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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第七章 魔法師団編
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第91話 プール

 俺達はバーセラルの外れにある遊泳施設に遊びに来ていた。


 夏と言えばプールである。

「じゃあ、着替えたら集合ね!」

 ライラはこの日をすごく楽しみにしていたらしくウキウキである。

 入場を済ました俺達は男女で別れ更衣室へ向かう。

 今年も猛暑が続き今日何て40℃近い。

 俺とマシュアは特に話すことなく水着に着替えてプールへと向かう。


 そのころ女性陣が向かった女子更衣室では……。

「んー、なんか小さいかも?」

「メイルちゃんが成長しすぎなだけだよ……」

「ずるい……ライラちゃんもずるい……」

「お嬢様も大きくなられましたよ? ……多分」

「多分って何よ! 大きくなったに決まってるじゃない!」

 特に胸のサイズで口論が行われており、全然出てくる気配がない。

「やっぱ裸で行った方がレイも喜ぶんじゃ……」

 そう言って水着を脱ぎだすメイル。

「それはダメ! レンタルもあるから見に行こう?」

「えー……でも私の胸のサイズあるかなー?」

 イラッと周りで着替えをしている女性客から聞こえたが、皆知らないふりをした。

「ちょっと水着借りてくるから先行ってて!」

「はーい……」「行きましょうか、お嬢様」

 ミュフィスとアイルースは先にプールへと向かう。


「遅いな……」

 プール内にある売店でアイスコーヒーを買って、テーブル席で待っている俺とマシュア。

「女性は身支度に時間がかかる生き物だから仕方ないだろ」

「にしても遅くないか?」

「確かにな……気長に待つとしよう」

 俺とマシュアは氷の入ったグラスを回しながら暇をつぶしている。

 するとミュフィスとアイルースがこっちに向かってきた。

「お待たせ!」「お待たせしました……」

「おう、なんか飲むか?」

「じゃあ、私もアイスコーヒーにしようかな? アイルースは?」

「私もそれで……」

 俺はマシュアを連れてアイスコーヒーを買いに行く。

「おい」

「なんだよ?」

「アイルースが恥ずかしがってるだろ? こういう時は褒めてやるんだよ」

「……確かにな、なんて言えばいいんだ?」

「お前……その水着似合ってるよ、でいいだろ?」

「そ、そうか……分かった」

 なんかいつもよりも緊張しているな……まあマシュアは気が利かない奴では無いし大丈夫か。

 二人分のアイスコーヒーを注文して受け取った俺達はテーブル席へと戻っていく。

「買ってきたぜ」

「ありがと!」

「水着似合ってるよ」

「そう? えへへ……」

 俺はミュフィスにアイスコーヒーを渡してさりげなく水着を褒める。

 これをやれとマシュアを見る。

「アイルース」

 マシュアはアイルースへアイスコーヒーを渡す。

「ありがとうございます……」

「その、似合ってるよ水着」

「嬉しいです」

 ニコっとアイルースは微笑んでくれた。

 大丈夫そうだな……と、とりあえず一息つく。

「ライラとメイルはどうしたんだ?」

「うん、ちょっと時間かかるみたい……あはは」

「そうか、まあ急ぎでもないし待っているか……」


「おーい!」

 ん?

 声の方を向くとメイルが走ってこちらに向かってきている。

 そう、胸を大胆に揺らしながら。

「待ってー! メイルちゃん!!」

 ライラは胸を押さえながらメイルを追いかけている。

 周囲の男共の視線が気になるがこれはメイルが悪いだろう……。

「レイ! 水着どう!?」

 俺の前に来て水着をアピールするメイル。

「似合ってるよ」

「やったー!!」

 両手を上げて喜んでいる。

「メイルちゃん! 走っちゃダメだよ!」

 ライラが追いついてきた。

「えー? でもレイが水着姿早く見たいかなーって……」

 シュンとしてしまうメイル。

「じゃなくて……」

 ライラがメイルに耳打ちをする。

「走ったら胸が揺れるでしょ? 周りの人達もメイルちゃんの事見てたよ?」

「胸? 別にいいっすよ?」

「良くないの! はしたない女性だと思われるの嫌でしょ?」

「それは……嫌だけど……」

「水着の時は注意してね?」

「はいっす……」

 なんか姉妹みたいだな……と俺は見守っている。

「気を取り直して! 早速プールへ行こう!」

 ミュフィスの号令でプールのエリアへと向かう。

「何から行くっすか!?」

 もうテンションが回復しているメイル。

「やっぱ、ウォータースライダーでしょ!!」

 ライラが乗り気だ。

「私達は流れるプールへ行きましょう?」

「そうだな、レイ、無いとは思うが気をつけろよ」

「ああ、マシュアもな」

 俺達はウォータースライダーへ、マシュア達は流れるプールへと別れる。

「二人乗りの浮き輪に乗って流れるみたいだよ?」

 ミュフィスが入り口にある看板を見ている。

「二人乗り……ジャンケンで決めよう?」

 三人でジャンケンが始まった。

「ジャーンケーン……ポンッ!」

 綺麗にグー、チョキ、パーで別れる。

「あーいこーで……ポンッ!」

 ミュフィスとメイルがグー、ライラがパーだ。

「やったー! じゃあ最初は私とレイね!」

「ずるーい」「ずるいっすー」

 頬を膨らませて抗議してくる二人。

 いくらその姿が可愛くても、ジャンケンで勝ったライラを優先しなければ……。

「後でまた乗ればいいだろ? 最初はライラと行くよ」

「うん! 行こ!」

 ライラと手を繋いで列へと並ぶ。

 後ろから視線が突き刺さるがまあ気にしないことにする。

 

「では信号が青になったら滑っていってくださーい!」

 ガイドのお姉さんの説明を受けて信号が変わるまで待つ。

「ちょっと怖いかも……」

「大丈夫だ、なんかあっても俺が守ってやるさ」

「うん……」

 このウォータースライダーは洞窟探検をイメージして作られている。

 スタートすれば洞窟の中で、ライトは着いているが少し暗い。

 信号が青に変わる。

「行くぞ!」

「うん!」

 大きな浮き輪型のボートに背合わせで乗り込み、ガイドのお姉さんに押してもらう。

「いってらっしゃーい!!」

 ボートが水の力で流されてスタートを切った。

「キャーーー!!」

「凄いなこれ!!」

 洞窟の中をグングンと進んでいく。

 ライラはキャーキャーはしゃいでいる。

 俺も久しぶりにウォータースライダーに乗ったが思いのほかスピードが出て楽しい。

 そして洞窟の出口へと流されてゴールする。

「凄ーい! 楽しかったね!」

「いや、凄かったな!」

 ボートから降りて、二人して満面の笑みになってしまう。

 そのくらいには楽しかった。

 待っているとミュフィスとメイルも流されて来た。

「キャーーーーーー!!」

 凄いはしゃいでいる。

「もう一回! もう一回乗るっす!!」

「うん! 面白かったね!!」

 メイルに至っては興奮していて、すぐに列へ向かおうとしている。

 まあ、楽しんでもらえてるならいいか。

 俺達もメイルの後を追ってその後もウォータースライダーを楽しんだ。

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