11.開会式
『さぁ!子供たちの入場です!』
「赤組!行くぞー!」
「「「「「おーーーー!」」」」」
校庭端にある赤と書かれた大きな門から四列に並んだ六年生から順に校庭中央に走っていく。
「次、僕たちだね」
「あ、あぁ」
――くそ、なんで小学校の運動会はこんなに過酷なんだ――
遡ること一か月前
【今日から二学期ですが、いつまでも夏休み気分でいないようにしましょう】
【【【【【はーい】】】】】
【それじゃあ今月の予定表を配るので、必ず親御さんに見せるように】
――はぁ、憂鬱だ――
【はい、めぐみくん】
【あ、ありがとう】
しおんから予定表をもらい内容を確認していく。
――ってそうか、校外学習って今月か――
【は?!】
予定表に書かれていたのが信じられなくて声を上げながら席を立ってしまう。
【ん?どうしたのかな恵くん】
【あ、いえなんでもありません】
【どうしたの?】
【い、いやぁそういえば昨日ゲームでセーブし忘れてて】
【そうなんだ】
【へへへ、へぇ】
――なんで、九月に校外学習と運動会が同時に入ってんだよ!――
【それじゃあ今日の授業は総合というか今月はだいたい総合だからな】
――嫌な予感しかしない――
一時間目総合(運動会準備)外
二時間目総合(運動会準備)外
三時間目総合(運動会準備)外
四時間目総合(運動会準備)外
五時間目総合(校外学習調べ)中
――熱中症と疲労で倒れる!!!!!――
なんてのが一か月ほど続き…
「ぜんたーい、前ー習え!」
ピッピッピッ!
――もう疲れたもう暑いもう腰痛い――
日差しがカンカン降り注ぐ中で小さな帽子だけで熱が遮られるわけもなく、恵の体はすでに汗だくだった。
そんななか端の方に見える大きなテントの中で日差しから守られている教師と上級生に若干の殺意が湧く。
『続いては校長先生のお話、校長先生お願いします。』
――暑い殺す暑い殺す暑い殺す暑い――
「えー今日は暑いので早めに終わらせるので、少々お付き合いください」
――少々?ホントに少々だな?一言って言ったな?――(言っていない)
校長先生が話し始めて15分後…
『校長先生、ありがとうございました。』
――殺す――
――まずなんで15分も一人でしゃべり続けることができるんだよ詩人かよ、JKとか朝なぜか行ってらっしゃいと言ってくる主婦でも一人で10分でも限界だろおかしいだろ、真の陽キャはもしや校長なのかってくらいなんだけど熱いんだけどおかしいんだけど――
暑さで頭が正常に働かず、なんにでもキレる無敵状態になっているが、その怒りでさらに体の熱が上がる最悪な循環をしていた。
――なんか、頭がぼーっとしてき――
――て――
――あれ――
――しかい――
―――――――――――――――が
「めぐみくん?めぐみくん!先生!めぐみくんが!!!」
目を開けると冷房がガンガンに効いた保健室のベットで目を覚ます。
「あれ?ここは?」
「あ、起きた?」
「はい」
「とりあえず熱計ろうか」
――保健室の先生が言うにはどうやら熱中症で倒れていたらしい、それから――
「熱は無いね、どうする?運動会出たい?」
「いいえ」
「早いわね」
――そんでまだ教頭先生の話が終わってないことも――
『えーであるからして』
――鬼だ、悪魔だ、邪神だ――




