33.偽りの動物
「天気が晴れたので今のうちに帰りましょう」
「「「はい」」」
急に雲が晴れたおかげで雨が止み、気温も急上昇し外に出ても安全だと学校が判断したため一泊せず帰れることになった恵たち。
「それと獅子君」
「――!?」
「来週はその服の中について聞くことがあるので覚悟するように」
柏木が獅子のジャージを指さすともぞもぞと何かが動いていた。
「はい…」
――怒られてやんの――
「神田と吉田もな」
――何故ばれた――
獅子と田中と下校する。
「獅子先輩達なんで先生に怒られてたの?」
「ん」
「それは直接見たほうが早いかもな」
そういうとチャックに手をかける恵の手を獅子が止める。
「ちょ、なんで止める!?…んですか?」
「は、は!お前だ、だってセクハラ!」
「何を言ってるんですか!男同士じゃないですか!」
「か、関係あるか!そもそも俺先輩やぞ!やめろと言ったらやめるんだ!」
「隠すことないでしょ!?早く手を、手を下ろせ!」
「やめ、あ~~~///!」
ジッパーを下までおろすとそこには先ほどまでいた猫とは別の生き物がいた。
「へ」
「ニャー」
――声は、猫だな――
「先輩?これ」
「…」
獅子のジャージに隠すまではごく普通の一般的な猫の見た目をしていた、というよりあれは完全に猫だった。
だがこれは
「フェイクマル!?」
フェイクマルとは!
説明しようフェイクマルとはごく最近姿を現した種族で今までは猫と犬、それから鳥と似た種族が目撃されており、それらの動物の環境適応への突然変異だと前までは信じられてきたが最近になって全くの別の動物と言ってもいいのか疑わしい存在と明らかにされた嘘の動物、フェイクアニマルを略してフェイクマル。
――あんま略せてないけどな――
そして今回獅子たちが捕まえた個体は毛並みは猫だが鼻と尻尾は柴犬に近くおでこには三つ目の目が生えていた。
「でも保健室の時はこんな見た目じゃなかったよな」
「そうなんだけどさっきパッと見たらこうなってて…」
「なんでなんでしょうね」
「分からん」
――これに関しては数十年先も分からん問題だったからな――
「で?」
「で?って何?」
「それ、どうするんですか?」
田中がフェイクマルを指さす。
「それ?」
「フェイクマル」
――ひどい――
「ひどい!権兵衛は生きてるのにそれって、ひどい!」
「いやそれは科学的に生物というより石や水に近いって証明されてて…」
「けど!」
「ニャー」
「生きてるんだよ!」
「その行為は呼応というより光合成に近くて」
「ひどい、ひどいよ田中!」
「いや、別に飾ればいいんじゃないですか?別に破棄した方がいいとは」
「ひどい!」
「えー、なんで?」
――今日知ったこと、獅子先輩は動物に関係することにはめんどくさくなり――
「謝って、権兵衛に謝って!」
――田中君は――
「物に謝るのは何か生物として負けた気がしてちょっと…」
――多分人間じゃない、心が――
「謝って!」
「生物になり損ねた下等物質になんか、謝りたくなーーーーい!」
――言い過ぎ――




