第34話
しかし、アースマウンテンで土の属性世界を支える動力源だ。
つまり、土の属性の魔力で守られているからだ。
土の属性世界の領主のガルダが管理を行わねばならないからだ。
神聖な守り神として、荒らされるわけには・・・。
土石器も内側で戦うことをためらっていた。
桜花とスバルも同じことを考えていた。
「ここは、持久戦で戦うしかないな。」
「ええ。相手の弱点を見つけよう。」
「おう。」
漆黒の霧が襲い掛かり、土石器に向かってきた。
「たぁぁぁっ!」
土石器の魔力で振り払った。
しかし、地面から漆黒の霧が増えていた。
終いには、3人まとめて囲まれた。
「オラは、ここで負ける訳にはいかないんだ。」
「そうよ。負けないわ。」
「同感だ。」
桜花達の意思が強まり、漆黒の霧に立ち向かった。
すると、土の魔鉱石が反応し、輝きだした。
漆黒の霧も固まり、土石器に向かった。
そして、土の魔鉱石が土石器を取り込んだ。
「おわぁ。ここは、どこだ。」
目の前には、土の魔鉱石の塊が近づいた。
「其方は、何が望みか。」
「オラは、みんなの為に全ての世界を救いたい。」
「仲間の為にか。」
土石器も頷いていた。
「そうか。其方には、土の代行者としての責任を持つのだな。」
「うん。オラも選ばれた責任を果たすことだ。」
土の魔鉱石も答えた。
「其方には、十分な理由が出来た。仲間を大切にする思いを確かに感じた。」
土石器も息をのんだ。
「我は、土の魔鉱石を授けることを認む。」
土の魔鉱石が輝いて、土石器の本来の姿となっていた。
一瞬の空間が晴れて、漆黒の霧に囲まれている。
「はっ、超土・土石器っ!」
「えっ!土石器。今の姿は・・・。」
「うまくいったんだな。」
超土・土石器は、地面の片足に魔力を込めた。
漆黒の霧の足元に土を利用し、動きを止めた。
「これは・・・。」
「桜花っ、お願い。光の能力で浄化できるかな。」
「いいわ。任せて。」
桜花の懐から、光の魔鉱石を取り出し、真上に掲げた。
光の魔鉱石が輝きだし、漆黒の霧が浄化していった。
神聖な守り神も守られ、崩れることも無く維持した。
「やっと漆黒の霧がいなくなったね。」
「ああ。」
「そうだね。」
アースマウンテンの異変も収まった。
桜花達もアースマウンテンから出て、土の城に戻り始めた。
土石器は、土の属性世界の異変を感じたが、陸には、土の魔力が回復していたようだ。
「何か感じたんだ。土の魔力も回復している。」
「良かったね。土石器。」
「うん。急いで土の城に戻ろう。」
桜花達も一刻も早く、土の城に戻ろうとした。
土の属性世界の港では・・・。
「俺は、土の属性世界に足を踏み入れることが出来ないしな。」
角之助は、火の属性世界で過去の出来事を気にしていた。
(俺には、火の代行者として、責任があるからだ。)
つまり、シーホープ号を守る役目を背負わされているからだ。
ナイトは、船長のスバルのことを心配していた。
(あいつは、痩せられるのだろうか。)
船内に乗っている仲間達も同じことだ。
(スバル。早く戻って来てよ。)
甘恵もそう願っている。
アジサイ丸とセイウチは、船内の庭園で遊んでいた。
三夏もスバルの為に食事を用意していた。
(土藁氏も戻ってきてら、お祝いしたいな。)
土の魔鉱石を手に入れて、土の城に到着した。
しかし、門番の兵士は、見かけぬ顔だなと判断された。
「何者だ。」
警戒態勢に入っていた。
桜花達は、魔鉱石の武装を解除し、日常的な姿へと変更した。
「お待ちください。桜花です。」
「えっ、これは失礼しました。」
門番は、すぐに扉を開けて、桜花達を通した。
城内の執事は、王室に案内された。
「失礼します。桜花様がご到着されました。」
「通しなさい。」
扉が開いて、ガルダの前にひれ伏した。
その為の礼儀であろう。
「桜花殿。頭をお上げになってください。」
「はい。恐れ入ります。」
「うむ。こちらに訪れてきたことは、報告があるということだな。」
「はい。土の魔鉱石を手に入れました。」
「おお。本当か。その魔鉱石を持っておるのか。」
「はい。土藁氏。」
「うん。」
土藁氏は、懐から土の魔鉱石を取り出した。
「これは、初めて見る土の魔鉱石だ。それに土藁氏殿に選ばれましたか。」
「はい。神聖な守り神であることが実感しました。」
ガルダも納得していた。
「そうか。では、これからのことなんですが、まだ、旅を続けますか。」
「そうだね。オラは、今の仲間の為に全ての世界を救いたい気持ちがあるんだ。」
「その理由で背負うことを決心したんだな。」
「はい。」
「よかろう。其方が思う存分、旅をすると良い。」
「ありがとうございます。」
ガルダも桜花達に数日分の食料を提供しようと考えていた。
「其方達に長旅になるのだろうと思い、数日分の食料を差し上げます。」
「えっ、本当ですか。」
「うむ。兵士には、馬車を用意させますのでお運びいたします。」
「ありがとうございます。」
桜花達も王室から退出し、港に向う前に兵士から声を掛けられた。
「桜花様。こちらの馬車にお乗りください。」
桜花達も馬車に乗った。
土の属性世界は、地面が緩やかではないのだ。
ゆっくり進むしか出来なかった。
ようやく、港に到着し、荷物を船に乗せた。
「おう、スバル。到着したか。」
「もう、待ってたんだから。」
桜花も気づけば、宿泊代金はどうなっていたのだろうか。
今からでも聞き出すことが出来なかったようだ。
何も聞かなかったことにした。
荷物も船に積み込みも終わり、館内の仲間達も休んだ。
それに、土の魔鉱石を手に入れたことを報告しなかった。
無理もないのだろう。
丸一日間は、休むしかなかったようだ。
Dr.ガイの様子では・・・。
もうすぐ木の属性世界に到着しているようだ。
「おっっしゃ、木の属性世界に近づいたようだ。」
すると、木の属性世界に近づく瞬間に木の属性の結界が出ていた。
Dr.タニック号も弾かれた。
「なっ、なんだ。」
機関室から伝声管の声が出ていた。
「親方。今の島で結界が出ておりますぞ。」
「なぬっ。入れないと言う事か。」
「左様でございます。」
Dr.ガイもやむを得ず、木の属性世界を上陸することを断念した。
(おのれ・・・。また出直してやる。)
木の属性世界の離れから、隣に風の属性世界で潜伏することだ。
またの移動時間がかかる様だ。
シーホープ号は、長い休息が終わり、出航の時間となった。
桜花は、みんなを起こして、船の出航時間の合図を行った。
当然の様に、スバルは、起きなかった。
また、微妙なメタボとなっていた。
「俺も手伝うぜ。」
「拙者も出発の準備を手伝うでござる。」
角之助とアジサイ丸は、碇を巻き上げた。
土藁氏は、土石器に変わり、力加減の限りで帆を張った。
桜花も船に異常がないか、確認していた。
「よし、出航するわよ。」
「「「おうっ!!!」」」
出航したら、木の属性世界に向かう予定だ。
つまり、アジサイ丸が木の属性の代行者に選ばれたからだ。
シーホープ号の扉が開いた。
「ううん・・・。出航したのか。」
「ええ。あんたは、本当にサボりだからよ。」
みんなからもそう思われていたからだ。
スバルは、業務のことがあるのかなと聞いてみたら、何もないと言われた。
独自で、筋トレした。
次に向けて、戦える準備をしていた。
いつになっても痩せられないからだ。
(うーむ。いつになったら痩せられるのだろうか。)
スバル自身も気づいているはずだ。
(俺が、ピンチになってきた瞬間か、向こうであやうくなってきた瞬間か・・・。)
土の属性世界から出航して、先が長いようだ。
隣には、水の属性世界があって、木の属性世界に到着するには、時間の問題だ。
木の属性世界の様子では・・・。
Dr.ガイを追い払って、木の属性の結界で守ることが出来たのだ。
その為には、雑念を持つ訪問者を拒むことになるのだろう。
領主を持つ属性にとって、良いのかもしれないからだ。
そして、木の魔鉱石が、木の属性世界に収められているのだからだ。
だが、魔鉱石の力なのか長老の力なのかがわからなかったのだ。
長老の様子では・・・。
(うむ。木の魔鉱石がはっきりと強い結界を張り詰めているようだ。)
長老も木の魔鉱石が、雑念を持っている人間に入許を認められないからだ。
ただ、長老が支配しているわけでは、無かった。
違う属性が侵入すること自体が、許されていなかった。
シーホープ号も木の属性世界に近づいていた。
すると、木の属性世界に身の周りには、結界が張られていた
桜花も目の前の光景に驚く。
「こっ、これは・・・。」
みんなも木の属性世界に目の前を目撃した。
アジサイ丸も分かっていた。
「これは、木の属性委の結界か。」
桜花もこのことになることを疑問に思っていた。
「アジサイ丸。このことが起きることを知ってたの・・・。」
「いや。拙者は、長老のは箸を聞いたことがあるからだ。」
みんなもアジサイ丸の言葉に納得するしかないようだ。
シーホープ号のには、港が無かったことには、上陸することが出来ない。
でも、結界の外側では、港の陸があった。
だが、アジサイ丸の決心がついて、己の試練を乗り越えようとするようだ。
「ここは、拙者に任せて、木の魔鉱石を手に入れようとしよう。」
シーホープ号は、港に着けて、アジサイ丸を見送った。
アジサイ丸は、木の属性の結界を目の前にした。
手を差し伸べると、するりと入っていった。
緊張感のある態度で、入っていった。
(そうでなければ、わが国にも入れなかったんもだな。)
結界から通り過ぎて、平凡な静けさだった。
先を進んで、歩いていた。
ところが、素早い動きで攻撃を受けた。
その瞬びな動きを阻止し、アジサイ丸の身体にダメージを抑えることが出来たのだ。
「其方達は、何奴だ。」
アジサイ丸の言葉をかけてでも、微動だにしなかった。
(ここはやむを得ないか。)
アジサイ丸の心を集中し、本来の姿を想像していた。
木の属性世界で、忍者になれると思っていたからだ。
そして、アジサイ丸の身体が輝き始めていた。
「はっ、ヒマワリ丸っ!」
そう、希望の力と同じく、太陽の力で成長する。
なぜか、空の調子が悪いようだ。
太陽の力を受けていないのに明るい力に成長するのか。
心当たりがあるとしたら、桜花の光の魔鉱石のおかげで成長するための力を蓄えたようだ。
だが、その瞬間に敵の素早さから、刃を向けられた。
「其方は何者か。出来れば、其方を斬りたくはないが・・・。」
相手からは、様子を見られた。
「あっ、あんたは・・・。」
ヒマワリ丸は、逆刀に向けて、素振りの力を利用し、隠れていた顔をひっぺ替えした。
「えっ。おっ、お前は・・・。」
目の前の光景を見たのは、モミジロウの姿だ。
「待って、私を斬らないで。」
ヒマワリ丸も斬る必要がないからだ。
「安心してくれ。拙者は、木の魔鉱石を手に入れなければならないからだ。」
「えっ。あなたは・・・。」
ヒマワリ丸は、ナノハナ丸のところに向かって行ったのだ。
(みんなには、すまないと思っているが・・・。ここは、拙者でしかできないことがあるからだ。)
木の属性世界で強力な結界が張られている。
その為、木の属性以外は、入られないからだ。
外にいる仲間達もアジサイ丸を祈ることしか出来なかったようだ。
ヒマワリ丸もナノハナ丸の居場所を探している。
長老のいる場所に向かっていたが、小屋に到着してでもいなかった。
ヒマワリ丸もまさかと思って、木の代行者になる儀式の場所を思い出していた。
そこに向かってみなければ、分かることが出来なかったようだ。
ヒマワリ丸も急いで、ある場所の儀式の間に向かって行った。
(だとすれば、今の出来事で公になる前にあの場所に・・・。)
ヒマワリ丸も早足で一刻も早く、たどり着かなければならなかった。
(長老は、一体何を考えているんだ。)
ヒマワリ丸も前回で同じような違和感を感じた。
(そう言えば、土の属性世界で何かが変わっていたな。今の世界で同じことがあったとしたら。)
そう、土の魔鉱石を手に入れることで、土の属性世界の結界が回復していた。
日常的に出入りは、可能だった。
封印された場所には、各属性の魔鉱石が暴走しては、どうしようもなくなるだろう。
(もしかしたら、あの場所かもしれん。)
やっと、出入口まで到着し、木の属性の魔力の反応が強くなっていた。
(この反応は・・・。間違いない。この先にある。)
その中に入り、先に進んだ。
そして、長老の姿があった。
「いた。長老。なぜここに・・・。」
その長老も何も言わなかった。
ただ、眺めていた。
「きたか、木の代行者・・・。」
ナノハナ丸もアジサイ丸ででしか知らなかったようだ。
「よくわかった様だな。全ての世界で大きな問題となっている。」




