8.大人の工作
「何作ろう何作ろう何作ろう…」
三時間後。
「何作ろう何作ろう何作ろう…」
「恵ちゃん?そうめん出来たよ~」
「わーい」
午後1時。
「しまった!」
何を作ろうか体をねじりながら考えていると部屋に母が入ってくる。
「恵ちゃん」
――前にもこんなことがあったような――
「いやな予感…」
「友達来たよ」
「的中!」
玄関の前にサッカーボールを持ったしおんが立っていた。
「あそぼ!」
「毎日偉いな、だが今日ばかりは無理だ!宿題があるんだ」
――というかこいつは宿題やってんのか?――
恵に誘いを断られて顔を下に向きシュンとしてしまう。
そんなしおんを見て恵も心が痛んでしまう。
「はぁ、仕方ないな」
やっぱり遊ぶと言う恵の言葉を聞いて気分が良くなるしおんが満面の笑みで外に出ていく。
――まぁ、ガキの工作だしペットボトルに顔書いて父って名前で出したらいいか――
いつも遊んでいる空き地とは別の方に歩き出すしおんを恵が止める。
「空き地はあっちだろ?」
「いいから!」
「うん?」
町を外れ、大地が広がるがその遠くに人だかりがあったのが見えた。
「みんなーーー!」
「おやや?」
三組のいつも校庭でサッカーをする友達たち
「よっ!」
「とき?」
だけではなくあれから参加するようになった上級生たちもいた。
「大勢だな」
「サッカーは大勢だろ?何馬鹿なこと言ってんだ?」
よみがえる初日のサッカー。
――俺間違ってなかったんだよな――
「恵たちもきたしチーム分けやり直すか!」
「「「「「「「「ぐっとぱーでわかれましょ!」」」」」」」」
――ってこの人数でぐっぱは悪手だろ――
数時間後。
「もうこんな時間か、帰るぞーー」
「「「「はーい」」」」
しおんと帰っている最中、ふと上を向くと宇宙船の光が空が暗いおかげではっきりと見えた。
――今日明日で着地する船か――
「なんだろーあれ」
「宇宙船だよ、地球から来た」
「ちきゅう?」
「俺たちの祖先は地球人なんだぜ」
「そーなんだ、いつか行ってみたいね」
「だな」
――地球から見たら俺たちは宇宙人になるのかな――
「ばいばーい」
「また明日!」
「ただいまー」
「おかえり!楽しかった?」
「うん!」
恵が帰るころにはすでに日は沈んでいたが何を作るかは決まっていたのでそう時間はかからなかった。
そして夏休みが明けて課題を提出する時。
「めぐみくん眠そうだね」
「きのう遅くまで宿題やってて」
「ダメなんだよー?ため込んじゃ」
――知ってるわ!――
「では各自前に持ってくるように、自由研究は紙に名前と作品名を書いて廊下のテーブルの上に置くように」
「「「「はーい」」」」
――元気な返事じゃ――
そして始業式の後、皆が帰った教室でおちせんが全員の絵日記を見ていた。
「どれも素敵な夏休みを迎えたようで安心安心」
「次は恵くんか、どれ」
初日からめくっていくがずっと「友達とゲームをした」ばかりで「ずるしてるのか」とおちせんは思いながら最後までめくる。
「お、ふっ、いい思い出があったようだな」
大勢の人が笑う絵の後にこう書かれていた。
8月31日
今日は、皆でサッカーをした。
楽しかった!
「どれ!作品も見てくるか!」
「ん?なんだこれ?」
名前よしだめぐみ
作品名『父』




