹が鳴り、食堂に誘導されていた。
食堂に入り、スバルと土藁氏は、いなかった。
「あの、スバルと土藁氏の様子は・・・。」
「そのお二人様は、まだ、意識が戻っておりません。」
「そうですか。」
「お食事がお済み次第、王様がお待ちになられております。」
「わかったわ。」
「では、ごゆっくり。」
朝食を済まして、ガルダの王室に向かった。
扉の先に執事が立っていた。
「桜花様ですか。」
「はい。城内の方から王様のお話があると言われて参りました。」
「左様ですか。少々お待ちください。」
すぐに扉越しにガルダの声が響いていた。
「桜花殿が見えて来たな。通せっ!」
「ははっ!」
執事も慌てて、扉を開けて桜花を通した。
「失礼します。」
ガルダの前にひれ伏した。
「良い。楽にせい。」
桜花は、頭をあげた。
「うむ。話はな、土の属性世界で異変が起きたことだ。わっちもその異変に気付いて、地上で生活することが出来なかったのだ。」
桜花も納得せざるを得なかった。
「わっちが、広範囲で結界を展開し、土の市民を守らねばならなかったからだ。だが、邪悪な気配が無くなって、異変も収まった。もし、其方達が邪悪な気配を解決されたのか。」
「はい。別の属性世界で、漆黒の塊が急に落下してしまい、それぞれの属性世界に潜んでいるのかもしれません。」
ガルダも桜花の言葉を信じることにした。
「そうか。其方は、邪悪な塊が浄化して行く瞬間を目撃したのか。」
「はい。私と土藁氏とスバルと協力して、倒しました。」
「ふむ。異変が収まって結界を解いたら、其方達が門の前に倒れていたからだ。」
桜花も恥辱を感じ、心に抑えた。
「スバルと土藁氏は、我が城で個室に保護しておる。さらに、其方の仲間達は、保護している。土の属性世界の特殊な格納庫で船を保管している。」
「ありがとうございます。」
「わっちは、感謝しきれない程、桜花殿に土の属性世界を救われている。」
桜花もほっとした。
「それで、土藁氏とスバルの様子は・・・。」
「わっちの報告では、個室でまだ、眠っている。意識が戻っていないようだな。」
桜花も感じたリスクは、魔鉱石の使用で同調する瞬間に魔鉱石の強い魔力で持ち主に負担を掛けたよう
だ。
「私には、わかったことがありました。」
「何かな。」
「それぞれの属性の代行者に選ばれた者にしか、反応しなかった。」
「そうか。その為、土の魔鉱石が土藁氏に選ばれたのか。」
「はい。アースマウンテンで、土藁氏の試練を乗り越えて、手に入れました。」
「良い仲間が出来たんだな。よし、土藁氏とスバルの意識が戻り次第、ゆっくりと休んでください。」
「ありがとうございます。」
桜花は、ガルダの言葉を聞き入れて、土の城に滞在することにした。
スバルと土藁氏が目覚めるまでは・・・。
ナルコギャルは、闇の属性世界に到着し、異変が起きていた。
「あれ、闇の属性世界でみんながいない。」
つまり、漆黒の霧が濃くなっていて、不気味の様子だ。
闇の一般市民は、避難している様だが、遅れた者もいる。
遅れた者は、漆黒の霧に取りつかれて、操られている。
(地上に降りるのも危険だわ。闇の城に向かってみないとわからないわ。)
個別の気球で闇の城に向かっていた。
すると、闇の結界が張られており、近づいてみた。
あっさりと結界をすり抜けていた。
闇の城にたどり着き、城内に入った。
ナルコギャルも城内を慌てて、王室に駆けつけている。
王室の扉に到着し、無理矢理に扉を開けた。
「ハデス4世。一体何が起きているの。」
「むっ、お主が帰って来たのか。」
「闇の属性世界が大変なことになっているのに・・・。」
「わかっておる。吾輩も邪気が侵入しない様に吾輩の結界で手がいっぱいだ。」
ナルコギャルも闇の属性世界が壊滅されてもたまらないからだ。
「だったら、なんで行動することもできないのよ。」
「あの傷があって、身動きが出来なかった。」
ナルコギャルは、決断していた。
「仕方が無いわね。闇の魔鉱石を使いなさい。」
「かたじけない。」
ナルコギャルは、闇の魔鉱石をかざして、ハデス4世の傷を治した。
「うむ。吾輩の傷と疲れも癒えて来た。」
目の前の闇の水晶に集中して、闇の結界を維持することが出来るからだ。
「これで数日間、持つことが出来る。」
「あんたってね。」
ハデス4世も闇の一般市民を守るのも手がいっぱいだ。
漆黒の邪気を侵入されてしまうからだ。
「其方には、闇の属性世界を守って欲しいんだ。」
「うん。今の世界が崩壊されるのも嫌だね。」
「其方の故郷が無くなるのも嫌だろう。」
「それもそうね。いいわ。闇の魔鉱石を利用するしかないわ。」
ナルコギャルもハデス4世と共に協力することになる。
果たして、最低限の食料も大丈夫なのだろうか。
様子を見てみないと分かることが出来なかったようだ。
土の属性世界で4日目が経った。
個室で土藁氏の意識が戻り、目が覚めた。
「ここは・・・。」
個室の扉を開いて、様子を見ていた。
「土藁氏様。お目覚めになられましたか。」
「えっ。」
「ご安心ください。ここは、土の城でございます。」
城内のメイドが説明してくれて、微妙に混乱している。
後ろには、桜花の姿があった。
「土藁氏。目が覚めたんだね。」
「うん。」
土藁氏のお腹が鳴った。
「ごめん。気が付いたら長く眠ってた。」
「食堂までご案内いたします。」
メイドの指示により、食堂に案内された。
スバルは、目を覚ました。
「ここは・・・。」
身体を起こして、着替えた。
個室の扉を開いて、廊下を見回した。
通りかかった桜花と土藁氏がすれ違った。
「えっ、スバル。起きたの。」
「ああ。心配したな、桜花。土藁氏。」
「良かった。」
ついでにスバルも食堂に案内された。
それを済ませて、みんな王室に向かった。
「失礼します。桜花様をお連れ致しました。」
「通せ。」
執事は、王室の扉を開けて、ガルダの前にひれ伏した。
「皆の者、表をあげたまえ。楽にしたまえ。」
桜花達は、頭をあげた。
「先日の話で、桜花の報告で全てを知った。漆黒の塊を倒すことが出来、感謝する。」
「ありがとうございます。」
「今後のことについて、各属性世界で大変なことになるのだろうからな。」
ガルダも今後のことを考えて、土藁氏をここに残すか、旅を続けさせるか。
「其方達に聞こう。土藁氏の助けはいるのかな。」
「はい。私たちは、漆黒の塊を沈めさせるには、土藁氏の力が必要なんです。」
「そうか。わっちの力不足なのかもしれないが、みんなの力を合わせて、土の属性世界を立て直すことにしよう。」
桜花も感心して、土藁氏の疑問があった。
「オラは、今の世界が好きなんだ。オラの土の魔鉱石を利用して、荒れてしまった一部を直せれると思ったんだ。」
「うむ。すぐに土の魔鉱石の用意が出来るかな。」
「はい。」
「では、儀式の準備じゃ。」
ガルダは、指をパチンと鳴らして、城内の執事が魔鉱石の台が運ばれた。
「では、土の魔鉱石を置いてくれたまえ。」
ガルダの指示に従って、土の魔鉱石を置いた。
すると、土の魔鉱石が光り出して、台にも光が流れ出した。
「これは、驚いた。」
城内にも流れわたって、土の属性世界も直り始めた。
すっかり、元通りに直った。
「ありがとうございます。我が国を立ち直すことが出来ます。」
ガルダも土藁氏に感謝した。
「そうだ。其方の仲間達を集めていきますので、港で待っていてください。」
「ありがとうございます。では、失礼します。」
桜花達は、一礼をして、王室を退出した。
城内の出入口の前に馬車が待機されていた。
「桜花様。こちらにお乗りになってください。」
「あの、私たちの仲間達は・・・。」
「ご心配は、ございません。別の馬車で港に合流いたします。」
今の馬車に乗り、シーホープ号が止まっていた港に向かっていた。
港に到着し、船の姿が無かった。
「えっ、これは・・・。」
桜花も驚いて、辺りを見回した。
「ご心配なく。船ならすぐに出てきますよ。我々にお任せください。」
桜花達も馬車から降りて、港の様子を見届けた。
土の兵士達は、魔力を込めて、両手を地面につけた。
すると、地響きが鳴った。
「えっ・・・。」
港付近で、大きな穴が空いた。
地上の様に大型の扉だった。
そして、桜花達の船のシーホープ号の姿があった。
「桜花っ。」
船に乗っている仲間も手を振っていて、戻ってくることを待っていた。
「甘恵。」
「よく戻って来たな。スバル。土藁氏。」
「おう。戻ったぞ。ナイト。」
大型の扉の前に海が流れて、船は、海に浸かった。
「ここは、俺に任せろ。」
角之助は、機関庫に入り、足漕ぎのペダルに座った。
港にいる桜花達は、ロープの梯子に捕まり、船に登った。
ナイトは、機関庫に合図をして、出航に入った。
角之助もペダルを漕ぎ、スクリューが回った。
土の属性世界の市民からの声が上がり、見送られた。
「「「みんな、ありがとう。お元気でっ!!!」」」
お礼の言葉を受け止めて、出航した。
シーホープ号の仲間達は、次の属性世界に向かうのは、水の属性世界へ向かうつもりだ。
雷の属性世界の様子では・・・。
漆黒の塊がすでに落ちていて、落下した瞬間に行動することが出来なかったようだ。
エルナは、漆黒の気配に気づいていて、いつ現れるかが、戦える体制に入っていた。
しかし、鈴谷は、雷の属性世界の源を心配していた。
「エルナよ。雷の魔力が徐々に吸い取られているように感じるんだが・・・。」
「そうですね。新たな気配を感じて、空から落下した。」
「うむ。怪しげな気配を感じたが、好き勝手にされるのも癪に障る。」
鈴谷とエルナも一刻も早く解決しなければならなかったようだ。
「エルナよ。得体のしれない気配を調査に当たってくれたまえ。」
「ははっ!」
エルナも退出し、漆黒の気配が落ちた場所に向かった。
雷の属性世界の東側に落ちたと判断し、飛翔して向かっていた。
(やっぱり、この方角に落下されているわね。)
漆黒の気配を感じて、そこに向かった。
その方角の場所に到着したが、姿が無い。
エルナも考えて、漆黒な源を探し始めた。
(そうだ。童の雷で落としてみよう。)
エルナの雷を放った。
地上からひっくり返して、漆黒の源を見つけ出した。
「えっ、あれは・・・。」
不気味な気配を感じて、漆黒の気配を放出しているようだ。
エルナもどうするか、悩んでいた。
(ここは、戦うか。撤退して鈴谷に報告するか。)
エルナ一人で敵うことが出来るかが不安だ。




