No.007 鉄の雨
戦闘二回目です。
今回も少し短めですが……
ソウルリキッド陸軍第一軍集団司令
中村結衣大将
「……ええ、よろしくね結衣」
『分かったわ、綾香』
私は綾香から総統の命令を聞いていたわ。たった30万の敵を壊滅させるだけの簡単な仕事よ。
「さて、竜也。海と空との連絡は出来る?」
「はい、もちろんですよ司令」
「良いわね。じゃ、始めましょうか」
今答えたが私の副官の木谷竜也中将よ。イケメンで私好みの男ね。
『始めましょうって、それで?どうする気なのよ』
『踏み潰してやるのか?』
「そんな事やらなくて良いわよ。奴等の上から鉄の雨を降らせましょう」
答えたのは始めが海軍第一軍集団司令の藤谷洋子。次が空軍第一軍集団司令の副島淳で、今回一緒に敵を潰す役割を貰った人ね。
『鉄の雨ね。なかなか良い趣味してるじゃない』
「でしょ」
『やられる側は大変だけどな』
「そういうのは気にしないの。まあ、作戦は言った通りだからよろしくね」
『分かったわ』
『了解だ』
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レンデングスト連合派遣軍
ヒルディアムス攻略援護部隊
シーゲルグスト教皇国将軍ムリファーナ・ゲリス
現在俺はヒルディアムスへと向かったライデルングの連中を援助するため30万を率いている。
「全く、ライデルングは何をやってるんだ。50万もいるのに押し返されるなんて」
原因は約2時間前、ヒルディアムス攻略隊に配属されていたスレイプニール騎兵が伝えた内容によるせいだ。
「大方、油断した所を奇策でやられたのでしょうな。ファイデンブルグの兵には強者が多くおりますから」
「まあ、そんなもんだろうな。だが所詮は奇策、簡単に撃ち破ってくれる」
「俺達には空竜もいるしな。楽勝だよ」
部下達は呑気に言っているが、もしかしたら不味いかもしれない。
(伝令をした兵は、敵は3m程の大きさの鎧武者が70程と伝えて来たな……モンスターも人間も関係無く殺したと……何者だ……?奴等の新たな装備か……?)
…………ゥーー…………
(敵は70、そしてその数で50万が押し返されると言うことは、一体一体がかなりの戦闘能力を持っていると言う事になる)
………ゥーーーー………
(しかもあの伝令の怯え様は……まるで死神にでも会ったみたいだったな)
……ゥーーーーーー……
(鎧武者とは何者だ……?まさかとんでもない相手と戦ってるとか言う事なのか……?)
…ヒゥーーーーーーー…
「ん?何だ、この音は?」
「どうやら空の方からしている様ですが……?」
ヒゥーーーーーーーーー
「っ?何か来…」
ズガーーン ズガーーン ズガーーン
ドカーーン ドカーーン ドカーーン
ドドドドドドドドドドドドドドッ
ドドドドドドドドドドドドドドッ
「「「ギャー⁉︎」」」
「な、何だ⁉︎」
「俺の足が、腕がー!」
「糞!何だ⁈魔法か⁈魔術兵障壁展開‼︎」
「しょ、障壁、展開しま…グギャー!」
「なっ⁈障壁が一瞬で破られただと⁈」
俺の前方では、確かに薄緑色の障壁が張られたのだか、1秒と持たずに破壊された。
「糞、空竜騎兵に敵魔術兵を攻撃させろ‼︎」
「り、了解です!」
今度は空中の空竜騎兵へ向けて旗信号で命令が送られる。空竜騎兵達は直ぐに動き出したのだが……
「なっ⁉︎今のは何なんだ⁉︎」
「空竜騎兵が……やられた⁈」
「「「そ、そんな……」」」
「どうすれば良いんだよ⁈」
空竜騎兵の前方から白い尾を引いた矢のような物が飛んできたと思ったら、空竜・兵士共々火達磨となって味方の上に落ちた。
「前方、何か来るぞー‼︎」
しかも前からは濃い茶色で横幅の広い物体と、青と白色の少し細い物体と、青色の物体が此方へ向かって来ている。そう認識したら……
「なんなんだよ、これは⁈」
兵士が集団で一瞬にして炭と化した。
「ぜ、全軍第三要塞まで退避しろ‼︎」
「「「り、了解」」」
そう言って馬を後ろへ向けたのだが、急に強い衝撃に襲われ、意識が断ち切られた……
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陸軍第一軍集団司令中村結衣大将
「あはは、いい気味」
『壮観だな』
「趣味が悪いですね」
『その通りよね』
「何よ、その言い方」
『総統の命令を守ってるだけじゃ無いか』
『敵を虐殺して笑っているいる人には言われたく無いわよ』
「ですよね」
総統の命令として、敵を壊滅させてたら竜也と洋子に嫌な顔されたわね。何故かしら?
やった事と言えば、陸戦型母艦のロケット砲と全母艦のミサイルを全弾打って吹き飛ばし、電磁砲とビームバズーカを打ちまくり、トドメに駆動機のビームキャノンとビームバルカンで消し飛ばしただけなのに。
「……はい、分かりました。司令、総統から通信が入っています」
「分かった、繋げてくれる?」
「了解」
『どうだ?結衣、終わったか?』
「はい、終わりましたわ。逃げ帰れたのは5千人もいません」
『そうか。では近くの要塞にも砲撃しておいてくれ。逃がさないようにな』
「了解です。それと総統、少しよろしいですか?」
『良いが、どうした?何か問題か?』
「いえ、違います。戦場で散った兵士達に弔いの火をかけてやりたいのです」
『そうか、それなら大丈夫だ。焼夷弾くらいだが使ってやれ。この世界で火葬が忌避されてたら面倒になりかねんがな』
「ですね。まあ、此方の風習として対処すれば良いのでは?」
『だな。ではこの後も頼んだぞ』
「分かりました」
「司令、焼夷弾の準備は間も無く終わります」
『空軍は既に終わっているぞ』
「そう、では準備が出来次第弔ってあげて」
「『了解』」
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「なあ綾香、結衣が何を考えているか分かるか?」
「どういう意味ですか?」
俺は通信中の結衣の雰囲気に違和感を感じていた。
「普段の結衣なら敵を弔うなんて言わないだろ。そこが変だと思ってな。ただ、何か俺達に利のある事だとは思うがな」
「そう言う意味ですか。ですが……分かりませんね」
「総統、それなら簡単な話だろ」
「玲?分かったのか?」
「当然。ここは魔法もある異世界だからな」
「ああ、そう言うことか」
「そう言う事ですか」
「よく思い付いたわね」
「あたい、分からなかったよ〜」
「流石であるな」
「わたくし、言われるまで気付きませんでしたわ」
「えっ?皆分かったの?」
「マスター、分からないので教えて下さいませんか?」
玲の言葉で理解出来たのは俺と拓篤、刹那、花梨、寛泰、理恵だけだったようだ。現に律や雫は困惑している。
「ファンタジーものなら死体から発生するモンスターがいるだろ」
「「「「「ああ〜」」」」」
「ゾンビやスケルトンと言うことですね、マスター」
「そう言うことだ。結衣はよく考えてたな」
「確かにアンデッドモンスターは厄介よね」
「成るか成らないかはランダムでしょうしね。最も自分達相手と成ると相当量アンデッドに成るでしょうが」
「俺達には勝てないだろうが、面倒な事にかわりはないしな」
「まあ、皆の言っている通りだな。それよりも次だ。雫、ファイデンブルグの兵達は何処にいる?」
「現在ヒルディアムスの門の前に全軍が集まっていますね。ん?……何やら先頭で言い争いの様な事が起こっていますが……もしかしたらこの女性が女王かもしれませんね」
「女王も居るのか。これは好都合だな。では、当初の予定通りに行くぞ!」
「「「「「了解!」」」」」
こうしてソウルリキッドの初の戦闘は終わったのであった。
これから世界が変化していきます。
暫くは平和ですが。




