16.閉会式
――クソ!やっぱ一緒に走ろうは信用できないんだ!――
紫音に先にゴールをされて気分がへこみつつも、最後まで走り切りゴールする。
「お疲れ様。これ持ってね」
「はぁ、はぁ」
――なんだコレ?――
渡されたのは名刺ほどの大きさの紙で表を見ると『57位』と書かれていた。
――下から三番目…――
息を整わせながらみんなが集合してるとこまで歩いていくとどうやらゴール順に並んでいるらしくて紫音とは離れたところで座る。
「はぁー疲れたぁー」
そして最後の一年生がゴールして他学年より先に一旦の閉会式をすることに。
――あれ?ウチって60人学級だよね?休みかな――
「はーい、じゃあ皆前向いてー!」
「おちせん…」
みんなの前に出て来たのはおちせんで気温が気温だから見てるだけでも熱くなってくる服を着ているが頭はとても寒そうだ。
そのギャップに笑いをこらえている者が少数いた。
恵はそのうちの一人だった。
「寒い中ね、ご苦労様でした!えーっとじゃあ一旦はここで解散します」
――ダメだッ、人の容姿を見て笑うなんてッ、最低だッ――
「っふw」
「それまでご家族の人とお昼を食べて、時間になったらまた開会式の時と同じ場所で同じように並んでください!」
「「「「はーい」」」」
「はっw、はいっw」
「それでは解散!」
――何故毎年マラソン大会の時だけ皆に笑われるのだろうか――
おちせんの中の七不思議
「めぐみくーん!何位だったって、なんで笑ってるの?」
ちょうど三年生が走り終わったタイミングで解散し、紫音がこっちに向かってくる。
「いやっw別にわらっwって無いから」
「急にスンてなるの怖」
「それはそうと今日って皆家族来てるんだな」
「そりゃだって昨日の帰りの会の時にプリントと一緒に渡されたじゃん」
「ぷりん…と?」
そして遡り昨日の帰りの会!
【明日のマラソン大会なのですが、いつもみたいに給食が無いので各自弁当を持ってくるか、家族のいる場所まで行って、えー食べるかの、どちらかにしてください。】
【【【【はーい】】】】
【詳しくはこのプリントに書かれているので必ず!親に渡してください!】
【【【【はーい】】】】
【毎年プリント渡しそびれてお昼抜きの人いるので気を付けてくださいね】
――まぁそんな子は一人も見たことないけど、子供だましにはうってつけ構文だからね――
【はい、?って恵くん起きて?】
【ん?うわあ】
「――――ッ!」
「もしかして…」
「どうしよう」
「もう、ばかぁぁぁぁぁ!」
紫音の暴言がやまびこのように校庭に響き渡る。
「で、この子がいつも遊んでる恵くん?」
「初めまして、吉田恵と言います。息子さんとはいつも仲良くやっています。」
「まぁ!なんてできた子なの!?」
――社会人なめんなよ?――←課長のご機嫌を取るための技の一つ
「こんなバカに勿体ないわね!」
「恥ずかしいってママ」
「恵君だっけ?どんどん食べて頂戴?たくさん用意したから」
「はい!いただきます!」
恵は食料を獲得した。
腹を満たして少し、紫音ママと談笑したのち時間になったので小走りで集合しに行く。
「今度は家にも遊びらっしゃい!」
「是非ーーーーーーー!」
「恥ずかしいって!」
「いい母ちゃんじゃないか」
「そんなことないって」
――ははーん、さては親フラだな?この罰当たりのガキめが!――
「いやいやそんなことあるよ、それに美人さんだしごはんおいしいし、紫音もあれぐらいコミュ力上げれば友達増えるのに」
「バカッ!」
恵が少々煽り過ぎたのか、顔を赤らめながら足を上げお尻を蹴られる。
「あいった、いった、いった、いった、いった」
その後、何事もなく閉会式が終わり帰宅するのであった。
そして今晩の夕食時にこの話をすると母さんにこっぴどく怒られた。
「ママも見に行きたかったのに!」




