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第30話

 庭園の柱に登った桜花は、土藁氏に声を掛ける。


 「土藁氏。そろそろ、休憩しましょうか。」


 「うん。今から降りるよ。」


 降りて来た土藁氏は、船内に入り、夕食に入っていた。


 夕食を終わらせて、寝室に入り、就寝した。


 当たり前の様に休むのも仕事のうち。


 スバルは、微妙な夜勤があったようだ。


 「舵を回そう。」


 「ここは、任せてくれ。」


 ナイトは、舵を握っていた。


 順調に風が吹いていて、針路も火の属性世界に向けられているようだ。


 一方、Dr.ガイの様子では・・・。


 Dr.タニック号の塗装の修理も完全に終わったようだ。


 「やっと、外壁も治った。」


 一息したDr.ガイは、あともうひと踏ん張りな場面があった。


 「問題は、機械室で故障が多かったな。」


 機械室の扉を開けようとしたら、サイボーグ達も何度か実験を繰り返して、釜戸に点火していた。


 「どう、順調か。」


 「いえ、まだ何とも・・・。」


 Dr.ガイは、室内に入り、手をかざした。


 「ふむ。そろそろ、取り換え時期ときたか。」


 Dr.ガイの頭で考えて、ひらめいていた。


 「よし、そこの部品を取り外すぞ。」


 「「「ガイガイッサーッ!」」」


 機械室で一部のエンジンを取り外して、分解し、新しいエンジンを作っていった。


 しかし、外壁から一部を取り出し、再利用していた。


 また、外壁を取り出し、キリが無かったようだ。


 そこで、ナルコギャルが船に戻ってきた。


 「何をやっているの。」


 「ごめん。まだ、修理がかかってて。」


 「ふーん。」


 ナルコギャルは、どうするか考えていた。


 「あたしの魔鉱石で、何とかしてみるわ。」


 「えっ!!?」


 庭園に立ち、闇の魔鉱石をかざした。


 「はぁぁぁっ!」


 闇の魔鉱石が輝きだし、Dr.タニック号の全ての破損されている部分も直ってゆくのである。


 「おおっ!!これは、素晴らしい。」


 Dr.ガイも驚いていた。


 心に誓った。


 (ワシもナルコちゃんに恩を返さねばならないか。)


 闇の輝きも収まり、Dr.タニック号の船も直ったのだ。


 「ナルコちゃん。今日は、本当にありがとう。」


 「いいんじゃない。また、休むのかしら。」


 「うん。ワシも体力の限界じゃ。」


 「仕方が無いわね。あたしも闇の魔鉱石の影響で疲れちゃうのよね。」


 そばにいたタツミゾンビも見守っていた。


 「その方が良いかもしれないっす・・・。」


 「ワシが、回復するまで見張っておれい。」


 「うすっ。ガイガイッサーッ!」


 Dr.ガイとナルコギャルも寝室で就寝した。


 タツミゾンビもサイボーグ達に指示を出していた。


 「修理は、終わったかな・・・。」


 「ええ。何もわからないまま、完全に復元されてます。」


 「なら、みんなも休憩で・・・。」


 「俺達も交代で支えるんで。」


 「まずは、ボクに任せておくれ。後に声を掛けるんで。」


 「わかった。頼みますぞ。」


 タツミゾンビもDr.タニック号の見張りを行っていた。


 その日は、何も起きなかった。


 しかし、そのまま、眠ってしまった。


 ふと、気づくと、目が覚めた。


 首を振って、身体を起こした。


 (これは、いかんいかん。)


 タツミゾンビも体力的にまずいと思っていた。


 サイボーグ達のいる部屋に向かった。


 扉を開くと空いているサイボーグ弐号に声を掛けた。


 「弐号、交代だ。」


 「うが・・・。」


 弐号も目が覚めたようだ。


 「しまった。ワシとしたことが。」


 「まぁ、いいんじゃないのら。」


 参号もDr.タニック号の点検に励んでいた。


 「すまなかったな。タツミゾンビも休んでくれ。」


 「うぃー・・・。」


 タツミゾンビも寝室に入った。


 何日かは、目覚めないのだろう。


 すると、シーホープ号の姿があった。


 弐号もDr.ガイの部屋に慌てて、駆け込んだ。


 「親方、大変でございます。」


 Dr.ガイも寝ぼけていた。


 「ううん・・・。」


 弐号もやむを得ず、無理にでも起こした。


 メガホンをかました。


 「親方っ!目覚めてください。」


 「やかましい。頭が・・・。」


 しかし、ナルコギャルも機嫌が悪かった。


 「なんなのよっ!眠っているのに・・・。」


 ナルコギャルの闇の魔力が放出していた。


 Dr.ガイは、慌てて止めに入った。


 「ナルコちゃん、ナルコちゃんっ!このままだと見つかってしまう。」


 「えっ!」


 闇の魔力も収まり、自室に入り、眠った。


 (ふぅ、これで収まったか。)


 Dr.ガイは、弐号を連れて、庭園に出た。


 「何をやっておるのじゃ。」


 「それが、大変なことになってて。あっちを見てくだせ。」


 「むっ。あっ、あれは・・・。」


 そう、Dr.ガイもシーホープ号を目視した。


 小声で見つからない様に警戒した。


 「奴らに見つかっては、まずい。ナルコちゃんが起きたら機嫌が悪いからな。」


 「ガイガイッサー。」


 弐号も小声で返していた。


 「何か問題があったら、声を掛けろ。」


 「御意。」


 Dr.ガイは、部屋に戻り、就寝した。


 弐号も密かに見張っていた。


 (よし、これで見つかっていないだろう。)


 一安心して、しばらく様子を見ていた。


 見つかってもおかしくはないのだろう。


 シーホープ号は、火の属性世界に到着し、港に着いた。


 碇を落として、上陸した。


 「みんな、火の属性世界でアグラス様の元に行くわよ。」


 角之助も立ち上がった。


 「俺もみんなのことが心配だ。」


 「わかったわ。みんなが待っているわ。」


 「おう。」


 上陸したのは、桜花、スバル、土藁氏、角之助だ。


 残ったのは、三夏、甘恵、ナイト、セイウチだ。


 桜花達は、歩いているうちに火の巡回役が出て来た。


 「そこの奴、止まれっ!」


 巡回役の指示に従い、その場に止まった。


 だが、巡回役は、角之助を注目し、驚いていた。


 「これは、角之助っ!帰って来られたのですか。」


 「ああ。今帰って来た。」


 巡回役も納得していた。


  しかし、残った桜花達を納得していなかった。


 「そして、そこの奴は、何者だ。」


 「待ちたまえ。前回で、火の属性世界を救っていただいた桜花だぞ。」


 巡回役は聞いた。


 「えっ・・・。あの桜花が・・・。」


 噂でしか聞いていなかったようだ。


 「私には、許可状があります。」


 桜花の懐から取り出し、許可状を提示した。


 「これは・・・。わかった。まずは、火の城に案内しよう。」


 巡回役は、火の城まで案内し、みんなで歩いていた。


 火の城に到着し、出入口の扉に近づいた。


 巡回役は、門番に声を掛けた。


 やり取りを行い、桜花達を城内に案内された。


 「許可が出て来たのでこちらにどうぞ。」


 桜花達は、城内の案内役に誘導され、王室に出迎えられた。


 同じように王室の扉の前に案内役がノックをした。


 「失礼します。お連れ様をこちらにおります。」


 「入れっ!」


 案内役は、扉を開けて、アグラスの前にひれ伏した。


 「もう良いっ!角之助、桜花殿のお連れ様も表をあげてくれ。」


 「アグラス様っ!」


 「お前は、下がっておれ。」


 執事は、王室から退出した。


 「では、其方達のお話があるということでよろしいのかな。」


 「はいっ。実は、8頭の竜が中央の海から現れました。」


 「ふむ。我が国にも火の属性の竜がこっちに来てしまってな。何かを行おうと宣言され、魔鉱石の封印

を解かれてしまってな。」


 「はい。その為、魔鉱石を奪われない様に火の代行者をこちらに連れてまいりました。」


 「それは、良かった。角之助が戻って来てくれて、心強い。」


 そう、火の魔鉱石の封印が解けてしまい、奪われる前に何とかしたかったようだ。


 「本日は、我が城に宿泊したまえ。」


 「ありがとうございます。」


 アグラスの指示に従っていた。


 アグラスは、両手を叩いて、城内の執事を呼んでいた。


 「桜花様。こちらでございます。」


 城内の各部屋に案内されていた。


 その為にゆっくり休憩し、火の魔鉱石は、別の場所に隠れていた。


 代行者の桜花達は、距離的に長い道のりだ。


 身体を休ませるのも大事だ。


 一日が経ち、火の魔鉱石を手に入れる準備が始まった。


 桜花達は、起床して、執事とメイドから声を掛けられた。


 桜花の目の前には、女性のメイドが現われた。


 「桜花様。朝食の準備が整えました。ご案内いたします。」


 「ありがとう。」


 メイドから食堂まで案内された。


 食堂に到着した桜花は、テーブルに座り、食事を始めていた。


 別のテーブルでスバル達も食事していた。


 食事も済ませて、桜花達は、王室に向かった。


 「失礼します。桜花様達をお連れしました。」


 「通しなさい。」


 扉を開けて、アグラスの前にひれ伏した。


 「表をあげてくれ。」


 桜花達も頭をあげていた。


 「いよいよ、火の魔鉱石を手に入れる準備が整ったか。」


 「はい。全ての世界を救うために協力します。」


 「角之助のことをよろしくお願いします。」


 「わかりました。」


 桜花達は、火の城から出て、火の魔鉱石を手に入れることだ。


 歩き始めてから、結構な距離のようだ。


 しかし、地面には、激しい蒸気が噴出している。


 安全な道ではっきりと残っている。


 「そこの道なら、安全だわ。」


 また、地面がもろい。


 踏み外してしまったら、大きく穴が空いてしまう。


 充分、用心することになるだろう。


 だが、噴出している蒸気で歩いているうちに大汗だ。


 「城から離れて、かなりの距離ね。」


 「ああ。水分はいるか。」


 「大丈夫。まだいけるわ。」


 スバルも桜花のことを気遣っている。


 「まだ、距離があるぞ。行けるか。」


 「ええ。」


 「ああ。」


 半分ほど進んだようだ。


 さらに歩いて、頑張っていた。


 火の魔鉱石の在りかは、火山の内側だ。


 桜花達は、火山の出入口を見つけて、そこに入った。


 入った瞬間に気持ちの良い風が流れていた。


 そして、火の魔鉱石は、マグマの中央に浮いていた。


 「あれが、火の魔鉱石なのね。」


 「ああ。火の魔鉱石を取り出すには、難関だな。」


 角之助が前に出て、立ちはだかった。


 すると、マグマが噴出した。


 「クッ!!!」


 角之助は、火の代行者の能力を利用して、マグマを切り裂いた。


 「俺の剣は、核が違うぜ。」


 後ろにいた桜花達に巻き込まれるところだ。


 「危なかったわね。」


 「そうだな。俺がいなかったら大変だ。」


 スバルの水の代行者と魔鉱石を持っているが、いつまで耐えられるかがわからなかった。


 ただ、桜花とスバルは、見守ることしか出来なかった。


 角之助もまっすぐな表情で、マグマの前の崖に立ち、火の魔鉱石を眺めていた。


 すると、中央に浮いている火の魔鉱石が輝きだし、角之助の元に向かって行った。


 「えっ・・・。」


 さらに、輝きだした。


 角之助の目の前には、火の魔鉱石の間に入っていた。


 「其方は、何が望みか。」


 角之助は、迷うことなくまっすぐだ。


 「俺は、全ての世界を救うことを決意した。」


 「なら。其方には、全ての世界を背負うことになるが・・・。」


 角之助もそれを言われ、焦っているようだ。


 だが、焦っていられる訳にはいかなかったようだ。


 「俺には、火の属性世界と全ての世界に役立つための力が欲しいんだ。」


 火の精霊は、“こやつは・・・”と思っていた。


 「俺は、まだ、未熟者だが、背負わせる覚悟の上だ。」


 (こいつはな・・・。)


 「ならば、其方のやりたいことを行えばいい。成果を出せれるものならばな。」


 角之助も固まった。


 火の精霊も十分な角之助の動機を確認したのだ。


 「角之助よ。其方に火の魔鉱石を授けよう。成果を出すんだ。」


 「あっ!!」


 魔鉱石の魔は、強く輝きだした。


 そして、火山の元に戻った。


 「角之助、大丈夫・・・。」


 桜花も心配していた。


 「ああ。心配をかけたな。」


 スバルも側には、いたが、やむを得ず水の代行者の能力と水の魔鉱石を使った。


 「俺達の方は、心配はない。」


 「そうか。すまなかったな。」


 角之助も火の魔鉱石を手に入れ、魔鉱石のあった場所から出た。


 出入口に戻った桜花達は、先程の道で熱い噴出が収まっていた。


 桜花までもなく、みんなも気づいていた。


 「スバル、角之助。」


 「そうだな。地上には、噴出が収まっているようだ。」


 「ああ。不思議と熱くはないな。」


 スバルも地面が熱くなかったことに感じていた。


 「そろそろ、戻らないか。一刻も早く、アグラス様に報告をしなければ。」


 スバルの提案もそうなのだ。


 「その方が、いいのかもしれないな。」


 角之助も同じ意見を出していた。


 目の前には、牢獄から脱走した火の属性の犯罪者達だ。


 しかし、変わった魔力を桜花が感じたのだ。


 「まさか・・・。スバル、角之助、気を付けて。あの漆黒の霧に乗っ取られているわ。」


 「「「ゲヘヘヘヘ」」」


 「そうなるとすれば・・・。話を聞くことは無いかもな。」


 「ああ。ここは、道を開けることしかないだろうな。」


 「待って。私は、角之助に感謝しきれないことがあるわ。」


 「なにっ!!!」


 「目の前の操られている囚人を何とかすることでしょ。」


 「そうだな。」


 「ああ。俺も手助けするぞ。」


 桜花、スバル、角之助は、心が一つとなった。


 「じゃあ、みんなで行くわよ。」


 「「おうっ!!」」


 魔鉱石を取り出して、スーパーモードに覚醒した。


 「超光:桜花」


 「超水:スバル・アクア」


 「超火:角之助っ!」


 角之助は、薄い火の吐息を吐き出して、剣を抜き出し、峯内に入った。


 受けた相手は、気を失った。


 スバルも地面に水をまき散らして、相手の動きを鈍らせた。


 そして、桜花は、癒しの光を輝きだし、漆黒の霧を浄化し始めた。


 桜花も魔力の消費量も半端なかった。


 「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


 祈りながら、浄化に勤めていた。

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