第12話
風の属性世界の桃真も真剣な表情だ。
「だが、出来る範囲で協力させていただくつもりだ。」
他の属性の代行者も納得できるようだ。
「ワシは、風の属性の代行者の言っていることに賛成だ。」
「吾輩も同感だ。全世界を統一するのに難しい問題だ。」
「我輩も今の世界を見直すことは、重要なのかもしれん。問題を起こされては叶わないだろうな。」
「ええ、私も全人類に根源がありますので、無理強いはできないことも当然のことです。」
「わっちもじっくり、勇者にふさわしい人材を探すつもりだ。わっちも諦める訳にはいかないからだと
思っていたからだ。」
「拙者も敵に襲われたが、諦めずに戦っていたからだ。その為、木の属性の精霊が現われ、選ばれたのだ。」
「俺は、俺の国でやり直す為の力が必要になったと実感した。他の世界の一般人が観光に来られてもお
招きすることだと思っていた。」
「僕も変わらなきゃが本格的だ。」
全8代属性の代行者も決意を固めた。
しかし、ホウル王者も放っておけないことがあった。
「みな、気を付けよ。前回の会談で邪悪な気配があることを忘れてはならぬぞ。」
「当然だ。だが、指名手配者を見つけ次第、即刻拘束し、厳重な牢屋に放り込んで脱走させるな。」
他の王様と王女様もそう頷いた。
「今後のことにみんなで協力し、力を合わせよう。解散!!」
最後にホウル王者がひと声を残した。
果たして、全ての世界を救い出すことが出来るのだろうか。
そうでなければ、全ての人類も困ることになるだろう。
解散された後には、自分たちの能力を利用して、自国の属性世界に戻っていった。
Dr.ガイは、移動している間に闇の属性世界に隠れていた。
Dr.タニック号の備品と補給を行っていた。
「おのれぇぇぇっ、今度こそは・・・。」
闇の属性世界の地下でDr.タニック号の一部を修理し、整備している。
なお、サイボーグ壱号が破壊され、修理しているところだ。
それなりに2~5日間は、かかる様だ。
5日目になるとサイボーグ壱号が復活していた。
「おっしゃ、サイボーグ壱号が復活したぞ。」
周りは、冷めた状況だ。
「あれ、サイボーグ壱号が復活したのにどうして・・・。」
さらに沈黙していた。
Dr .ガイは、状況を説明し、Dr.タニック号の修理を勧めた。
やはりそうしなければならないのだろう。
Dr.ガイは、あの時、漆黒の邪気に取り着いたのかと思っていた。
始めは、完全に支配されていたのかと思っていた。
しかし、漆黒の邪気が残っている自覚が無かったようだ。
(ワシも思っていたことがあったが、闇の力が強かったからこんなことが出来たのかもしれなかった。)
考え直すとDr.ガイは、漆黒の邪気に取り込まれていなかったようだ。
Dr.ガイは、今頃何をやっているのだろうかと思っていた。
(うむ。ワシは、今の世界を支配できる程の力が欲しかったんだ。)
しかし、何もかもが大きな力を手に入れた訳ではなさそうだ。
(ワシにも仲間が多くあっても良いのだが・・・。)
Dr.ガイは、地下にDr.タニックをサイボーグ達に任せてしまった。
「親方っ!船はどうしますかっ!」
「ワシを一人にしてくれ。」
Dr.ガイの姿は、情けない姿でとぼとぼ歩いて行った。
タツミゾンビもDr.ガイの姿を見た。
「ガイガイッサーッ!いつでも待ってるっ!」
「わかったよ。いつか戻る。」
地下に収容した出入口に到着し、扉を開いて闇の属性世界に出た。
周りには、何もなかった。
(良い天気だ。)
目を開いて、気持ちの良い空気に触れた。
しかし、Dr.ガイは、全世界に指名手配所に懸けられたはずだった。
なぜか、闇の属性世界が特別な世界なのかもしれない。
闇の属性世界では、正当な裁きを行うことが当然のはずだ。
今でも邪悪な気配が分らぬままでは、疑う余地もないようだ。
Dr.ガイも気づけば、今の状況を利用すれば悪さをすることが出来るのかもしれない。
(ふむ、ワシが事件を起こして、逃げ切ることが出来れば、ほとぼりも冷めるのだろう。)
Dr.ガイもまた気づいた。
闇の属性世界で特殊な能力で結界が出来るのやもしれぬ。
(そうか、その手があったな。)
しかし、そのためには、交渉の手段が無かったため、どうすることも出来なかった。
(今できることが、ワシの船を治すことと、仲間を増やすことが必要じゃ。)
でも、とぼとぼ歩いていた。
みじめの様だ。
すると、目の前には、たくさんの屋台が並んでいた。
(ふむ、屋台が並んでおるな。)
Dr.ガイは、腹が鳴った。
「はぁぁ、腹が減ったな。」
懐にも何もなかった。
どうしようも無く、彷徨っていた。
「ねぇ、ねぇ。何しょぼくれているの。」
「えっ、ワシのこと。」
「そうよ。あんた、よれよれじゃない。」
なんて失礼なと思っていた。
「あっ、そうだ。今の屋台で何か食べない。」
「えっ、いいのかい。」
そう、返してもおかしくなかった。
「まぁ、いいって。」
適当な屋台でご飯を食べることとなった。
Dr.ガイは、声を掛けてくれた彼女の名前を知らなかった。
「ところで、君の名前は。」
「えっ、私。私はね、ナルコギャル。」
「そうですか。ご飯、本当にありがとう。」
「いや、いいって。」
ナルコギャルが考え始めた。
「そうだ。私を闇の世界を出るための旅をしてみたいんだ。」
「そうか。ワシからのパスポートを差し上げよう。」
「えっ、パスポート?」
「ワシの隠れ家なんだ。」
「へぇ、そうなんだ。そこに行けば分かる事ね。」
Dr.ガイは、頷いた。
「私が、気が向いたらそこに行ってみるわ。」
そう言われて、反応を待っていることにしていた。
Dr.ガイの腹は、膨れていてアジトに戻ろうとした。
到着したころには、仲間達にDr.タニック号の修理に急いでいた。
「諸共、さっさと修理に急がんか。」
「「「ガイガイッサー」」」
本格的に事件を起こして、動き出そうとしていた。
シーホープ号は、海の上で航海している。
スバルは、一部心配していることがあった。
「そう言えば、俺が、水の代行者の使命を言い渡されたな。」
そう、水の属性世界が心配だ。
「みんな、水の属性世界によってもいいか。」
みんなは、考え始めた。
「私は、スバルの心配も分かるわ。」
甘恵も自分の故郷のことも様子を見ておきたいと思っていた。
「私も水の属性世界も心配になって来たわ。」
「オラもスバルの言っていることに賛成だ。」
「そうだね。キャプテン。」
「うむ、寄らなかったことに心苦しい。」
角之助も考えた。
「そうだな。なぜなら、スバルに与えられたのかの細かい説明を問いただしても良いだろう。」
角之助の言っていることもそうだった。
すなわち、木の属性世界でアジサイ丸に木の属性の代行者に選ばれたからだ。
「角之助の言っていることで、目の前で選ばれたからな。」
アジサイ丸も世界を救いたいと願っていたからだ。
まずは、水の属性世界に向かうべきだ。
シーホープ号は、風の向くがままに任せるがままとなっていた。
船長のスバルは、舵を握り、水の属性世界に向かっていた。
数日後、シーホープ号は、水の属性世界に到着し、上陸した。
スバルは、桜花に声を掛けた。
「桜花、一緒に水の属性の王女様に行かないか。」
桜花も考えた。
「そうね、私も気になった。」
なぜか、突然すぎるのではと思っていたからだ。
スバルと桜花も水の属性世界の王女様の城に移動していた。
城の出入口に到着し、兵隊に声を掛けた。
「スバルだ。至急、王女様の元に会いに行きたい。」
しかし、城の警備員は、槍で通ることを拒んでいた。
「今のお前には、信用することが出来ない。」
スバルは、額に集中し、水の属性の代行者の証で証明した。
「なっ、これは・・・。」
警備員も驚いて、伝声管で城内に伝えた。
「これは失礼いたしました。代行者殿とお客様も通って良し。」
槍が解かれて、城に入ることが出来たのだ。




