第9話 昇格
俺はついにLv.60へ到達した。
「よっしゃ!遂にLv.60だ!!!」
「だーっ!負けたー!もう昇格すんのか?」
「ああ、いち早くクラスを確認してまた強くならないと」
そう、俺はどんどん強くならなければ、今度は負けないように。
「ドレイク様、教会へ行く手配は出来ております」
「よし!じゃあ早速行ってくる!」
「行ってらー、俺は訓練場行ってくる」
家の前で馬車に乗り込み教会まで向かう。
「何か思い詰めていますか?」
「ああ、このまま器用貧乏みたいに育っていくのかなって……」
「私もそんな感じでしたよ」
「え?」
「ですがLv.60からは一気に世界が変わります」
「技量も大切ですが、どこか一つは能力が抜きん出てくるんですよ」
「そういもんなのかな……」
「誰でも通る道です」
「いや、誰でもは通らないと思うけど……」
そんな話等をしていると馬車が止まった。
教会に着いたのだ。
「よし、魔物狩りでため込んだ金も持ったし行ってくる!」
「私は外でお待ちしております」
マシュアと別れて教会の扉を開く。
「よう、また来たぜ、じいさん」
「ほほ、よく来たな。早速やるか?」
「ああ、心の準備は出来ている」
そう言って神父のじいさんの前まで歩いていく。
教会では魔宝石などを使わなくても祈りを捧げれば昇格が可能となっている。
「大丈夫だ、信じるんだ、今までの努力を」
そうして両目を閉じて祈りを捧げる。
すると急に世界が暗くなっていった。
ステンドガラスに反射する光も届かない闇の中。
そこには竜がいた。
「お前あの時助けてくれた黒竜か」
……。
「なんでこんなところにいるんだ。てかここはどこだ?」
……。
「そうだ、前は助けてくれてありがとう。お前がいなきゃ助かってなかった」
……。
「良ければ名前を教えてくれないか?」
ヴァ……。
「バ?」
ヴァン……。
「ヴァンか!いい名前だな!俺はドレイク・ランドロックだ、よろしくな」
よろしく……。
「なあ、お前さえよければ俺達友達にならないか……?」
……。
「前に助けてくれただろ?今度は俺が助けるよ」
……じゃあ加護をあげる。
「え?加護?加護はいっぱい持ってるんだけどなーははっ」
じゃあどんな加護でも選べるとしたら……?
「え?」
何でも言ってみて…… 友達の印に加護を一つあげるよ。
「……今度は俺が黙る番か」
加護は確かに強力だ。それがあれば選べるクラスが増えていく。
「なあ?逆にどんな加護が良いと思う?」
闇竜。
「闇竜?」
全てを破壊しつくす闇竜の加護……。
「それって危なくないか……?」
うん、危険な力。
「うーん、闘術を上げたいんだよな。接近戦に強い加護は無いの?」
じゃあ王竜の加護は……?
「王竜の加護?それはどんな加護だ?」
竜の血を取り込み全てを統べる事ができる加護。
「血を取り込む……?それって俺は人ではなくなるってことか?」
見た目は人族……。でも身体能力が桁違いになるよ……。後は魔法耐性も跳ね上がるね……。
「ステータスってわかるか?それで表すとどんな感じなんだ?」
【ドラゴンロード】王竜の血を引く者に与えられし称号。
王竜種 : 固有スキル・王竜眼
竜術A,咆哮S,闇A,力A,速さA,耐久A
「強いな…… ちなみに竜術って何なんだ?」
爪、牙、尾で相手を殺す技だよ。
「耐久は?」
身体の丈夫さとか状態異常態勢とか。
「王竜眼って?」
王竜の眼を手に入れれるよ。動体視力は何倍にもなるね。
「……よし決めたよ、俺はドラゴンロードになる。」
いいの?
「ああ!決めた!竜になって強くなる!」
「仲間だね」
「ああ!って普通に話せる……?」
「うん、君の昇格はもう成功しているよ」
「マジか!やった!ありがとな!!」
「うん、これからはいつでも僕を呼んでね」
「いつでもって?」
「仲間、なんでしょ?」
「そうだな…… 今度呼ぶよ、きっと皆驚くと思うけど、ははっ」
「うん、ありがとう、楽しみにしてるね…… じゃあ時間だ…… またいつか」
「ありがとな」
暗闇から意識が戻る。
「気づいたか」
「じいさん…… 俺どれくらい気を失っていた?」
「なに、2時間ほどじゃよ。ほほっ」
「そっか、なあじいさん……」
「何に悩んでおる?」
「俺、竜になったよ…… もう人族じゃない」
「ほほっ、それだけか?」
「それだけって、もっとリアクションあんだろ」
俺は苦笑いしてしまう。
「小僧は小僧じゃ、ほれ寄金を寄越して帰らんかい、儂も忙しいんじゃ」
「ああ、ありがとなじいさん。また来てもいいか?」
「ほっ、何を弱気になっとるらしくない。……いつでも来なさい、今度は美味しい茶葉でも寄付して貰おうかの」
「ああ!また来るよ!じゃあ外にマシュア待たせてるからまたな!」
ドレイクは歩き出し教会の扉を開く。
「ドレイクよ」
?
「昇格おめでとう」
「ははっ、泣かせんなよじじい、もう行くぜ」
そうして俺は教会を後にした。




